6 でも やっぱり実音で吹きたい(移調)
実音じゃないから何だか雰囲気がちがうなあ。やっぱり楽譜通りの音高で吹きたい。下からドレミの運指で易しく実音で鳴らせないの?この場合は楽器じゃなくて楽譜の方を替えてしまう方法があります。これが移調法です。
笛の指使いは変えずに、譜の方を替えて(移調して)吹く時、この笛は移調管(移調楽器)と呼ばれます。理屈は簡単です。C管以外の笛は音程が高かったり低かったりします。F管なら2音半高く、D管なら1音高くなります。ですからF管で吹く時には楽譜の方を2音半低く、D管で吹くなら1音低くするのです。この考え方で移調の早見表を作りました。
今ある管種(F管、D管‥)の笛で、手元の楽譜〔F(ヘ)調、C(ハ)調、D(ニ)調・・・〕を実音で吹きたいと思った時、何調で吹いたら良いのかを見出す早見表です。笛は常に下からドレミの運指で吹きます。(相対ドレミ吹き)
―表を使う前にー
キーを持たない笛は半音を出すのに苦労します。表は半音刻みで作ってありますが、できるだけ半音記号(#・♭)の少ない管種や譜を使うのが良いです。#・♭は2つかせいぜい3つぐらいまでです。
C(#♭なし)、F(♭×1)、G(#×1)、D(#×2)、B♭(♭×2)、
A(#×3)、E♭(♭×3)
ー表の使い方ー
例ー1 G管の笛でF(ヘ)調の譜を実音で吹くための移調譜は?
たてを列よこを行とします。最左列の中からG管を選びます。
最上行の中からF調を選びます。Gから右横へ、Fから下へ見た時に、交差するところB♭が移調譜になります。
G管でF(へ)調をB♭(変ロ)調に移調した譜を吹くと、F(ヘ)調と同じ音高(実音)で鳴ります。
例ー2 A管の笛でD(ニ)調の譜を実音で吹くための移調譜は?
最左列の中からA管を選びます。最上行の中からD調を選びます。
Aから右横へ、Dから下へ見た時に交差するところ、Fが移調譜になります。
例ー3 F管でF(へ)調の譜を実音で吹くための移調譜は?
最左列の中からF管を選びます。最上行の中からF調を選びます。
Fから右横へFから下へ見た時に交差するところCが移調譜になります。
笛の調と楽譜の調が同じときは、C(ハ)調に移調します。
注:C管はどの調を吹いてもその調の実音で鳴ります。