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開かれた場をつくる人々のことば①~『つくる〈公共〉50のコンセプト』を読んで~

はじめに

2年前からだれもが参加できる対話の場つくりに
取り組んでいます。
”自分が共鳴する要素がつまっていそう!”な
直観で手にとった本がこちら。
せんだいメディアテーク編
『つくる〈公共〉50のコンセプト』

予想的中!取り組む中で
感じることがたくさん書かれていました。

本には、場をつくる50人の方のコラム的文章が3つのパートに分けられて収められています。

 第1章 なじみの言葉をとらえなおす
 第2章 経験を言葉にする
 第3章 これからの社会に問いかける

この記事とつぎの記事で、
第2章から特に留めておきたいタイトルを3つご紹介します。
”経験と思いを話す”場づくりをしているナナメちゃんの取り組みの中での
実感と重なる部分を引用しながら考察しました。

  1. 写真家 志賀理江子さん
    【「プロジェクトが生まれる」命を吹き込む人】 

  2. ユースてつがくカフェ担当 辻明典さん
    【18歳(未成年/ハイティーン) ユースてつがくカフェの足跡】

  3. キュレーター 豊嶋秀樹さん
    【「プロ」と「アマ」あるいは、「仕事」と「遊び」のリディフィション】

≪参考情報≫
せんだいメディアテークとは、
2001年開業の仙台市青葉区にある公共施設。
さまざまなメディアを通して、すべての人が自由にやり取りできるお手伝いする施設だそうです。(HPより)
2013年から、館長が哲学者の鷲田清一さん。

これぞ、開かれた場所!(かつ、とてもアート!)
同施設をこの本で知ったのですが、本の装丁と、目次に並ぶワードの数々に目が留まりました。
それでは、ひとつめのご紹介です。

「プロジェクトが生まれる」命を吹き込む人

写真家 志賀理江子さんによる文章です。
コラムはある女性との出会いの話からはじまります。

何回か会う度に、私はすぐに彼女と親しくなった。今、お互いがどんなことを考えているのか、生まれ育った環境や、自分の身に起こった様々な経験から、沢山話したからだった。

公共の場で、個人の底を掘り下げて話すことは、実は公共性ととても親和性があるということかもしれないと思うようになった。「正直さ」とは、個人的なことを何でもかんでも話せばいいってことではなくて、それは個人的な経験から紡がれた切実な物語なのかもしれない。

自分の経験、つまり自分自身の物語を話すことについての記述です。
個人的な話(プライベート)と相対する”公共性”が親和性が高いのかも、
という一文が興味深かったです。
ひとと良い関係を築くとき、自分の話を相手に伝えるのは大切なであること、その真髄を表していると思います。

洗いざらい自分の経験を伝えるのは難しい。けれど、レクチャーの場で語り、終了後バックヤードに戻って、メディアテークで親しくなった彼女ととも再び話す、そしてまた考える、そんな繰り返しが、当時の私にとっては実に大事な時間になった。私は彼女が話してくれた、彼女の故郷での実にユニークな数々の経験を物語のようにして何回も聞き、それに呼応するように私も、自分が経験したことを言葉にしながら呼応して、いつしかそれは私の中に独自の語りとして存在するようになった。

”経験を言葉にしてひとに伝えることの意味”がつまった部分だと思います。
私はふだん、ナナメちゃんのお話し会などで、参加者の方の個人的なお話をさまざま伺うのですが、
お話を聞いているじぶんの栄養になっている感覚があります。
直接聞くひとの経験がじぶんの糧になるという実感があったため、この一節に強い共感を覚えました。

ひととひととの関わりの形はさまざまです。
相手に呼応して自分が(ときに主体的に)行動を変えていくことも
関わりのひとつなのだと思います。

志賀さんのコラム紹介はここまで。
2つ目、3つ目のご紹介は次の記事でしていきます🤗


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