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鬱の時の作品①


「融解」
か細い線で私を突き刺して
私に虫が体表を這う感覚を植え付けて
脳が軋む音が聞こえてくる
高層ビルに覆われた空と
大量の機械的歩行者と眼球たち
私を狙うのね
みんな

半狂乱で見た人間の真皮
人間は動物との差違を探し求めて生きて

ギジギジと鳴る脳内
まるでセミのように
歯車が上手く回らず
錆び付いて
あぁその振動は骨に響いて不快をもたらす
だんだん人間の形相が保てなくなるように思う

不安

思考は靄がかった朝のように
詰まって動かない

身から出る粘着質のしめっぽい黒雲はそこらじゅうに絡みついて
逃げられない
思考をも曇らす
赦されない黒雲



高校時代の作品です。

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