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宮下奈都さん小説「つぼみ」装画のプロセス 前編
今回は、宮下奈都さん小説「つぼみ」の装画を描いたときの話です。
(ブックデザインは盛川和洋さん。光文社より2020年発売。文庫本)
「神さまたちの遊ぶ庭」「羊と鋼の森」の作家・宮下奈都さんが贈る
10年間、書き続けてきた輝ける物語…が収められているこちらの短編集
本書解説の長江さん曰く
「なんでもない自分にも、なんでもないなりの良さがあるのかもかもしれない。
そんな風に信じさせてくれる。」ような物語がそっと並んでいる。
著者初の長編小説「スコーレNo.4」の外伝がいくつか収められており、合わせて読むとより深い世界観を味わえるのでおすすめ。
以前、こちらの記事で私の初の装画仕事の話を書きましたが↓↓
ありがたいことに
「スコーレといえば日端さんの絵だと思った」と
光文社のお世話になっている編集者の方に言っていただき
約10年の時を経て、懐かしい登場人物とともにまた作品に関われるという
この上ない喜びの経験となりました。
収録されている物語のひとつ
「まだまだ、」というお話の中で…
「スコーレNo.4」で主人公だった麻子の末妹・紗英が華道を通して自分と向き合う。その姿と言葉にとてもとても励まされました。
私の思うところはまたの記事に書きたいと思いますが
今日はこちらの装画に関するラフ画のことを…
当初、編集の方から頂いたイメージとして
装画は【悩みつつもしなやかに歩み始める女性像】をイメージして
ラフを作成していきました。
思いつく限りのイメージを線に起こしていくのですが
こちらはすでに浮かんでいるイメージを具体的にしていくような作業だったので似た構図のものが多いですね。
ほんの少しであっても、顔の角度やポーズなどで微妙にメッセージが変わってくるためかなりの量のラフを描きます。
それを整理し、ピックアップしてから数点をラフ案として提出。
今回のキーワードである「生け花」をモチーフとして絡めたかったので、
とくに特定の植物ではありませんが、資料として色々な種類の植物も調べました。
結果としてはB案が採用され、本画の制作へと進むことに。
色のラフに関して続きの記事に書きたいと思います。
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