amazarashiの曲のCメロだけを集めて語るnote
タイトルそのまんまの内容です。
この文章を書くに至ったきっかけは、Micaさんのこちらのnote。
「エモいと言われる曲には必ず至高のCメロが存在しているはず」という仮説を自ら検証してみるという熱量にあふれた内容。
ぜひこの読み応え(聴き応え)たっぷりの楽しいnoteをまずは読んでいただきたい。
Cメロは、物語の起承転結でいうところの「転」的存在だと私は認識している。
曲調が変化したり、歌詞が展開したり、クライマックス(大サビ)へ向けての布石のような役割のパート。
物語も人生も、そして曲も「転」があるとグッとおもしろくなる(と思う)し、個人的にもそういう曲が大好き。
(もちろん、Cメロがなくても素晴らしい曲、好きな曲もたくさんあるよ)
私に初めてCメロという概念を教えてくれたのは、BUMP OF CHICKENだった。
(Micaさんのnoteでも、BUMPの『天体観測』が取り上げられています)
中学生の頃に出会いのめり込み、曲を聴いていくうちになんとなくその存在を気に留めるようになった。
なんだろう…… この、曲の雰囲気がガラッと変わる部分。感情が爆発してるような部分。なんて言うんだろう……?
なるほど、Cメロっていうのか。
(※中には「サビ」のことを「Cメロ」と呼んで、いわゆる「Cメロ」のことを「Dメロ」と呼ぶ人もいます。
どっちも間違いじゃないっぽいから、分かりやすくて使いやすい方でいいんじゃないかな。多分。
ああ、あの部分ね!って伝わればOKかと)
BUMPって、ほとんどの曲にCメロがあるんですよね。
語り出したら止まらなくなりそうだし本題からずれるので控えておきますが。
BUMPの曲はストーリー性のある歌詞が多いのも魅力のひとつだと個人的には思っていて。
ストーリー性のある歌詞だから、より「転」のパートである「Cメロ」が活きるのかな。
そもそもBUMP OF CHICKENっていうバンド名からして、「臆病者の一撃」みたいな感じですもんね。
ぼくら臆病者だけど、「それでも」みたいなニュアンスが曲にも表れているような。
名が体を表すがごとく、名が曲を表してる。
それで、です。
本題のamazarashi。amazarashiの名前の由来も
「日常に降りかかる悲しみや苦しみを雨に例え、僕らは雨曝しだが“それでも”というところを歌いたい」という感じで。
そういう意志をもって作られた曲たちには、やっぱり「それでも」の精神が宿っているというか。
つまり、amazarashiもとても曲の中に「転」が、「Cメロ」が多いアーティストだなって思っていて。
そんなamazarashiの、Cメロが素晴らしい曲たちを私の独断と偏見で思いつくままに書いてみたくなったわけです。
Micaさんも、ぜひ書いてほしいです!と言ってくださって(やさしい……)
ちなみに私はまだ持っていないCDおよび聴いたことがない曲も多く、歴の長いファンの方からすると「あの曲がないじゃん……!」と感じられる部分もあるかもしれませんが、その辺りはあたたか〜い目でどうか。
逆に教えてもらえるとうれしいです。この曲のCメロもいいよ!聴いてみて!って。
よろしくお願いします。
スターライト(3:16〜)
※()内の時間はCメロのおおよその位置です。でも、Cメロ感を味わうならもう少し前から聴くのがおすすめ。つまりは最初から聴くのがおすすめ。
なお、MVとCD音源とではCメロが始まる秒数が異なる場合もあります。
この曲は宮沢賢治さんの『銀河鉄道の夜』がモチーフになっていると聞いたけれど、Cメロにおいては同じく宮沢賢治さんの『よだかの星』も想起される。
(amazarashiのボーカル・ギターである秋田ひろむさんは宮沢賢治さんが好きらしく、『よだかの星』の朗読が収録されているCDもあったり)
宇宙を思わせるような広がりのあるサウンドアレンジも好き。
(Cメロじゃないけど、Aメロでぐいんぐいん鳴ってるベースも最高にかっこいい)
