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「みんなのあるある」になるのがオイシイ時代
あやちゃん:いや〜年末年始、ゆっくりした〜!
なんぼー:ゆっくりできたんだ、いいね。それも年末年始の醍醐味だよね。
あやちゃん:まさに!いっぱい映画も見れました。
なんぼー:おお!何見たの?
あやちゃん:この年末年始はヒーローものを見ようって決めてて。マーベル作品を全て見終わったのと、あとはダニエル・グレイグ版の『007』を見ました。
なんぼー:かなり映画見れたんだね。すごい。
あやちゃん:この2つの作品を見て思ったんすけど、最近のヒーローものって「強いだけじゃない」っすね。
なんぼー:確かにマーベルとダニエル・グレイグの007を見るとそう思うかもね。
あやちゃん:マーベルのヒーローたちも、仲間割れするし。
なんぼー:『シビル・ウォー』だっけ。
あやちゃん:そうです、そうです。『アイアンマン』も、三作目で不眠症やパニック障害になるし。『007』も、無敵のイケメン映画かと思ったら、結構やられたり、悲しみにくれたりしちゃうし!
なんぼー:ダニエル・グレイグの『007』はそうだね。2006年当時に007がそういったちょっとくたびれた風に描かれるのは新しかったと思うよ。
あやちゃん:なるほど〜。でも、2023年に見た私でもめっちゃ共感しました!
なんぼー: “弱さ” ブームは来ているよね。例えば、昔の栄養ドリンクの『リゲイン』のCMって「24時間たたかえますか」って日本人に訴えたわけだけど、最近の日本のリポビタンDのCMだと「みんな強くない」っていう訴求してるからね。
\#木村拓哉 さん初登場/
— リポビタンD (@Lipod_taisho) June 23, 2021
リポビタンブランドの新CMキャラクターに、木村拓哉さんを起用しました!
完成したばかりの新CMをご紹介します。
TVのオンエアは7月4日を予定しております。#リポビタン#一歩を一緒に pic.twitter.com/aUfEJwEsWN
あやちゃん:これ面白いですね!確かに、キムタクに言われると、グッと来ちゃう。
なんぼー:あやちゃんもキムタクわかるんだ。
あやちゃん:当然じゃないっすか!
なんぼー:木村拓哉さんは、もはや “かっこいい” の代名詞になっていてすごいよね。1人ジェームズ・ボンドっていうかさ。しかもなんか最近再評価されてる気がするんだよな。
あやちゃん:わかります!kokiちゃんやcocomiちゃんのInstagramで見かけるからかな〜
なんぼー:あとは、最近『JUDGE EYES』っていうゲームのキャラクターにもなったしね。
あやちゃん:確かに!お兄ちゃんがやってました!
なんぼー:木村さんはもうさ、概念なんだよね。
あやちゃん:概念?
なんぼー:普通にかっこいいんじゃなくて、「かっこいい」の概念なんだよ。
あやちゃん:ほう……どういうことっすか?
なんぼー:例えば、去年『silent』で話題になったSnowmanの目黒蓮くんはたしかにかっこいいし、BTSのVも確かにかっこいい。だけど、概念じゃない。木村さんはもう、「かっこいい」としてみんなにあまりにも知られているから、「かっこいい」の共有財産なんだよね。どちらかというと、キャラクターに近づいていっているというか。
あやちゃん:あ〜なんとなくわかったかも。「代名詞」……みたいなことですか?
