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父の法事を終え、わたしは見た!認知症詐欺⁈本当の優しさとは?

少し前のことだが、父の命日に遭遇した事件!
について、考察と気付きを含めて書いてみよう。

訳あって実家に帰れない私は、息子と二人だけで自宅近くにある、あの寅さんで有名な柴又の帝釈天で供養する事をここ数年続けている。

今年も、息子と2人お寺に行き法事を行った。

(※なぜ実家に帰れないのかは、コチラです↓)


住職さんのお経を聞きながら、亡き父へ想いを馳せ、色んなことを思い出した。きっと何よりの供養になっただろうと思う。

さて、ここからが本題である。

帝釈天の門を一歩出ると参道が続いており、たくさんのお店が並んでいるのだが、法事の帰りにはいつも、あるお店で食事をして帰るのが通例になっている。

その店は会席弁当などを扱う、関東地方では、ちょっと名の通ったお店だ。


無事に法事を終え、お目当てのお店に向かい、奥の席へ座る。すると、その隣り奥の席に、お婆さんがひとりで食事を終えた所で、何かごそごそとバック中をいじったりしていたので、帰り支度をしているんだろうと思っていた。

だけど一向に帰る素振りはない。

何をしてるんだろう???と思っていたその時、

店内に、ひとりの警官が入ってきた!!!

何事?息子と私は箸を止めた。

警官は、お婆さんの所へ行き色々質問を始めた。
その様子を真横で聞いていた私達。
しばらくお互い黙って食べることに…。

すると息子がすごく不機嫌な顔をしながら食べている。

「どうしたの?」と聞くと
「あの警官の態度が気に入らない!なんでお年寄りにあんなひどい言い方するのかな。」と小さな声で言う。

私は、黙って食べている間に、お婆さんと警察官の様子を見ながら洞察していた。そこで、不機嫌な息子に、自分が洞察した事を話し始める。

そのお婆さんは、警官の姿を見るなり

「私、認知者なんで何も分からないんです。」

と言い、「財布は?」と聞かれて「持っている」と言いながら一向に出す気配もなく「認知者だから、認知者だから」と繰り返していた。

まず、本当に認知症の人は
自分で私は認知症です!と言わない。


私は長年医療関係で働いていたこともあり、現在もお年寄りと関わることが多いから、本当の認知症の方がどういう状態か良く分かる。

だから、「警官の態度にはそれなりに理由があると思うよ。あのお婆さんは、言っちゃ悪いけど常習犯じゃないのかな。だから警官は、最初から甘い顔をせず厳しくしてるんだよ。」

と息子に話すと、えっ?そういうこともあるんだ〜って感じで、暗い顔がパッと明るくなった。とりあえず少しは気分良く箸が進むようになって良かった。

その後も、お婆さんと警官の押し問答は続き、さっき私が息子に話したことが現実のものとなってきた。

「これは無銭飲食なんだよ!わかる?」

「息子さんに連絡させて」

「交番に行きましょう」などと言われると、

「お金なら持ってる払うから」と言いながら、矛盾した言動を繰り返し全く払う様子がないお婆さん。

警官も私も、お婆さんは常習犯だと思った点で
一致していた。

私達も内心は食事どころじゃなくなったが、平静を装って静かに食べ続けた(・・;)

ふうてんの寅さんの舞台となった、義理人情が漂う柴又という土地柄、きっとお婆さんは何度かその人情によって見逃され助けられてきたんじゃなかろうか。 

認知症だったら仕方ないなぁ、まぁ、いいよ、今度持ってきて、みたいな。

でも、今回は許されなかった。その店は一軒屋の商店とは違う。規定に従って毅然とした態度で警察に通報したのだろう。

ここで、このお婆さんにとって、

何が本当の優しさだろうか?と考えた。

1,500円くらいの未払い金。
私だって、代わりに支払って見逃してあげたいと思う気持ちはある。

実際、前に回転寿司で同じようなことをしていたお婆さんが居て、1,000円くらいだったので支払ってあげようとしたら、お店の人に"常習犯だから"と止められた事があった。この件で私も学んだことを思い出した。

義理人情が時にはとても大切で、本当に困っている人にとっては救いになることもあるだろう。

でも、幾つになっても

「悪い事は悪い」

と教えてあげることはもっと大切なんじゃないだろうか。


認知症だと言い、その事を笠に着て、悪いことを続けたままあの世にいくのは可哀想だ。自分のした事を認めて反省してから人生を終えた方がいいに決まってる。

だから、今回、お婆さんに必要な真の優しさは
見逃したりすることじゃなくて、酷な言い方だが

認知症詐欺をやめさせること!

だと思った。

途中で店を出た私達だが、その後も真の優しさについて親子で色々と談義した。

息子に「物事を表面的に見るだけでなく、深い洞察が大切だ」と気付きを与えたこの出来事は、亡き父からのメッセージだったように感じる。

そして、
あのお婆さんの幸せを心から祈りたい。

♡合掌♡

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