Cメロからの大サビを経てたどり着く最後のワンフレーズが、散々泣きはらしたあとの決意みたいな清々しさ。
ナモナキヒト(3:40〜)
「詠み人知らずの悲しみ」っていうフレーズが大好き。
あと、「忘れるか」で毎回グッとくるんだよね……。
どうしようもなく疲れて、上手くいかなくて、しんどくてしょうがないときに聴くと秋田さんの優しい歌声と歌詞が「おかゆ」みたいにじんわり心に沁みわたります。
この曲を聴いて泣くだけ泣いて泣き疲れてぐっすり寝たら、また「がんばってみよう」って気持ちになれる気がする。
空に歌えば(2:36〜)
Cメロでポエトリーリーディングするパターン。
結構長いので歌詞は一部抜粋。
この後にくる大サビの演出が鳥肌ものなので、ぜひ聴いて(MVを観て)鳥肌体験してほしい。
「雨は上がっていた」という歌詞の後の、曇天を切り裂くような爽快感がたまりません。
Cメロには登場しないんだけど、豊川真奈美さん(キーボード、コーラス)の歌声がまた爽やかで華があって最高なの。
月曜日(3:33〜)
月曜日〜〜
とても切ないんだけど、でもこういう関係性素敵だなと思う。
個人的には、高校生のときを思い出す。あの教室の閉塞感とか、居場所が感じられない息苦しさみたいなのとか。そんな中でわずかに見える光みたいな存在とか。
この曲を聴いて具体的に思い浮かべる人物像がいるというのは、ある意味しあわせなことなのかもしれない。
名前(2:16〜)
名前…… 大好きな曲。
肩書きとかじゃなくてさ、あなたと話がしたいんだよ。あなたのことが知りたいんだよ っていう。
上っ面だけじゃない心の触れ合いっていうのかな、そんなふうに人と向き合って生きたいなと思う。
ジュブナイル(3:20〜)
私がはじめて聴いたamazarashiのオリジナル曲
(amazarashiを知ったきっかけはアジカンのトリビュートアルバム収録の「夏の日、残像」から)
現役の少年少女だけでなく、かつて少年少女だった大人や、表現・創作活動をしている人にはとても刺さる曲なんじゃないかなって思う。
決して聞き心地の良い言葉ばかりではないからこそ、信じられるものがあるというか。
添付したMVには悪夢的な恐ろしさがあるけれど、最後の大サビの映像があまりに美しくて涙が出そうになる。
あんたへ(4:50〜)
さらっと放たれる裏声の美しさ(秋田さんの裏声大好き)
何回も転んで、その度立ち上がって、最後に笑えたらそれでいいのかな。転ぶのも、立ち上がるのも「あんたらしく」っていうところが好きだな。
〈ダメな自分を愛するために まず必要なのは自分を許してやる事
必死に生きるのは得てして無様だから 人に笑われても気にすんな〉
自分にも言い聞かせたいし、そんなふうに生きている誰かにもそっと渡したくなるような。
〈今辛いのは 戦ってるから 逃げないから
そんな あんたを 責めることができるやつなんて
どこにも いないんだぜ〉
というフレーズにも何度励まされたことか。
命にふさわしい(4:54〜)
※MV、人によってはショッキングな内容かもしれないので注意してください。具体的に言うと、人形が次々壊されていきます。衝撃的だったけど、個人的には目を背けられない何かがあるMV。
秋田さんの歌声の熱量も相まって胸に迫り来るCメロ。
生きていると「心さえなかったなら」って思うこともあるけれど、でもやっぱり心は最後の最後まで手放すわけにいかないな、とも思う。
性善説(4:13〜)
最後の一文……。
ともすれば綺麗事にも聞こえるような言葉を並べてその後の歌詞でそれを覆す…… みたいなパターンがamazarashiの曲にはけっこうある気がする。
まるで一本の映画を観たあとのような余韻が残るMV。
物語に引き込まれる分、少ししんどいかもしれない。ラストはドキッとする展開なので人によっては少し注意が必要かも。でもいい曲です。
この街で生きている(4:36〜)
「つまり自分だ」
そうなんだよね。いつだって自分と戦ってる。
サビで繰り返される「この街で生きている」というフレーズが、最後に「これからも生きてく」になるのが地味に好き。
