学級通信書くだけが学級通信じゃない
このマガジンを書いている「まほろば」は全員の学級通信の累計が7000号を超えます。(まもなく8000号になります)
私も昨年度310号の通信を発行しました。
しかし、です。
「学級通信を発行すること」に意味があるのでしょうか。
自分がたくさん書いてきたからこそこれは断言したい。
「発行すること」自体に意味はありません。
目的はそこではないのです。
重要なのは「数」ではなく「質」。
子どもや保護者の心に響くかどうかです。
私の通信だって、それが結果的に誰の心にも届いていなければ、意味は薄いでしょう。
さて、私は今年度まだ学級通信を書いていません。
1年生担任ということもあり、まだ、そこまでの余裕を持てていないからです。
でも、学級通信に準ずることは行なっています。
それは、「教師が感動した子どもたちのシーンを切り取って渡す」という行為です。
例えば、私の教室には今、写真が貼ってあります。
靴を揃えている写真。
トイレのスリッパを揃えている写真。
静かに本を読んでいる写真。
これらの写真に「かっこいいね」と一言添えて。
子どもたちは登校後、すぐにその写真をみます。
「これなにー?」と聞いたらその時私は一言、
「あまりにもかっこよくて、感動しちゃったからそこに飾っとこうと思ったんだ」
と伝えます。
4月の1年生でも、こうしたいいところを価値づける効果は凄まじいです。
靴を揃えるにしても、トイレのスリッパを揃えるにしても、静かに本を読むにしても、どんどんいい行動の輪が広がっているのを実感します。
他にも、一筆箋を渡したりしています。
いいところを切り取って、ほめて、渡す。
こちらはお家の人にも届けられます。
でも、これらって、私が今まで学級通信でやってきたことと同じなんです。
子どもたちのいいところを見つけて、価値づけてフィードバックを返す。
配布する学級通信と違って、教室内に掲示したり、一筆箋で個人の親に渡したりしていると、保護者に全部伝わるわけではないですが、それでも、参観の日に目にしたり、一筆箋から学校の様子の一部を渡すことができます。
私たち「まほろば」が共通言語として使用している”学級通信”は、形のことを指しているのではなく、在り方を指し示しています。
子どもたちのいいところを見つめて、捉えて、価値づける。
それはさながら、「子どもたちへ形のないプレゼント」とも言えます。
すてきなプレゼントを送ってくれる人の近くに、人が集まってくるのは自然の摂理です。
もちろんいろんなほめ方が出来れば、多種多様なプレゼントなわけですから、それはすてきです。
が、これも「すごいね」で十分だったりします。
それが先生の真に迫った「すごいね」であるのならば。
心の乗った言葉であれば、「え!」だけでも子どもたちはうれしいのです。
だって、心のこもったプレゼントなら、大切にしたくなるじゃないですか。
それがたとえ、どんな見た目だったとしてもです。
こうした在り方さえあれば、「紙に文字を書いて配る」というのはほんの枝葉に過ぎません。
だからこそ、学級通信の発行頻度とか、文字の量とか、そうしたことは全然気にしなくて大丈夫です。
体裁だって、学年通信だろうと、学級通信は発行できないから学級内通信だろうと、いいんです。
大事なのは、「子どもたちにいいフィードバックを返す」ということなのですから。
それこそが本当の目的であり、学級通信を出す意味です。
あなたが、
自分の教室の子どもたちと過ごして、
「すごいなぁ」「頑張ったなぁ」って、
感動したこと、うれしく思ったことを、
なんらかの形でアウトプットしてみませんか。
そしたらきっと、あなたのクラスのあの子の顔が、パッと笑顔になるのが簡単に思い浮かぶのではないでしょうか。
このようなnoteを読んでくださっている熱心な先生なら、間違いなくいいイメージを思い浮かべられるのではないでしょうか。
そのアウトプットの形がその人なりの”学級通信”なのだと私は思っています。
写真に関しては過去の記事でこんな場面を撮るのがおすすめという記事があります。
フォーカスすべきは、今。子どもたちの今がその実践の中心ど真ん中にいるかどうかです。こうした在り方に関する記事はとぅけさんの記事が熱いです。
どんな言葉で伝えようか、と思われる方はわいぬさんの記事がおすすめ。
クラスで端的な言葉を磨いていくことで、環境は整備されていきます。
まさにインフラ。
教育サークル「まほろば」では、学級通信に関する記事をこの「紡ぐ学級通信」のマガジンに掲載しています。
まほろばのメンバーは、住む地方も、学んできた経歴も校種も違います。
しかし、この学級通信という共通言語で自身のあり方を見つめ、高め合っています。
きっとあなたの教育観に見合う発信もあるはずです。
共に学び合っていきましょう!
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