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primeVideo/モアザンワーズ

ネタバレらしきものを含むのでまだ見てない方は注意⚠







美枝子の 私がほしかったもの…
という言葉で始まるこのドラマ。

EXITファンなので、かねちが出るという事でこの原作漫画を知り、配信が始まる前に漫画を買ってきて読んだ。
BL含む漫画を読んだのは久しぶり。
内容もわりと好きな感じで、どんなふうに映像化したんだろうと気になっていた。

1話から見るか8話から見るか迷ったけど、どうしてもかねち演じる朝人が見たくて、8話後半から見出した。
(漫画も発売時期は朝人主人公のINTHE〜が先なので、これはこれでいいのかもと見ていく。)

最初はどうしても兼近大樹として見ちゃって、登場した時ちょっと笑ってしまうw

でも9話途中あたりから朝人そのものだと引き込まれていく。(ヅラなのか地毛なのか気になってそればっか注目する私)

朝人はほんとに普通の人なのよね。なんとなく美容師になって日々を過ごす。リアルでも特に熱意がなく生活するために仕事をする。そういう人は少なくないから日常を覗いてる感じに見ていた。

しかし正直マッキーと朝人、同級生…には見えないw朝人は年上の幼なじみ設定に変えるのかと思ったら原作設定そのままで同級生。

演技うまくてもやはり本職の俳優さんには劣るわけで。

美枝子、永慈、マッキーが同年代俳優なのに、なぜ芸人の兼近大樹にキャスティングしたのかめちゃくちゃ気になる。

若手俳優さんでもうまく演じられる人はいる。そのうまくやれる若手俳優さんより、実年齢に差がある芸人のかねち起用はほんと嬉しいけど謎。ほんとキャスティング理由を知りたくてしょうがない。

テレビで見る印象ならどちらかと言えば永慈よな。キャラクター的にはマッキーぽいけど。


傷ついて美枝子や永慈から逃げたマッキーを包んでくれる朝人にかねちをキャスティングした監督さんにほんと感謝。

朝人がいたからこそ救われたマッキー。


シャンプーするかねちの指先。所作、佇まい。やっぱりキレイ。そして話はほぼ原作通り。


老人ホームで祖父と対面してその変わりようにショック受けて玄関で座り込む朝人。そこにいつものようにご飯食べに現れたマッキー。朝人からマッキーにキスしたあと、隣にちょこんと座るマッキーがサービスと言ってチュッチュッして慰めてあげるとこは、なんて可愛い二人なの!!となってしまった。

キスはあるだろうとは思ってたけど、濡れ場…もやるとは思わなかった。

まぁ、そこまで生々しくもなくあらあらあらあらァwと思いながら、青木柚くんにリードされるかねち、いやマッキーにリードされる朝人。

確か原作でも、え!急に?無理矢理すぎんだろwwと思ったのをほぼそのままでちょい笑ってしまた。←全然笑うシーンではないw

青木柚くん21歳でこれは凄い。なんか色気ある。しかし嫌な色気ではない。そしてなんか可愛い。


マッキーは人当たりいいけど、人とのつながりを求めていないふわふわした感じを青木柚くんはめちゃくちゃ再現してて、ほんとそこにマッキーがいるっていう感じ。

祖父とのわだかまりや、複雑な心境、マッサージしてあげて、ありがとうと言われたときの心が溶けていくようなかねちの表情すごく良かった…

INTHE〜の部分は2話と半分くらいだけどもうちょい長くても良かったかなぁ。

漫画だと突然マッキーがいなくなったりしたし。

はじめはなんとなく朝人と過ごしていくマッキーが、朝人に癒やされて受け入れてもらえて、愛を育むのをもうちょいゆっくり見たかった。

二人で寝そべって手を重ねて喋るシーン。凄くいい。カメラワークも好き。足のアップから手のアップ。指先からマッキーを愛でてるのがわかる。



そんでマッキーと再会した後の美枝子と永慈のそれぞれの行動に本音が…?