突然プリキュアの話するんですけど(完結してるけど一応ネタバレ注意)
『ヒーリングっど♡プリキュア』で主人公の花寺のどかちゃんの口癖である「生きてるって感じ」が、最終話で「生きてくって感じ」になったのすごく感動したんですよね……。
たった一文字の違いなんだけど、彼女の内面の成長とか未来を見据えた決意みたいなものが伝わってくる熱い台詞だったなって。
この曲の最後のフレーズ「これからも生きてく」にもそんな決意みたいな眼差しが感じとれて、あぁ、いいなって何度も思う。
エンディングテーマ(4:16〜)
「僕は幸せなのかな」「きっと幸せなんだな」からの「なのに」
「なのに」からの破壊力。
秋田さんの熱のこもった声と歌い方がまた、切実すぎて苦しい。聴いてるこっちの涙が止まらないよ って言いたいよ。
どうしようもないくらいの「生」への執着。
「生きたい」と願えば願うほど避けられない「死」の存在。
生と死、幸か不幸か、その狭間でもがき揺れ動く感情が迫る圧巻のCメロ。
自分は死の淵に立ったとき何を思うんだろう…。
フィロソフィー(3:23〜)
三段回くらいで畳み掛けてくるタイプのCメロ。
理想と現実のギャップ、手にしたこと逃したこと、うれし涙と悔し涙、前進と停滞…。
なんかそういう、人生に行き詰まったときに聴いて自分を鼓舞したい。
悲しみや痛みを知っているあなただからこそ、できることだってあるよって。
どんな形であれ今の自分をまるごと肯定してもらえるような、勇気の出る歌。
空っぽの空に潰される(3:43〜)
曲調も歌い方も感情を爆発させてる感じではないんだけど、歌詞になかなかパンチのあるCメロ。
きっと、だれもがどこか「欠け」ているから。
それを嘆いたり誰かのせいにしたくなったり、はたまた「死にたく」なったり……
そんなこともあるだろうけれど、その欠落を何かで埋めることよりも、欠落を欠落のまま愛することができたら…… 幸せなのかもしれない。
『未来になれなかったあの夜に』の大好きなフレーズ、〈足りない君が馬鹿にされたなら 足りないままで幸福になって〉にも通ずる部分があると思う。
もう一度(3:15〜)
「空っぽ」って一見ネガティブな言葉なんだけど、この曲にはとても奮い立たされる。
2019年に行われた『未来になれなかった全ての夜に』ツアーの大阪追加公演のライブ会場にて聴いたのが、私にとってこの曲とのはじめまして。
このMVの映像が紗幕(amazarashiのライブでは演者の前方、もしくは演者を囲むように薄いスクリーン状の幕があってそこにいろんな映像が投影されてく)で流れてて…
この日のライブで最初の涙の起爆剤だったなぁ…
とどめを刺して(2:46〜)
※MVの最初と最後に大きな音が鳴るので注意。
あと、個人的にはこういう破壊衝動的な映像は観ててしんどい部分があるので似たような方も注意してね。
最高のCメロ。
この歌詞にこのメロディーに秋田さんの声や歌い方(「上げてぇぇぇぇぇぇえ!」のとことか)が合わさって起こる奇跡にも似た何か。
映画のワンシーンみたい。たったこれだけのフレーズでいろんなストーリーが想像できてしまう。
だからこそ、いろんな解釈もできると思う。
MVの内容は正直私の曲に対するイメージとは少し違っていたのだけど、これもまたひとつの解釈としてあるんだろうな。
それを言葉という
満員電車に重ね合わせた心の描写が胸に迫る。
どうしようもないくらいの希死念慮ってきっとこういう感じかなって。
この曲はAメロがポエトリーリーディング、Bメロからサビにかけてはメロディアス(使い方合ってる?)な構成なんだけれど、Cメロはちょうどその中間みたいな印象。
私はBメロの旋律がたまらなく好きです。
全体的に静かで落ち着いた印象があるけれど、amazarashiのいいところが詰まっていると感じる曲。
隅田川(4:25〜)
出会いと別れ、懐古、喪失…
この曲、なぜかとても「懐かしい」と感じる。
秋田さんが生み出すメロディーラインってどうしてこんなに美しいんだろな。
