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詩『東京』

幽霊がJRで話しかけてきたみたいだ
妙に寒い首筋を撫でる
「今日の東京は酷い雨で
まるでバケツを引っくり返したよう」
変な比喩を使うキャスター
窓の外は葉の上が跳ねていた
音のこもったイヤホン
買い替え時かと考える
マフラーの中でかくれんぼ
見つからないまま日が暮れる
道行く人は口元を隠す
私の顔がわからない
夕方オレンジの地平線
いつの間にか雨は止んで
そうなったこの街は
振り向けばただの
明るい石だった

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