やっぱり美枝子はマッキーが好きで、好きだからこそマッキーの幸せを壊したくなかった。(美枝子自身は父親と重ねてただけと、未だにマッキーの事が好きなことは気づいてないのかもしれない)永慈とマッキー自分の3人でこそ感じられる居場所も失いたくなかった。 

永慈はほんとにマッキーが好きで、美枝子が妊娠したことと自分の言動でマッキーを傷つけてしまった事を後悔して、未だに忘れられない。

周りに気を使いすぎるのと優しくて真面目故、自分の行為に責任とって美枝子と結婚したんだなぁと。もちろん美枝子への気持ちはあるだろうけど男女のそれじゃない気がする。子供にかける愛情と同じ…

じゃなきゃマッキーにあげた染め物を抱きしめながら泣かない…よね。微かに残ってるであろうマッキーの匂いを感じながら…

(↑はあくまでも個人的見解。)


冷蔵庫や部屋に貼られたたくさんの子供の写真を見ると、最初は自分たちの為だけに子供を利用しようとした美枝子も永慈もちゃんと愛情をかけて育てているわけで。

そこがまたなんとも言えない感じ…



美枝子が妊娠してからの永慈は自分の行動の責任をとろうとしてるのか、美枝子にいつも以上に優しく気を使うんだけど、そのやりとりを見るマッキーの切なそうな表情を映像としてみると余計に辛い。

美枝子の身体の変化と現実を目の当たりにして3人の関係が壊れていく所は涙なしじゃ見られない…

8話後半からラスト→また1話から全部見ていくと

1話と最終話の川沿い

すき焼き

マッキーが一人でタバコ吸って泣いてる夢

ドライヤー

自分で考えて決めたこと

とか、あ!と思う箇所があってそれを見つけるのも楽しいかも…


ゆっくりと流れる時間と綺麗な景色

何の変化もない長いシーン

アドリブ?と思うようなごく自然な会話ややりとり

は普通のドラマにはないけど、逆によりリアルに感じてすごく良かった。

現実だと会話がかぶっちゃったり、ん?何言ってるの?みたいな変な間があったりするしね。

ラストの美枝子の子供とマッキーが川沿いを歩くシーンは、子役の子が喋りたいことを自由に話してるのかと思ったくらいほんとにリアルなおしゃべりでほんとに可愛い。


正しくなくてもおかしくても美枝子が守りたかったものは3人の時間で居場所。

結局自分たちの行動でそれを壊してしまったわけだけど、朝人によって3人が再会できたことは良かったなぁと…でも前の関係性に戻るのは無理なわけで。

そしてこれからもずっと美枝子と永慈は自分の取った行動の責任を持ちつつ夫婦、家族として生活する…

傍から見たら結婚して家族になった美枝子と永慈が幸せそのものなんだろうけど、本当にそうだろうか?と思ってしまった。心からの幸せはない…


結局『わたしがほしかったもの』

…は何だったんだろう。最初は居場所なのかと思ったけど、やっぱり生きる意味だったのかなぁ…。

親になることで気づけた事があったり、生きる意味を得られたとしたら、間違ってるとも言えないような。 

美枝子の柿ピーが好きな理由が父親との思い出だったからと思いだせたり…お母さんとの関係も良くなったり。母になることでいろんな人に愛されていたことに気づくことができた。

『美枝ちゃんはいろんな人に愛されてる。だから自分の事もっと愛していいねんで』




若さゆえの考え、行動、優しさ、脆さ、あやうさがギュッと詰まったモアザンワーズ。

脇を固めるベテラン俳優さんたち。

藤野涼子ちゃん、中川大輔くん、青木柚くんの作り上げた空気感と演技力も素晴らしい。そこにEXIT兼近大樹がいることにも誇らしい。

何度も繰り返し見たいし、ドラマを見たら漫画も読みたくなる…

この作品に出会えて良かったと思う。改めて感謝。




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