音楽の教科書に載っていてもおかしくなさそうな曲(という表現が正しいのかも分からないけれど)
旋律と言葉のはまり具合、そしてサビの裏声が美しすぎる。
夏の終わりの空気を感じる。
この曲は、いくつになって聴いても「美しい」って感じられるような気がする。
見落としてしまいそうなほど、忘れてしまいそうなほど些細な「特別達」に支えられて私も生きてきたのかな。
令和二年(2:30〜)
この後のBメロっぽいところまでCメロなのかもしれない。「残念だな 残念だな」の歌い方が胸にくるんだよね…。
令和二年の「やるせなさ」がリアルに、ストレートに、ある意味淡々と綴られたこの曲の中で、僅かに希望を感じられるのがこのCメロの部分なんじゃないかなぁ。
心が挫けそうになるような日々の中で、最後の希望はそれぞれの心の中に。どうかそれを手離さないで。そんなふうに聴こえる。
未来になれなかったあの夜に(4:39〜)
ほぼBメロなんですけど大サビ前だしCメロってことでいいですかね?(好きな曲だから入れたかった)
秋田さんの鼻濁音きれいですよね。
文字で表せないんだけど、「不幸ではないが」の「が」とか「路銀」の「ぎ」とか、「がぎぐげご」の前にちっちゃい「ん」が入る感じというか。「な行」にも聴こえる感じというか。音がやわらかくて心地よく聴こえる。
この曲じゃないけど、『季節は次々死んでいく』の「つぎつぎ」とかも。
曲もMVもタイトルもとにかく好きの塊。
出だしの歪んだギターの音も、鼓動みたいなドラムも、夜明けみたいな豊川さんのピアノの音色も。
無題(4:13〜)
「増える絵にもう名前などない」すなわち『無題』なのかな?
絵描きとそれを支える彼女の物語…… という感じで、とてもストーリー性の高い曲。
(ネットで「無題」の歌詞検索するとなぜか最初に「ムカデ」の歌詞が出てくるんだけど絵描きが出てくる方が「無題」です)
絵じゃなくても、好きなことがあってそれで評価を得たいとか認められたいと思ったことのある人には刺さるんじゃないかなぁ。
「信じてたこと 正しかった」が
「信じてたこと 間違ってたかな」という迷いに変わって、最後にもう一度
「信じてたこと 正しかった」ってなるのがもうなんとも言えない。
個人的にも大好きなフレーズ。
✳︎
ここから先はYouTubeに公式動画がない曲たち。
故に歌詞のみでの紹介となりますが、サブスクとかしてる方は気になった曲があればぜひ聴いてみてください。
もちろん、CDをレンタルや購入して聴くのもあり。
月が綺麗
一聴惚れだった、『月が綺麗』
時の流れや憧れの対象、人との心の距離を「文字数」で表現しているところとか。
メロディーの美しさも、秋田さんの声も、宇宙まで突き抜けるような伸びやかさで。どこまでも行けそうな。
武道館公演(ライブビューイング)で聴けたの、ほんとしあわせだったな。いつかまた生で聴けないかな。
吐きそうだ
私の中で、秋〜冬くらいの空気がキンと冷たく澄んだ朝に聴きたくなる曲。イントロのピアノの音がまさにそんなイメージで。
この曲を思うとコーヒーが飲みたくなるし、コーヒー飲んでるとこの曲を聴きたくなる。最終的にはコーヒー片手にこの曲を聴きたくなる。
ちなみにまだCDは持っていないので武道館ライビュの記憶を頼りにコーヒーを飲む。
〈生きる意味とは何だ 寝起き一杯のコーヒーくらいのもんか
それとも酔いどれの千夜一夜 ていうか二日酔いでもう吐きそうだ〉
どこか気怠くて、鬱々として、噛み付かんばかりの鋭ささえあるのに、とても美しいと感じる曲。
淡々と歌っているけど所々で感情を爆発させるような秋田さんの歌声と、それに寄り添うような豊川さんのユニゾンが本当に美しくて。
ずっと聴きつづける曲だと思う。
バケモノ
つづきが気になるタイプのCメロ。
「僕」が最後まで隠し持っている「嘘」とは一体……?つづきは大サビで。
好きなんですよね、こういう曲。
生き物じゃないもの(人間の本質みたいなのとか、感情とか)を生き物に例えてちょっとダークにユーモラスに描いてる感じ……?
