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愛犬ポップとの思い出と不思議な出来事③ ~旅立ち
こんにちは、七色そよ風です。
前回までの愛犬ポップとの思い出と不思議な出来事①、②に続きポップとの思い出を綴りたいと思います。
今回もお付き合いいただけましたら嬉しいです。
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前回の続きから... 地震を予知していたかもしれない我が家の愛犬ポップ...
その後も毎日の散歩は代わらず朝晩おじいさんと自転車で...
散歩のコースは決まっていて田んぼ道を通り、その先は酪農をしている集落で放牧されている牛さんの近くを通り、水路の脇道をぐるっと一周して帰って来ます。
若いときのポップは散歩の時間になるとソワソワし始め、いつおじいさんが来てくれるかと待ち遠しくて、そしておじいさんが来ると足をジタバタさせ首輪にカチャっとリードを付けた途端に猛烈ダッシュ、うれしくてうれしくて、はやる気持ちがそうさせるのか、いつも首輪がリードに引っ張られ喉をヒーヒーさせながら夢中で先に行きたがるポップ...
おじいさんは自転車に跨がるのもひと苦労...
歳を重ね次第に落ち着き「よしっ」って言うまで待てるようになったポップ...
帰って来るとおやつのジャーキーをあっという間に食べちゃうポップ...
なぜか骨のような形のおやつをあげると穴を掘り埋めてしまう...
私はそれを食べているところを見たことがなかった。
掘り返して食べていたのかな~。
犬の習性なのか普段から穴掘りは得意で犬小屋の周りは穴だらけでボコボコしている。なかなかの深さの穴に餌を隠し鼻で土をかけ何食わぬ顔でもっと頂戴みたいに欲しそうな瞳で見つめてくる。
鼻の頭は土だらけ、さっきあげたの隠してたのバレてるよ~。
犬小屋の前に大穴を掘り暑くても、寒くてもその穴の中でいつも寝ている。
やっぱりこれも習性なのかもしれない。
夏は涼しく、冬は暖かいのだろう。
毛布もマットもいらない。
冬になると寒いだろうにと小屋に入れてあげるとせっかくの毛布もマットもボロボロにオモチャにされ毎回必ず悲惨なことになる。
それも習性なのかな...
私たちが住む離れの玄関近くに犬小屋があり、玄関から出てくる家族を待ちわびるポップ...
耳が良いのか、気配でわかるのか、玄関ドアを見つめお座りのポーズで出てくる家族を首を傾げてじっと見つめて待っている。
撫でて欲しい。声をかけて欲しい。
健気にもその見つめる目が私の胸をキュンとさせる。
なんともいえない愛くるしさなのだ。
そんな日々が過ぎ地震の翌年、長女が嫁ぎ、その翌年孫が生まれ、これから先もという時におじいさんが病気になった。
だんだんとポップとの散歩も行けなくなったおじいさん...
そんな中ポップも次第に体が衰え散歩もゆっくりとしたペースになり...
そしてお別れの年がきた...
その年の冬は前年からの寒波が続き、雪も例年より多く降り積もるような大変寒い冬だった。
冷えのせいか、下半身に力が入らないようになりだんだんと立てなくなり、ヨロヨロとよろめいてしまうポップ...
犬小屋に入ったままあまり外に出なくなった。
それでも私たち家族の気配を感じると小屋から出てこようとする。
食欲もなくなり、お別れの時が近づいてきている。
その頃のポップの眼差しが忘れられない...
ようやく寒い冬の季節が過ぎ、春間近...
3月彼岸の時期、我が家はレンコンの出荷を終え、水稲の種まき準備作業に...
その頃になるとポップはほとんど立てない、じっと見つめている。
見えているのか、水を少し舐めるだけ。
ゲージの中で過ごしている。
種まきの日、とても天気が良かった。
毎年物置小屋で行う。半分小屋で半分外で、種まき機械に苗箱を入れ、土が入り、種がまかれ、出てきた苗箱を外に出し重ねる作業をする。
ポップと一緒にいたくて、ポップの寝ているゲージを近くに置いた。
私たちの声が聞こえているのかな...
