ベンゾイン(スマトラ)をどうにか使いたい
「我ら、野の美しさを永い間忘れてい申した。」
都に住む惣忙の若者らは、いまさらに野の清い広さにしみ入って眺めた。津の人は和泉の人の誰にいうとも分からないこの言葉にも、一応なにか答えぬわけには行かなかった。
「我らとても、野の風色はゆめにも見たことがなかった。たまにこういう風に吹かれるのも幸せでござる。」
「荒魂のやすらうひまもない我らには、明日も此処に来て見たく存ずる。」
野の清い広さは田舎でもだいぶなくなって、工場とか新興住宅街に変わりつつある。山奥に行けばまだ「野」というものが残っているが、犀星の見た「野の清い広さ」はもうどこにもない気がする。
という訳で、マイルームに清い野原を再現してくれる精油に私ははまってしまったのだ。
今日は、凶悪精油ベンゾイン(スマトラ)の使い道について考察する。
ベンゾイン(スマトラ)に含まれる主な成分は、ケイ皮酸エステルとバニリンらしい。他にもスマトラのやつ調べると違う成分が表示される。何が正しいのかわからないが、私が持っているベンゾイン(スマトラ)の酢漬けシナモンの香りが際立っているのは、どうやらケイ皮酸が多く含まれているからのようである。
ならばまずエタノールで希釈して、ケイヒ酸薄めて、そして製菓用のバニラエッセンスを投入すれば、少しスパイシーな甘い香料ができあがるのではないか!?
というわけでチョコラBBの空き瓶にぶっ込んだ。
今嗅いだらいい感じに酢漬けシナモン臭が薄まって、南国系の甘い香りになっているような気がする。やはり人工香料強し。
まーでも使い道はカーフレグランスしかおもいつかなにゃい。