サビ前とかサビでところどころ急に音が逸れるところ(なんだっけこういうの、半音下がってるみたいなやつ……「ブルーノート」だっけ?おしえて詳しい人)も曲の雰囲気に合っててカッコイイな。
秋田さん、こういう絶妙な音をよく曲に入れてる気がする。
多分、聴いたらすぐに「ああ、これか!」ってわかると思うのでぜひ聴いてみてください。
雨男
一部抜粋。
「〜か?」の畳みかけがすごい。
「やまない雨はない」「明けない夜はない」
そんな、ある意味聞き慣れた、聞き飽きた、場合によっては綺麗事にも聴こえるフレーズをその後の歌詞で覆す。
先に挙げた『性善説』でも触れたamazarashiの歌詞で私が好きなパターン。
「やまない雨はない」「明けない夜はない」
そんな類の言葉が胸に響くことも、勇気をもらえることももちろんあるんだけどね。私も言うときあるし。
「明日に希望を託すのはやめた」は一見諦めにも聞こえるフレーズだけど、今まさに降っている雨や夜がしんどくて仕方ない人にとってはこっちの方が救いになり得るんじゃないかな。
「土砂降りの雨の中 ずぶ濡れで走っていけるか?」は、心の中で並走してもらってるような感じがある。
傘を差し出すんじゃなく、一緒に濡れてくれるような。
雨曝しなのは君だけじゃないよって、勇気をもらえるような。
この曲は4/7にファンクラブ会員限定で開催されたオンラインライブ『APOLOGIES 雨天決行』へ向けて事前に行われたファン投票(上位3曲はセットリスト入りが約束される)にて、第1位を獲得した曲で。
私は今回のオンラインライブで初めてちゃんと聴いたんだけど、ファン投票で1位に輝いたのも頷けるなって。
今日も土砂降り、だけど、それでも…っていう、amazarashiを象徴する曲のひとつだと感じた。
にもかかわらず、MVもなければベストアルバムである『メッセージボトル』への収録も逃してきた(←最近フォロワーさん経由で知りました)ちょっぴり不遇な雨男。
でも、この度ファンの熱望により投票1位に輝いたの本当におめでとうすぎるでしょ雨男。
ライブ本当によかった。映像化されるといいなぁ。
爆弾の作り方
リスナーに問いかけてくるタイプのCメロ。
だれもがきっと、その人だけの「武器」を持っていて。
「武器」って言うと人によっては聞こえは良くないかもしれないけど、つまりは「強み」みたいなものかな。
好きなこととか、得意なこととか。
場合によっては「弱点」や「欠点」だと思っていることが強みってことも大いにあるかも。
〈僕らは常に武器を探してる それがナイフじゃないことを祈る〉
鋭くて殺傷能力の高いものだけが「武器」じゃない。
戦う相手は「他人」とは限らない。
磨き上げられた武器は自分や誰かを守ったり救うこともできるんじゃないかな。私もそういう武器を心に持っていたい。
終わりで始まり
長いので一部抜粋しようかと思ったけど無理だった。
集大成みたいなCメロ。
この歌詞の感じと曲調だったらもっと陽気なイメージのアーティストが歌っていてもしっくりきそうだけど、いや、やっぱりそこはamazarashiが歌うからこそグッとくるんだろうな。
〈信じてくれたあなたは正しかったと
言い張るために歌っていたい〉
「自分なんて」
そう思ってうずくまってしまうときはあるけれど、そこで自分を否定しつづけたら「信じてくれたあなた」のことも否定することになってしまう。
それはいやだから、僕は僕を肯定して立ち上がる。
……こういう精神が大好きすぎて。
いつかライブで聴けますように。
未来づくり
……。
