⑫父の葬儀で嘘を付いた兄と、家長制度&男尊女卑の話し。
今回は⑪話のこぼれ話になります。
前回のお話し⑪話はこちらです⬇︎
これまでの記事のまとめはこちらです⬇︎
父の葬儀の日、親族席には兄夫婦と娘の3人だったらしい。世間体を何よりも気にする兄にとっては屈辱的だったはずだ。
そして、私は、葬儀の喪主挨拶のことを友人や知人から聞いた。
喪主挨拶と言えば、内輪の話ではなく参列者の前で公にする話しだ。そこで兄は、父が亡くなった時の状況を、事実と全く違うように話していた。
父は、老人施設に預けられ、ひとりの時に亡くなっており、施設の人が見まわった時には既に亡くなっていたと、私は、施設の人から聞いていた。
兄は、その事実を隠し「自分たちは父の家で一緒に暮らし、手厚く看護をしながら最後の時を過ごし、自分たちに看取られながら幸せに亡くなっていった。」と話したそうだ。
私は、この話を聞いた時、
吐き気をもよおしてしまった。
気持ち悪い…そして、
嘘つき!!! と心の中で叫んだ。
ここで、兄が最も大切にしている世間体のお出ましだった。
まさか!!!
施設に入れて、
たった一人で父親を死なせたなんて、
口が裂けても言えるわけがない。
自分のプライドが許さない。
だから、
どうにかして、自分たちを善人にしたてあげなければならない・・・
その為には嘘をつくしかない!
だから、兄夫婦は「父親の最期を共に過ごし、自宅で見守りながら看取った」という嘘のシナリオを見事に作りあげ、喪主挨拶で語ったのだ。
娘である私を父に会わせず、
最後まで父を隠したことなど誰も知る由もない。
葬儀に来ない薄情な娘と、
父を甲斐甲斐しく世話して
最後を看取った心優しい兄夫婦。
傍から見たら、
こういう構図に見えたはずだ。
真実は闇の中。
嘘とお芝居に、本当の事が隠されてしまった。
だから、
物事は表面的に見るだけじゃなく、
深い部分を洞察して、真実を見抜く目が必要だとつくづく思う。
この時、私は、誰にどう思われようが構わない。真実は誰より私が知っている。
あの世にいる父と母も分かってくれている。
こう思うことで自分の気持ちを落ち着かせた。
そして、私が葬儀に来ないことで、父の知人から電話がかかってきた。
その知人とは父と共に私も交流があり、親しくしていて信頼もしていた。
だから、兄夫婦との一連のことを話して、兄が葬儀で嘘をついたことも伝えた。
すると、
「嘘でも何でもいいじゃないの。お兄さんが長男で会社の跡取りなんだから、そんなことは誰にも言わない方がいいよ。女なんだし、妹なんだから、黙って言うことをきいた方がいい。お兄さんは社長になるんだから」と言われた。
はぁ?💢あんた何言ってんの⁈
٩(๑`^´๑)۶
私は、耳を疑った。
この人は、人間を
「跡取り」とか「長男」とか「女」だとか、
そんなことを基準に判断するんだ!
「社長になること」これが嘘や犯罪まがいのことをした事と、何か関係があるのだろうか?
これじゃあ、社長だから何をしても許されると言ってるようなものだ。
◎長男だから、
跡取りだから➡︎家長制度
◎女だから➡︎男尊女卑
世の中は、まだまだこういう風潮が色濃く残っている。
そして「金持ちが偉い」と思っている人がまだ多くいるように思う。
会えないまま訪れた父の死、兄の嘘、葬儀に行かない状況、これだけでも私は気がおかしくなりそうだったが、この言葉に更に絶望したことを憶えている。
どんな立場の人だろうと、悪いことは悪い。
お金を持っててもダメなことをした人はダメなんだ。
これって、わざわざ声を大にして言わなくても当たり前のことだと思うのだけど…
でも、現にこうやって兄夫婦を支持する人がいる限り、兄夫婦の振り返りや反省を促すことはできない。
だから、私は兄夫婦に立ち向かおうと決めたのだ。
私だけは、絶対に屈しない!
権力とか地位とかお金には。
例え、この先がイバラの道で、血だらけになったとしても、自分の信念を貫くんだ…と誓った。
ちなみに私は、その後、父の知人に連絡を取ることはなかった。
次は、新たな章のスタートです。