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甘ったれライターのブルース
自分がライターを名乗っているのが、なんだか嫌になった。
書けなくなっている。
「媒体に合わせ、誰にでも伝わりやすく文章を書く」
ペーペーの学生だったころ、お世話になったライターの先輩からの言葉。
この教えを守って、これまでやってきたつもりだ。
頂いたご縁は大切にし、仕事を全うしてきたと思う。
けれどその教えをもってしても、筆が進まない。
テーマに食指が動かない、試しに書いても長ったらしいのに陳腐な文章に見える。
構成ができても、肉付けができない。
つまるところ“仕事で書けない”。
本当お世話になっている方々に、顔向けができないったらない。
こんなことを言ったら、甘ったれんなとお叱りを喰らうのも承知している。
だから書きごとを生業とするライターを名乗るのが怖くなり、失格だ、と自分で先に烙印を押しはじめた。
なのに、なのに今日。
こうしてnoteを更新したいと思ってしまった。
大好きな音楽で感動した。
推しに対する愛が沸点を超え、感情に任せながらもまとめたくなった。
春先に買ったお気に入りのものを、誰かに紹介したくなった。
とにかく言葉を尽くして、伝えたいと思った。
伝えるなら書き物でなくてもいいのだけど。
私の中で、伝えたいと書きたいはどうもニアイコールらしい。
まだ私は書いていいのだろうか。
これを書いてる今も、罪悪感に苛まれている。
でもやめられない。
生業に出来なくても、きっと続けるべきことなんだ、と思う。
瞳を閉じて朝を迎えれば、また仕事に向き合う日々が待っている。
明日こそ、この罪悪感をたたきのめせるかもしれない。
そしてこの伝えたい気持ちを、広い空へ解き放とう。