二階氏「女性尊敬していますよ」発言
あまり話題になっていないが、二階氏の発言について、自分なりのモヤモヤポイントがあるので、ここに記す。
確か、二階氏は「女性尊敬してます。学校の成績なんて、男性より女性の方が良かったんじゃないですか?」…なんてことを話していたと思う。
そう。学校は平等。テストの点数は、男女関係ない。女性だって、100点を取れば、成績の上では頂点に立てる。(それが、本当に頭が良い人の頂点かどうか、こういう学歴主義的な考えはいかがなものか…などという議論はいったん置いておく。)
しかし、社会に出ると、一転。女性はひどい差別に遭う。
なぜ、そんなことが言えるかって?私が、それを体験してきたからだ。
確かに、大学生までは、男女関係なく、競えていた感があった。頑張れば、男女関係なく、評価をもらえた。
でも、社会はそんなに甘くなかった。まず、最初の壁は、「総合職の採用は男性のみ。女性は一般職採用のみ。」だった。面接では必ず、結婚のことを聞かれ、ひどい時には、「就職なんかしないで、早く結婚してご両親を安心させてあげたら?」なんていらないアドバイスをする面接官もいた。
一般職で会社に入ると、当然だが、昇給は年に数百円の微々たるもの。しかも、男性社員より早く出勤して、皆のデスクを掃除しなくてはならなかった。同じく新卒で入ってきた男性社員は、そんなことする必要がないので、悠々と始業時間までお茶を飲んで過ごしていた。そのお茶入れも、私たち女性の仕事だった。でも、すべては「当たり前」。そんな空気感に満ちていた。
更に、暑気払い、忘年会、新年会は超ー地獄。上司のグラスの中の飲み物が空く前に、すかさず、「あのー、次のお飲み物は何になさいますか?」と聞かなければならなかった。もちろん、大皿の料理を分けるのも、女性の仕事。当たり前だが、偉い人から分けるので、下手をすると、私の取り分はなくなってしまう。だが、もっとも、あっちこっちに気を使いすぎて、出された料理なんて、まったく味がしなかったから、ちょうどよかったのかもしれない。
そして、今でも、時折、ふつふつと怒りの感情がこみあげてくるのが、電話応対!ちょうど不在の上司宛の電話があり、「よろしければ、私が伝言を承りましょうか?」と尋ねたところ、電話口からこんな言葉をかけられた。
「えー〇〇君、居ないの?…じゃぁ、しょうがないか。でもね、女は、頼りにならないから、あんたじゃだめだ。誰か男の人、そう、だれでもいいから男の人と(電話)代わってくれる?」
「はぁー?????」
これが、例えば、一人だったら、まだあきらめがつく。「あー、この人はこういう考えの人なんだな。」って。でも、当時は違った。「男の人と代わって…」と言ってくるお客さんが、それは、それは結構いたのだ。
電話口で、こんな風に言われるたびに、もう悔しくて、悔しくて、何で女性に生まれちまったんだ!って、己を愁いたわ。周りに愚痴を言ったら、「そのうち、慣れて、何も感じなくなるわよ。」とのアドバイスをもらったけれど、私は、そういう境地に至ることはできなかった。
学校の成績は、確かに男女平等だった。でも、社会に出てからは、やっぱり女性は「男性より劣っている。仕事ができない。」存在と思われている感がぬぐえなかった。私の場合は特に……。今回は、そこを言っているのだと思うよ、二階さん。
誰も突っ込みを入れなかったので、ここで小さいながら、声を上げた。