勝手に1日1推し 58日目 「進撃の巨人」
「進撃の巨人」(1~34)諫山創 漫画
どうもありがとうございます。そしてお疲れ様でございました。11年7か月という長きに渡り、創作活動を続けて下さったことへの多大なる感謝と共に、完結を迎えたことへの幸福を噛み締めています。
これだけの作品ですから、様々な説や評が飛び交って当然と言いますか当たり前と言いますか・・・。しかし、何があろうとも諫山先生の思い描いた世界を思い描いた通りに送り出して下さったのなら、これほど嬉しいことはありません。ですから、感謝しかありません。
素晴らしい世界を届けて下さって、本当にありがとうございました。
先生の青春をかけたであろう作品かと思います。担当編集者川窪さんのインタビュー(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83914)からも見受けられた、青い言葉や焦り、こだわり、そして、年を重ね、考え方や見方が変化し、作品に深みや鋭い洞察、人間味が加わり、このような大作として終結を迎えたんだなあと最終巻読後、ずっと感慨にふけっております。「重版出来」(松田奈緒子)の中田伯のエピソードと重ねると、更に感慨深いものがあります。(余談ですが、私も「感情辞典」欲しい。誰かちょうだい。)
とにかく、本作を読んだ時の衝撃は相当なものでした。その世界観、絵の荒さ(褒めています)、得体の知れなさに惹かれずにはいられませんでした。得体の知れなさのモヤモヤは、巨人の存在だけでなく、物語の転換、転機になりそうなことも軽く扱われ、重要な人物の死なども別段ドラマチックにしない独特の描き方からも立ち上り、ますます魅力を感じました。毎度心してページを捲らねばならない緊張感もとても好きでした。
不気味なダークファンタジーとして連載が開始されましたが、その後、人間のダークサイドを描く展開を繰り広げつつ、しっかり伏線を回収、そして昨今は、人知を超えたコロナ禍真っ只中の現実の世界情勢に通ずるものがありました。
そして、自由であることの不自由さ、正義と表裏一体の不義、信念に潜む疑念、物語後半色濃いこれらの概念は、連載開始当時から一貫した巨人討伐などの戦闘や残虐な描写、パラディ島島民の歩み、彼らの巨人を駆逐することへの飽くなき挑戦の積み上げがあってこそ、際立ったように思います。全編通して本当に素晴らしかったです!!!マーレ側との対比には痺れました~。
登場人物たちがひたすら魅力的だったのも言うまでもありません。アッカーマン一族、最高!にして最強!かっこいい。兵長ぉぉぉぉ。あと、意味もなくオニャンコポンと言いたい。
最終巻は涙ながらに読みました。どう転んでもこれで最後という寂寥感に駆られ、本を持つ手が震えたほどです。どんな結末になろうともついていくし、納得すると思っておりましたが、こんなハッピーエンドだなんて、エレンがあんなにデレるなんて、信じられません(個人の見解です)。涙・・・からの合掌・・・
先生の、最初から全部の構想が出来上がっていた説、やばない?天才!アニメ化も楽しみです。特装版、欲しかったなあ。
はあ、想いが溢れて止まりそうにありません。心臓を捧げます。
ということで、推します。