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さようなら。そうならなければ、ならないのならば。

※ほんの少しセンシティブな話なので、苦手な方はお控えください

「コーチング×旅」をコンセプトに仲間と活動している”POLIGHTS”のワークショップが、先月株式会社TABIPPOが運営する「自分と世界の豊かさをつくるニューノーマルトラベラーが育つ学校POOLO」内で開催されました。


その名も「いっぺん死んでみたWS」

参加者には、自分の死ぬ間際の状態や、誰といるのか等を想像してもらい、
自分自身にとっては遠い過去である「死」を体感してもらいます。

その上で、様々な角度からの質問が投げかけられ、自分について深く考えてもらうワークショップになっています。


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主催者側での参加ではあったものの、このワークショップは私にとってちょっぴりセンシティブで、色々考えさせてくれる良い機会でした。

というのも、丁度1ヶ月前に大好きな祖母とお別れしなければならなかったからです。

最後に祖母に会ったのは、コロナが騒がれる2年前のお正月でした。少しボケてきた祖母の姿に「また会いに来るからね」と声をかけたのを覚えています。

丁度1か月半前、朝起きると祖母が最近ずっと眠っていると父から連絡が来ていました。
アメリカに仕事できているし、コロナの水際対策も厳しいということなので、日本に帰ることは叶いませんでした。


もう少し、一緒にいる時間を作ればよかった。

祖母は最期どんな風に看取ってほしかったのだろうか。

最期、私が傍に居なくて悲しむだろうか。

色々ぐるぐる考えました。


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さて、今回のワークショップの中で、人生の中で大切なこと5つを書き出す時間がありました。

私が5つに選んだもののうち一番大切にしたいと思った1つは、「大好きな人に自分の気持ちを伝えていること」
人に出会い別れる度に、「この人に会うのが最期だとして、後悔しないようにしよう」と強く思いました。

別れはいつ来るか分からないから。


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さて、私がアメリカに長期出張して、早7か月が経とうとしています。

アメリカに来て気付いたのは日本語の「さようなら」はgood byeに直訳出来ないということ。

「さようなら」を文字どおりに訳すと、「さようならば」。
「そうならなければ、ならないのならば」という意味なのだそうです。

なんだかそのままを悲しみ受け入れる感じが、日本の憂いのある感じを表現していいなぁと思いました。

これまでに耳にした別れの言葉のうちで、このようにうつくしい言葉をわたしは知らない。

Auf Wiedersehen や Au revoir や Till we meet again のように、別れの痛みを再会の希望によって紛らそうという試みを「サヨナラ」はしない。
目をしばたたいて涙を健気に抑えて告げる Farewell のように、別離の苦い味わいを避けてもいない。

Farewell は父親の別れの言葉だ。
「息子よ、世の中に出て行き、しっかりやるんだぞ」という励ましであり、戒めであり、希望、また信頼の表現なのだ。しかし Farewell はその瞬間自体のもつ意味を見落としている。
別れそのものについては何も語っていない。その瞬間の感情は隠され、ごくわずかのことしか表現されていない。

一方、Good-by(神があなたとともにありたもうように)と Adios は多くを語りすぎている。
距離に橋を架けるといおうか、むしろ距離を否定している。Good-by は祈りだ。高らかな叫びだ。
「行かないで!とても耐えられないわ!でもあなたは一人じゃないのよ。神さまが見守っていてくださるわ。いっしょにいてくださるわ。神さまの御手が必ずあなたとともにあるでしょう」。
その言葉のかげには、ひそやかな、「わたしもよ。わたしもあなたといっしょにいますからね。あなたを見守っているのよ-いつも」というささやきが隠されている-。
それは、母親のわが子への別れの言葉だ。

けれども「サヨナラ」は言いすぎもしなければ、言い足りなくもない。
それは事実をあるがままに受けいれている。
人生の理解のすべてがその四音のうちにこもっている。ひそかにくすぶっているものを含めて、すべての感情がそのうちに埋み火のようにこもっているが、それ自体は何も語らない。言葉にしない Good-by であり、心をこめて手を握る暖かさなのだ-「サヨナラ」は。

引用:『翼よ、北に』より

さようなら。

そうならなければ、ならないのならば。

また会おうね、大好きなおばあちゃん
(おばあちゃんのことだから、地球をぶらぶら観光して、アメリカまで私に会いに来ているだろう)

おばあちゃんとのお別れを通して、人生の大切なことに気づかせてくれてありがとう。

アメリカ出張でBIGになって、また会いに行くね!!


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