そういえば夏の終わりに地元で花火大会が毎年行われる。
家の裏からよく見える。
蚊取り線香をつけウチワと椅子を用意して、その横でポップを座らせ一緒に見ていた。
夫がビール片手につまみを食べていると口をパクパクさせ欲しがってたポップ...
そんなことを思い出す。
そして種まきした日の翌日、4月になったその日の夜にポップは旅だった。
明日、ポップを埋葬しなければ、我が家の墓がある墓地には動物を埋葬する場所が墓地の片隅にある。
前に飼っていた犬もそこに眠っている。
その犬はジジという名でメス犬でした。
犬供養の塔婆もあり供養されている。
昔この地域ではメス犬が亡くなると、Y字路の道に埋めY型の塔婆を立て供養していた。
ポップが亡くなったその晩は物置小屋に安置しておいた。
そろそろ休みましょうかと寝室に...
なかなか寝付けない、普段涙など流さない夫がポップが逝ったのを見届けた時泣いていた。
お父さん... ジジの時もそうだったね。
悲しいシーンのある映画やドラマを見ても悲しくない訳じゃないけど、泣かないお父さんなのに...
夫は犬、猫アレルギー...
でも犬好き...
きっといっぱい撫でたり、顔近づけたり、かまってあげたかったと思う。
毎日の餌はお父さんがあげる...
ペットフードをあれこれ迷いポップの好みのものを買ってくる。
ご飯をあげているのになぜかポップになめられていたお父さん...
反対にポップにかまわれていたね。
そんなお父さんにも思い出はたくさんあるよね。
ポップがまだ小さかった頃、車嫌いのポップを軽トラに乗せ田んぼに連れて行こうとしていたね。
あまりのポップのビビリっぷりに数回で断念...
連れて行きたかったのにほんと残念だったよね。
明日はポップとお別れ...
なかなか2人とも寝付けない...
床の中でどれくらいたっただろう...
静まり返った中、犬のかすかな鳴き声が...
まさか...
まさかね...
すると夫が、私が...
「いま、犬の鳴き声したよね」
同時に...
「クゥーンって、聞こえたよね」
「えっ、ポップ」
不思議なことが...
夫は急いで物置小屋へ...
そうだよね...
ポップが鳴くはずはない。
でも最後のお別れにきてくれたのかもしれない。
甘えたやさしい鳴き声で...
私だけじゃない... 夫も聞こえた。
「ありがとう」
ポップとの思い出と最後の不思議な出来事。
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動物にあげるお線香は半分にしてあげる... 以前動物供養でそう聞いた。
人間に近い魂は人に可愛がられ愛されることで魂が育っていくと聞いた。
本当にそうなのかわからないけど、私たち家族も魂のボランティアが少しでもできたならとても嬉しい...
いつかご縁のあるペットと出会えたら、また楽しく暮らして行きたいと思っています。
この思い出を綴るきっかけは夫と今度またワンちゃん飼えるかな~なんて話していた時に「あの時ポップの声確かに聞こえたよね」って確認しあったことが元でした。
そしてnoteしてみてあんなこともあったよね、こんなこともあったよねと思い出され、当時を懐かしく振り返ることができてとても良かったなと思っています。
余談ですが、ポップが亡くなった同じ日に近くのレンコン農家仲間さんのお宅のワンちゃんも亡くなられていたそうです。
これもまた同じ日に旅立ったのですから不思議というかなんというか...。
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それからちょうど一年後の春、ポップを散歩に連れて行き可愛がってくれていたおじいさんも82才の人生の幕を閉じ旅立ちました。
人やペットとの別れは悲しいものですが、残された私たちは感謝の気持ちを忘れずに心丈夫に日々過ごすことが何よりの供養だと、そしてこれから先の新たな出会いを楽しみに過ごして行きたいと日々思っています。
この時期、庭にはおじいさんが植えた千両がたくさん...
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読んで下さる皆さまへ感謝の気持ちで~
今日も明日もこの場所で
心地よい風が届きますように~
最後まで読んで下さりありがとうございます。