なんぼー:そうそう。それに近いかもね。
あやちゃん:超わかります。実際にキムタクが好みか好みじゃないかとかじゃなくて、「キムタクといえばかっこいい」っすもん。
なんぼー:そうなんだよ。そこまで突き抜けちゃうと、強いんだよね。例えばさ、『JUDGE EYES』でも、普通のイケメンだったら全然面白くないはずで。
あやちゃん:なるほど。
なんぼー:「キムタク=かっこいい」という共通概念があって、そんな彼が歌舞伎町で人をボコボコにしてると、それだけで面白いからね。
あやちゃん:あはは!面白い!っていうかもう、歌舞伎町にいる時点で面白いっすもん。
なんぼー:今の時代、「共通概念」になれるとめちゃめちゃ強いと思うんだよね。TikTokとか、誰もが知っているネタを真似していくのがトレンドになる時代だから。
あやちゃん:え〜!いいな!わたしも共通概念になりたいっす!ならなくてもいいから、そういうの、つくりたい!
なんぼー:じゃあやっぱり、スタイルを突き通さないと。
あやちゃん:スタイルを突き通す?
なんぼー:あやちゃんは知らないかもしれないけど、木村さんって昔はドラマに出ると「何やらせてもキムタクじゃん」って言われてたんだよね。それはスタイルが強すぎるからでさ。
あやちゃん:あ!その悪口、お母さんが言ってるの見たことある!
なんぼー:そうだよね。でも木村さんはそれを貫き通したから今がある。
あやちゃん:そういう例って他にもあります?
なんぼー:例えば、タケモトピアノのCMとか、あとは東京の街宣車で流れてる『バーニラバニラバーニラ』のCMとか。
あやちゃん:ウケる!確かにネタになっちゃってますね、『バーニラ、バニラ』は新海誠さんの映画『天気の子』でも、作中にがっつり出てて笑っちゃった!でもその話聞くと、『バーニラ、バニラ』が東京・新宿のネタ?象徴?になってたってことっすよね。。
なんぼー:そうでしょ。ここまでやりきると、ネタになれるんだよね。だから、今って世の中が変わっていくスピードが速いから、すぐに何でも変えたくなっちゃうじゃない。
あやちゃん:わかります。なんか変えないと不安になっちゃうっていうか。特にそれが駄目ってなってるわけじゃないんすけど。
なんぼー:そうそう。明らかに悪ければ時代に合わせて変えるべきなんだけど、そうでない限り、「変えない」ってことも大事なんだよね。相当忍耐力が必要なんだけどさ。
あやちゃん:だからみんながみんなできるわけじゃないんだろうな〜。
なんぼー:そうそう。でも、今って “ミーム文化” で、ネタになれば、長く生き延びられる時代だから、時代のスピードとか関係なく、長く愛される概念になれるんだよね。より「キムタク」になる魅力が加速している時代ではあると思うよ。
あやちゃん:確かに。みんながネタになってる強さってありますよね。TikTokとかのバイラルもそうだけど、映画とかも、みんな知ってるネタばっかだもん!年末話題になった『THE FIRST SLUM DUNK』も、『トップガン』も……
なんぼー:それでいうと、元祖がそれこそ『007』だよね。再生産のうまい仕組み。マーベルも、無限にあの世界観から映画が創れるから素晴らしい仕組みだと思うけど。
あやちゃん:そうっすね!あと、最近はCMも知ってる曲ばっかだし〜!
なんぼー:安定してヒットが狙えるだろうからね。全く新しいもので成功するってめちゃくちゃ難しいことだと思うしね。
あやちゃん:確かに〜。言われてみれば「全く新しいもの見た!」ってあんまりないなあ。
なんぼー:全く新しいものって、人間は認知しにくいんだよね。程よく再生産されているものが見ていて心地いいんだよ。
あやちゃん:見たこと無いものが見たいはずなのに、結局、見たことがなさすぎると疲れちゃうのかな〜ちょっと気持ちわかる。やっぱり、「これ知ってる!」って思うと面白いっすもん。
なんぼー:そうだよね。だからこそ、「知ってるネタ」になるのが今はオイシイんだよ。
あやちゃん:「あるあるネタ言いたい〜」って言ってる場合じゃないですね!あるあるネタ、にならなきゃ!
なんぼー:とりあえず、あやちゃんの10年後に期待かな。
あやちゃん:な、長〜!!!