『観る、物語』書店に並ばない10行の物語 中国・重慶 日本租界の知られざる最後
ニューヨークかと見紛うその高層ビルの上空を、かつて日本の戦闘機が飛び
未曾有の規模で爆弾を投下した
上海から2 400キロ離れた重慶に、第二次大戦中、日本からもっとも遠い日本租界があった
上海の日本人街がじつは 「租借権」を認められることのなかった"支配 した場所" であったのに対し、長江沿いの「王家沱」と呼ばれたその場所は、租借権が確立された、まぎれもない租界だった
その場所から発展を遂げた重慶の町を眺めれば、もはや視えずとも、日本租界の栄華は微塵もなかった
盧溝橋事件をきっかけとした排日運動の激化で、軍艦「比良は長江をはるか内陸に遡り、租界から日本人を救出する
1937年8月1日、日本最遠の租界は歴史を終える
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