わたしはね、未来づくりが大好きなんですよ。
初めて聴いた(Spotify無料版のシャッフルでたまたま流れてきた)ときの衝撃ったら。
amazarashiの歌詞に英語が!めずらしい!っていう衝撃もあるにはあったけど、それ以上に。
歌詞、旋律、アレンジ。
やさしく包み込むような低い声から、降り注ぐような高い裏声までこなす秋田さん… 耳がしあわせになる。
もしも歌が人が創り出したものじゃなくて天からの恵の類だったなら、きっとこんな感じなんじゃないかって。
……なんて、そんな大袈裟なことを考えてしまうくらいの曲。その上でのこのCメロ。
Micaさんの言葉をお借りするなら、「すでに100点取れてるのに120点取りにいく」そんな感じ。
最後の一文は、ひとつ前に紹介した「終わりで始まり」のフレーズにも通ずるものがある。
こんな僕を好きになってくれた・信じてたくれたあなたを肯定するために、僕は僕を肯定するよって。
『無題』とかもそうだけど、私は多分こういうフレーズに弱いんだな。
いつか必ず音源(アルバム『千年幸福論』)が欲しくて、初めて聴いたあの日からずっと想い焦がれている曲。
聴いてると、なんだかとっても幸せで満たされる。
いつかライブで聴きたいよ。
そのときは泣いてしまうかもしれない。
MVとか無くて貼り付けられないのが残念だけど、ぜひ聴いてほしい一曲です。
私も、私を信じてくれた人たちのことを肯定するためにも自分を卑下せず否定せず、生きていきたい。
✳︎
本当はまだまだたくさんCメロが素晴らしい曲があるのだけど、キリがないのと文字数も大変なことになってるのでそろそろおしまいにします。
冒頭でも書いた通り私はまだまだ知らない曲も多いので、また「いいな」ってCメロに出会ったらひっそりと追記していくかも。自分のための記録としても。
書いててとても楽しかった。
途中からCメロについて語ってるのか単に曲紹介してるのかMV紹介してるのか分からなくなってきたけれども。
amazarashiの歌は「暗い」と言われることもあるようだけど、私にとってはただ暗いわけでも明るいだけでもなく、「陰(影)」を描くことで「希望」を照らし出す歌。暗闇の向こうの光に「それでも」と手を伸ばしつづける歌…… そんなふうに感じています。
『未来になれなかったあの夜に』の歌詞を引用すると、〈見える人にだけ見える光だ 陰こそ唯一光の理解者〉みたいな。
そして根底には、「人を信じたい気持ち」があるような気がして。
だから、今まさに苦しい人や過去の苦しみを背負って生きる人たちに響くんじゃないかなって。
とにかく書いててしあわせでした。
これを書くために初めて聴いた曲もあったり、書きながら気付いたこともあったり。
何よりも、私はやっぱりamazarashiが好きだということが改めて分かってよかった。
もしこのnoteが誰かにとってamazarashiに出会うきっかけにでもなれば幸いです。
Micaさん、楽しい記事を書くきっかけをありがとうございました!
【おまけの追記】
トップ画像は、2019年8月31日にNHK Eテレにて放送された『8月31日の夜に』の番組内で秋田さんが歌った「僕が死のうと思ったのは」のワンシーンより。
録画したものを見ながら(少し私の解釈とアレンジも加えつつ)描いたものです。
Cメロがないので今回は取り上げることができませんでしたが、とても素晴らしい曲なのでご興味ありましたら是非聴いてみてください。
ではでは。
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