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チェロ初心者さんのテクニカルレベルをアップするかもな、ドから始める7日間基礎トレチャレンジ#4日目

皆さんこんにちは。基礎トレチャレンジも4日目、今日からまた少しずつ新しいことを覚えていきましょう。今日のメインは、同じくドから始まる短調の音階=ハ短調の音階です。「チェロとは歌う楽器である」という特性を踏まえ、メロディーを歌うのに最適で、楽な動作で弾ける旋律的短音階を使用します。

楽典のススメ

短音階って3つもあるんですけど
短音階は長音階と違って3種類ありまして、それぞれを自然短音階・和声短音階・旋律短音階といいます。
なんで3種類もあるの?それは7番目の音を聞くと、ああ、無性に次に行きたくなってしまう・・という機能を持たせるために、西洋の人たちがすったもんだしたからで、悩み抜いた挙句ようやく導き出された解決策だから。
普通に作ってみたらちょっと不自然だから、やっぱり7番目を半音上げて次にいく感じがする雰囲気を持たせたいだの、半音上げちゃったら今度はアラビアっぽい感じがするし歌いにくいだの、じゃあもう6番目の音も半音上げちゃえよ、上りはそれでいいよ、下りは前のままでいいよ、あれ?和音重ねたら今度はなんか違和感ある・・ええいじゃあもう3つ全部使おうぜ!みたいな。

ルールとは、アイディアの歴史的集合体である。
ここまで基礎トレをやってきた皆さんは、きっとそろそろ「音階」というシステムそのものに疑問なり興味なりが出てきていると思うのですが・・なんで短音階が3つもあるのかとか、とどのつまり音階ってなんなのか、とか。

たとえばある音楽を聴いたときに、そこに対して私たちが感じる印象・・つまり明るい、暗い、楽しい、悲しいなどは、その曲がどのような規則で並んだ音の階段で書かれているかで決まります。
そして、ある規則で音を低い方から高い方に、また高い方から低い方に並べた音列には、印象を決める力があるんだなあ・・ということに気づいた人たちが、音楽を作るときのルールに落とし込んでいったものが「音楽理論」です。
私たちが親しんでいる西洋音楽は、他の学問と同じく、時間の流れの中でそのシステムやルールを発展させていきました。時代時代の空気感をはらんだ流行や美意識、楽器の性能の発展と共に進化してきたのです。
時の洗礼を受けて現代まで残っている学問ですから、その分ルールも複雑ですし、全てを学ぶのは簡単なことではありません。歴史的アイディアの集合体なんだから膨大です。
そこを矮小化して、何でもかんでも「簡単にすぐできる!」とか「すぐわかる!」と言いすぎるのも何ともヨロシクない話です。

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