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Oriza L.Legrandと迎える

先日、オリザ・ルイ・ルグランという香水メーカーの作品を取り寄せた。フランスから届いた小さな小包をドキドキしながら開封したとき、鮮やかでしあわせな記憶として、この先ずっと私の中に残るだろうなと思ったので、一度記録しておきたいと思う。

1720年フランスで創業した香水商オリザ、カタログを見ていても、その作品の生まれた年代を追いかけるのは本当にロマンがある。1720年、1862年、1884年、1886年…
今回私が取り寄せたのは、1909年の作品Jardins d’Armide と、1920年のMuguet Fleuriの二つ。そうか、私の弓と同世代なのか、君たち。

告白すると、完全にパケ買いとタイトル買いです。久々の博打だったけど、結果は大成功。

このリボン、この箱、同梱されていた沢山のポストカード。素敵なものが詰まったクリスマスのプレゼント箱がフランスから届く、まずそのムードからして尊い。
リボン解くのもったいなさすぎて、しばし可愛さに息が詰まりそうになりながら無言で楽しみました。
おお神よ、かわいいは正義であり暴力、その前に私はただ平伏し無防備です…!キリエ!

騎士リナルドを誘惑し魔法の島に閉じ込めて離さない魔女アルミード、それは多くの作曲家が曲を書かずにいられなかった神話の題材。
その愛の庭の香りにクラクラして、半分回らない頭でトップからミドルノートまで肌の上で味わいながらも、そういえばローズやオレンジブロッサムよりも、アイリスとヴァイオレットがえらく肌の上で主張しているのに気づいたのでした。

アイリスやスミレは王妃エリザベート御用達香水商のクリードが得意な香り。クラシカルで、ほんのりとパウダリックで、あたたかい。私の肌にまるで爪痕が残るがごとく食い込むのが、この二つの香料なのです。
香りは、纏う人の生き様に導かれて変化するものですと、私は多くの人に伝えているけど(夢のない言い方をすると、ただの肌のタンパク質組成と皮脂と天然香料の反応)、何をどう頑張っても、結局私の肌は全ての香水をクラシックにしてしまうようです。
とりわけオリザの香水は、その歴史的背景とともに、これでもかとクラシカルに香り立つので、完全休日の引きこもり日のみに纏う香りに決定しました。

私は、ジャスミンやチュベローズがひややかに花開くような香り立ちには、絶対にならない。
私は、バラの香りでしとやかな雰囲気に、なんて絶対にならない。
大事なことなので3回言うけど、とにかく私にホワイトフローラルは(以下略)

無理して自分にないものを纏おうとしなくていいのかなって、もう今年も残り少なくなったタイミングで、そんなこんなで香りに教えられた気持ち。
フランスから届いた小包を楽しみながら、このままやすらかに清らかに1年を締めくくりたい。
今年も迎えたアドヴェント。待降節のこの時期が、一年で一番好きです。

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