エトウ

楽しく創作中。 漫画ネーム、シナリオ、短編小説など。 「下手くそだけど完成させる!」がモットー。

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マガジン

  • だったら植民地をください

    「週刊少年マガジン原作大賞」応募作品。

  • もう正義のヒロインなんて願い下げ!

    ドロドロとした昼ドラのような正義の戦隊モノを見たいなと思い、書いています。 シナリオ形式です。

最近の記事

(全3話)『推しのタオル』 第3話

〇同・居間(夕)   絵里、あかりにコーヒーを出す。   あかり、お辞儀をする。 絵里「何があったの?」   あかり、遠慮がちに颯太を見る。 絵里「颯太、悪いんだけど、2階で宿題してきてくれる?」 颯太「(しぶしぶ)分かった」   颯太の階段を上がる足音。 あかり「もう、限界で……」   あかり、顔を上げて、 あかり「私、離婚したい。それで……」   涙で言葉が出てこないあかり。   絵里、あかりの背中をさする。 絵里「とりあえず、ご飯食べましょっか」

    • (全3話)『推しのタオル』 第2話

      〇望月の自宅・居間(夜)   一人でスマートフォン画面を見るあかり。   画面には「ⅮⅤチェックリスト」の文字。 あかり「まさか、まさか」 桃香(声)「あかり、ⅮⅤを受けてるんじゃないの?」 絵里(声)「ⅮⅤとか受けてませんか?」   トイレに起きた祐一が入ってくる。 祐一「まだ起きてるのかよ」   あかり、咄嗟にスマートフォンの画面を暗くする。 あかり「あ、ごめんなさい。眠れなくて」 祐一「誰に電気代払ってもらってんだか」 あかり「ごめんなさい……。もう寝

      • (全3話)『推しのタオル』 第1話

        ■あらすじ 息子と2人で暮らす松田絵里(39)は7人組男性アイドルグループ・7LⅮKの大ファン。暴力的だった元夫と別れ、保育士の仕事をしながら息子の颯太(10)を育て、推し活を楽しむ日々を送っている。 望月あかり(31)は、夫の祐一(33)と共に絵里の近所に住んでいる。あかりは夫からⅮⅤを受けており、自宅アパートからは度々大きな物音、怒鳴り声が聞こえる。 絵里は、あかりのアパートに大好きな7LⅮKのライブタオルが干されていることに気づき、住んでいる人のことが気になり出す

        • 【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑧

        マガジン

        • だったら植民地をください
          4本
        • もう正義のヒロインなんて願い下げ!
          20本

        記事

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑦

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑦

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑥

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑥

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑤

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」⑤

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」④

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」④

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」③

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」③

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」②

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」②

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」①

          【創作四コマ漫画】「ダジャレの向こう側」①

          『漫画と出汁と父娘』本編

          〇スーパーマーケット、総菜売り場(夕)    5、6人の買い物客。    カートを押しながら商品を選ぶ主婦。    鈴木幸子(58)。    2割引のシールが貼られたコロッケに手を伸ばす中年男性。    吉田治(46)。 鈴木「あら、吉田さん」 治、手を止める。 治「……も」    「どうも」という言葉の語尾しか聞こえない。    治はコロッケを取らず、鈴木に軽く会釈してその場を去る。    店員、治が取らなかった商品に2割引シールの上から半額シールを貼る。    鈴木はその

          『漫画と出汁と父娘』本編

          『漫画と出汁と父娘』登場人物・あらすじ

          【登場人物】 吉田瑞穂(17)…主人公、高校2年生 吉田治 (46)  …瑞穂の父、漫画家 吉田朱美(45)…瑞穂の母、会社員 立原優香(16)…瑞穂のクラスメイト 加藤真理(18)…漫画研究部の部長 高倉花音(16)…漫画研究部の部員 鈴木幸子(58)…主婦 スーパーの買い物客/スーパーの店員/高校のクラスメイト/漫画研究部の部員 【あらすじ】 主人公は高校2年生の吉田瑞穂。 彼女は漫画家である父の影響で、幼い頃から漫画家に憧れ、高校では漫画研究部に所属している。父は若い

          『漫画と出汁と父娘』登場人物・あらすじ

          ショートショート『恐竜時代』

          「ねえ、これ見て。恐竜時代」 そう言って、有希の隣にいた由美が突然、視界から消えた。有希が目線を落とすと、由美はすぐ横で無邪気な笑顔を見せながら、しゃがんでいる。 川又由美が無邪気なのは笑顔だけでない。岩田有希と同期入社の彼女は、よく言えば知的好奇心旺盛で、悪く言えば夢見る夢子ちゃんである。 新入社員同士の飲み会で名前が似ていることから会話が始まり、2人はすぐに仲良くなった。現実主義の有希、どこかフワフワしている由美。正反対だが、絶妙なバランスで友情を深めていった。 有

          ショートショート『恐竜時代』

          あいつの出世(後編)

           俺は地元の私大に入学した。 「どこ高なの?」 こう質問してくる奴に出身校を言うと、皆、口を揃えてこう言う。 「え……。どうしてここの大学に来たの……」 どいつもこいつも同じ質問ばっか。俺の勉強が足りなくて国立落ちたからに決まってンだろ。  でも、こんな大学の学生でも腐ってはいけない。就職活動という次なる選抜が待っている。もう同じ轍は踏まない。俺は「企業」に狙いを定め、入学と同時に真っ直ぐ進むのだ。そのためにサークルだって、ボランティアだって、バイトだって何でもやる。エントリ

          あいつの出世(後編)

          あいつの出世(前編)

             高校時代、俺は無敵だった。  進学校に入り、弓道部に入った。部活では処世術を存分に発揮し先輩に可愛がられていたし、大会での成績もそこそこ。友だちだって多いし、成績だって良かった。――理数科目以外は。  俺は高一の時、八組だった。一番端っこのクラス。これは別に成績が悪いからではない。俺の高校では、音楽、美術、書道のうちどれかを選択することになっていて、一番希望者の少ない書道は自動的に端っこのクラスなのだ。  八組で一番初めに仲良くなったのは金沢という奴だ。金沢は、なん

          あいつの出世(前編)