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日本のものづくりと審美眼のレベルを誇りたい

私にとって、旅行=その街の店巡り、です。
どこか旅行に行くときには、必ず現地の目当てのお店をネットやら雑誌やらinstagramやらで事前にリサーチしてGoogleマップに印を付けてから向かいます。

街の小さなお店では、その地に根差した商品を販売していたり、個性的な店主の面白い話やこだわりの想いが思いがけず聞けたりして、オモロい出会いがよくあります。
今回は、これまでの旅行で出会った印象的なお店3つについて紹介します。


岡山県児島市:ジーンズのお店

社会人になって初めての一人旅は岡山県の児島に行きました。言わずと知れた、ジーンズの街。

新幹線岡山駅から電車を乗り継いで児島駅、さらに駅から20分近く歩いてたどり着いたその場所は、良くも悪くもジーンズしかない街でした。

街の入り口はジーンズのアーチでお出迎え

正直、児島駅に着いた段階ではここで合ってるのだろうか…?と不安になるくらい人気を感じられなかったのですが、、ジーンズストリートにたどり着くと、そこには多くの海外からの観光客が訪れてました。

こんな秘境の地に、ジーンズを求めにわざわざ海外から人がやってきているのか!

とかなり感動したのを覚えています。
ジーンズストリートを進んでいくと、道の両脇には個性的でそれぞれのコンセプトを持ったジーンズショップが立ち並んでいました。
様々な形のジーンズを販売しているお店、ワッペンや刺繍などカスタマイズが自由にできるお店、男臭いお店からレディース中心のジーンズを販売しているお店など、文字通り街一帯でジーンズを盛り上げていました

地域全体で伝統あるジーンズ産業を盛り上げている街全体の一体感もカッコよかったし、伝統をただ継承しているだけでなく、意地と根性と誇り(?)で時代に合わせて自分たちなりにアップデートし続けている個々のブランドやお店もめちゃめちゃかっこいい。
当時の私にはかなりの衝撃で、東京に帰った後すぐに児島の求人を探して本気で移住しようかと思ったレベルでした。笑

その時買ったジーンズはずっとお気に入りです

福井県鯖江市:越前漆器のお店

これも一人旅で行った福井県鯖江市。
眼鏡と越前漆器を探しに向かいました。

これまた新幹線のあと電車とタクシーを乗り継いで向かった場所。(1人で運転できないのまじで不便)
越前漆器のお店については、昔ながらの職人の工房や歴史資料館のような見るからに入りづらい場所から、雑貨屋のようなおしゃれで開放感のあるお店もありました。
特に好きだったのは、漆琳堂という日常使いしやすいカラフルな越前漆器をディスプレイしていたショールームのようなお店。
漆器っていうハードル高く感じられる伝統工芸品を、見た目も可愛く日常使いしやすい形(食洗機もOKらしい)でうまく現代版にアップデートしていて、漆器へのとっつきにくさを払拭してくれました。
湯呑みと皿を買い、一つは祖母にプレゼントしました。

漆琳堂の店内

ロサンゼルス メルローズアベニュー:日本人店主の古着屋

最後は日本国内ではなく、アメリカのロサンゼルス。
セレクトショップや古着店が立ち並ぶメルローズ・アベニューを散策していました。

特にこれといった目当ての店は調べていなかったので、通りにあるお店に片っ端から入っていった中で、ひときわレベルの高いお店があった。
同じ古着でもなかなか他で見ないレアな年代やタグの服を扱っており、状態も良い、そして雑多すぎず厳選した服を丁寧にディスプレイした空間、さらにお客さんにも事細かに商品の説明をしており接客も丁寧。
よくよく店主を見てみたら日本人の方でした。その後にGoogleマップのレビューを見てみたら、きれいに5.0。

経済大国のアメリカの地で、アートとファッションの通りと言われるエリアで、同じようなおしゃれなお店が立ち並ぶ通りの中でも、日本人の美意識やセンスのクオリティが際立っていたし、それが日本人以外にも伝わっているのがとても嬉しかった。同じ日本人として勝手に誇りに感じました。


自分にとっての選択を任せられる存在

必要なものは大抵Amazonやコンビニですぐ買えるようになった便利さと逆行するように、何かを選ぶ際にアクセスできる情報量に比例して選択のハードルはどんどん上がっています。
人は1日に35,000回も決断しているらしいので、1回1回の選択に悩んでいる暇はないです。それでも大事な選択は妥協したくない
だから、このお店に行けば安心、このお店で買ったものなら自信を持てる、このお店のものなら誇りに思える、という自分の中で1つの選択の基準を担保してくれる存在は大きくなっていくと思います。

"信頼できる選択の基準"は、価格でもなく、ブランドでもなく、素材とか形とかいった単なる一つ一つの物的要素でもなく、ものを作る人たち、そして作る人の意思を引き継いでプライドを持って販売する人たち、の背景や人柄・熱意、人やお店との出会い・繋がり、そういったものトータルで何となく惹かれる言語化できないところにあると思います。
これは今後どんなに生成AIが発展しようとも、完璧に代替できないところ。絶対に。

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