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私の体験談 第1章1臨死体験

1章 臨死体験 ――「わかった」をプロットする人生が始まる


第一節 予想を超えた臨死体験――あの世とは




私は十三歳の時、マラソン大会の練習中に心臓発作を起こして倒れました。


そこから始まったのは、まるで映画や小説の中でしか聞いたことがなかった「臨死体験」。


けれど、これは作り話ではなく、私が実際に見て、感じて、理解したこと――まさに「わかった」と思った世界の真実をお話ししようと思います。





この日、午前中には学校でマラソン大会の健康診断が行われていました。


私は昔からマラソンの練習中に何度も意識を失ったことがあり、そのたびに病院へ行っていましたが、診断は「思春期の貧血」。

そんなものだろうと自分でも思っていました。





けれど、この日は違いました。検診中、いつものように胸が苦しいことを医師に伝えると、小児科の先生は「貧血?うーん、なんか気になるなぁ…」と首をかしげながらも、「とりあえず無理しないように様子を見て」と言ったのです。


その何気ない言葉が、後で思えば命をつなぐ伏線になっていました。





午後のマラソン練習。


最後のゴール手前の坂道で、私はひどい胸の痛みに襲われました。


それはまるで象に踏みつぶされるような痛みで、指一本動かせない状態。


目の前が真っ黄色になり、やがてテレビの電源がプツッと落ちるように意識が消えました。





倒れながら、私は山の向こうに広がる景色を目に焼き付けていました。――「早く帰ってこられますように」。





次に気がついた時、私は目を開けていました。


ただし、その視界の端はぐにゃっと歪んでいました。


耳元では先生が「わかるか!?手を握ってみ!」と叫んでいます。





「うるさいなぁ…」




そう思いながら目をこらすと、毛布に包まれてうめき声をあげる自分の姿が見えました。



――やばい、恥ずかしすぎる。




全校生徒が近くにいることを思うと、冷や汗が出ました。それと同時に、私は自分が体から抜けていることを直感で理解しました。





救急車より車で病院に行くほうが早いと判断され、私の体は車に運ばれていきました。


私はというと、意識だけが体についていく感覚でした。


そして気づけば、救急処置室にいました。





驚いたのは、午前中に診断してくれた小児科の先生が処置をしていたことでした。


あとから聞いた話では、先生はたまたまその日、小児心臓病の専門医として病院に派遣されていたとのこと。


この偶然――いいえ、必然に近い奇跡がなければ、私はここにいなかったでしょう。




続く


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