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気持ちも新たに~アイルトン・セナの命日に〜

昨日5月1日は私が独立開業して仕事を始めてから丸11年が経過し、第12期が始まった日でした。
毎年5月1日になると、大ファンだったアイルトン・セナの命日であったことと、私の開業記念日だと思って朝、起きてきます。

昨年は年甲斐もなく、開業の日に着ていたピンクコーディで出掛けました。エレベーターの鏡に映る自分の顔を見て、もう流石に似合わないなぁと悲しくなりました。

今年の5月1日は、札幌としては珍しい程の五月晴れ。
この時期らしく強風は吹いていたけれど、道端に咲くチューリップがきれいでした。
多くの人がそうなのかもしれないけれど、晴れの日は気持ちがワクワクします。

私が独立開業した11年前の5月1日は、とても寒い曇天でした。
その曇天の下、自家用車で法務局へ乗り付けました。
とてもとても不安だったことを昨日のように覚えています。
これからは自分の思うように、やりたいように仕事を進めることが出来る、というワクワク感はありましたが、まるで羅針盤を失った小舟のように、どう進めるにしても自分ひとりの判断によるのだ、と実感しました。

開業準備は具体的には3月から始め、専門家のアドバイスのもと「会社ってこうして作るんだ」という学びを重ねていました。
上司はいないけど各方面に詳しい専門家の方々にいろいろ教わればいいし、独立相談に乗って頂いた業界の先輩方々や応援して頂いた方々もいるし。
けれどもアドバイスはあっても最終判断は私自身。
そしてその責任を負うのも私自身。
そして応援して下さる方々に応援を続けて貰うには、私がビジネスにおいて成長し、皆様のお役に立てなければ先々難しくなるのです。
それがわかっていたからこそ、不安な気持ちを払拭するのに大変でした。
どう計算したって初年度黒字は難しいだろうし、どこまでお客様についてきて貰えるのだろう、そうしてそのお客様に納得していただけるのだろう。
私は自分のことを、結果を出すことは出来ても組織人として生き残れない、サラリーマン生活失格のダメ社会人のレッテルを貼っていたので、なおのことそう思いました。

一方、清々しさもワクワク感も当然ありました。
今だから言えることだとも思えるし、また今になっても言うべきことではないかもしれませんが。
理不尽な言いなりに従わなければならない縛りの一つが間違いなく消滅したのです。
会社員だった私はそれが一番のストレスでした。
今思えば若かったとも言えると思います。
自分の気持ちになぁなぁにケリをつけることが難しかったのだと思います。

そして何よりも清々しく感じたのは、やりたいようにやりたい仕事が出来る、自己裁量が大きくなったのだ、と言う実感。
これでキッチンの仕事を自分のビジネスに出来る、と思いました。

そんな時に頂いた初めてのオリジナルキッチンのご依頼。
得意としている機器は入らなかったけど、オーダー塗装色の無垢材扉のキッチンでした。
キッチン機器の仕事ではないキッチンの仕事に夢中になりました。
その様子を冷静に妹が見て、「なんかいつもと違うね」と呟いていました。
それが私のモチベーションなんだな、と思いました。

前にこのnoteの題材に、「私の仕事〜ひとことでは表現が難しい肩書き〜に、「説明が難しい仕事」と表現」しましたが、やはり「キッチンの仕事をしています」と表現するのが一番私の心の腑に落ちます。


こんな案内状を作って送りました

先立って今年3月半ばに事務所内キッチンを改装し、「MINIキッチンラボ」と名付けました。
このラボにはこれから私が仕事でやりたいことが詰まっています。
時代は変わり、輸入元の事情変化やコロナ禍、半導体不足問題、商流の変化と、11年前のようなビジネス展開では厳しい時代になりました。
だからこそ初心に立ち返りたいと思いました。
起業以前からの経験やノウハウに加え、この11年間で培ってきた経験、ノウハウ、人脈があります。
令和6年5月1日は、気持ちを新たにReスタートをきった日になったと清々しい五月晴れの空に思いました。
そしてセナよ、今も安らかに。

1994年5月1日を忘れない


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