ドラマ「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱」を見ました
ドラマもあまり見ないのですが、今期のクールは「6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱」を見ていました。
前回のシーズン1「1番目の憂鬱」も、たまたま見始めたところ面白かったので、今回も偶然、シーズン2となる「2番目の憂鬱」が始まるのを知って、楽しみにしていました。
同時に、シリーズ物は難しいというか、そっちの方向に行ってしまうのか的な感じの時もあり、今回はどうなんだろうという不安も無きにしも非ずでした。でも、見始めたら、すぐにそんな不安は払拭されて、毎週末の楽しみになりました。
主人公の星太郎(高橋一生さん)は、相変わらずこだわり強いし、周りにぶんぶん振り回されているし、住み込み社員のひかりちゃん(本田翼さん)のクールさはさらに磨きがかかっています。なんと言っても神出鬼没の星太郎のお父さんである航(コウ)さん(橋爪功さん)が、相変わらずいい味だしています。それに加えて、星太郎の唯一の友人といえる幼なじみの田中さんと、登場人物が相変わらず必要最低限のスリムさも、このドラマの好きなところです。(自分はあまり登場人物多いと面倒になってしまうので)
それでも今回、突然、星太郎に結婚して欲しいと押しかけてくる花火大好きな野口さんという新キャラも登場し、シーズン1でも登場していたお母さん(星太郎が子供の時に家を出て行ってしまった)も頻繁に家に訪れるようになり、星太郎の憂鬱に拍車が掛ります。
こだわりが強く、自分の殻が破れずにいる星太郎ですが、一方で、周囲に余分な気を使ってしまい、振り回されてしまいます。頑固なようで優柔不断、確固たる自分を持っているようで、自信が無く、目に見えない不安に押しつぶされそうになる星太郎の姿を見て、笑ったりダメ出ししながら、どこか身につまされる気持ちになっていることに気がつきます。
星太郎のこだわりや頑固なところは、いい意味で職人さんあるあるかなと思いますが、自分も無駄なこだわり強いし、人付き合いや社会に出るのも苦手なので、共感出来る部分もあります。それに、自分の場合は人生の経験値は少ないままですが、年齢を重ねたことで、なんとなく扱い難い自分にも慣れてきてた感じもします。(あくまでも自分の主観で、端から見たら相変わらずかもですが)
ただ、人間多かれ少なかれ、多分そうやって、みんなどこかで現実の自分と折り合いをつけて生きているのだと思います。そんな中、ある意味、呑みこめない自分を抱えて悩む星太郎は、殻に閉じこもっているようでも、自分自身とちゃんと向き合っているのかもしれません。そう思うと、ヘタな小細工をすることなく、不器用なままで、もがいている星太郎の姿は、ある意味羨ましくも見えてきます。
それに無芸大食の自分(それはいいから)と違って、星太郎は、花火に対する情熱は人一倍強く、職人としての腕前も確かです。その分、こだわりや破れない殻がストッパーとなり、仕事においても壁が出来てしまうのを見ていると、なんとかそこを乗り越えて欲しいと感じてしまいます。
さて終盤、星太郎がだんだん新キャラの野口さんにも気を許すことが出来るようになったある日、ものすごい事件が起きてしまいます。
え――ヒリヒリしたまま終わるんかい――(汗)
と思ったのですが、そこからの展開が凄く良かったです。
登場人物達のそれぞれの成長だけでなく、花火というか物作りのこれからの新しい未来も見ることが出来たような気がしました。
しかも最後、星太郎はいつの間にか、あんなに忌み嫌っていた、星太郎の家にふらりとやってくる白い猫ちゃんにも自然と触れるようになっているではありませんか。途中、ひかりちゃんに素直に謝ってみたりと成長の片鱗をうかがわせる部分もありましたが、にやんこ様にまで触れるようになってる!と、すご――い変化を感じて驚きました。(いやそこでないだろうですが)
そして、驚くべき、「神」の誕生。ひかりちゃん、ホントいいキャラです。あのひかりちゃんの一言が、このドラマもありがちなやっぱりラブで終わるの?みたいな一抹の不安を、見事に吹き飛ばしてくれました。いや、このドラマだから、見事に打ち上げてくれたと言うべきでしょうか。
さらに、いいかげんで楽しくて、時には厳しく、また息子(星太郎)想いのお父さん。最後まで出てきてくれて本当に良かったです。本編終わった後の、視聴者から相談に答える、航(コウ)さんに聞いてみようコーナーも面白かったです。しかも海外まで行っちゃうかも――?番外編でもいいから、見てみたいです。
また、今回も劇中、きれいな花火をたくさん見れたうえに、普段は知ることのない花火師さんの姿も知ることが出来て(1で知った花火を上げた翌朝は、地上に落ちている残骸を花火師さん達が掃除するとか驚きでした)よかったです。
それから、このドラマ、最近、マンガや小説など原作があるものが多い中、オリジナルだそうで、そこもよかったかなと思います。
もちろん原作があるのもいいけれど、どうしても原作とイメージが違うという意見もでたりするので、それがないのもすっきりしていていいなと思いました。
そして、シーズン1でも本編終わった後のラストシーンの演出が驚きでしたが、シーズン2もびっくりしました。あれは何の意味があったのかなと考えていますが、わかりません(笑)そんな意外な攻めを見せてくれる演出も面白いです。ただ、ああ言う演出が出来るのも、オリジナルだからかなと思いました。
また、3回目の憂鬱ができたら、え――どうしよう見ない方がいいかな?と思いながらも、毎回楽しみに見るような気がします。その前に、香港夜景編があったら、嬉しいですが。
楽しい時間をありがとうございました。