題名が思いつかなかった
涙が自然にこぼれ落ちたページを書き留める。
ふと思いついたのだ。
内容もサラリと書こうとして、諦めた。(面倒におもった)
すずめに、そうたさん。
そう小説『すずめの戸締まり』を読み返していた。
ついでについさっきU-NEXTで配信されたのを観なおした。
それから自分の記事も読み直した。
これはそんな、読み返し、見返しで、感じた事を書きたいだけの記事だ。
製作者側の意図など知るか。(などと言いつつ好き)
でも新海さんは水瓶座だもん。(別にそうでなくとも好き)
そういうのは感じるわ。(という、ただの勝手ないいぶん)
盛大にネタバレるかもなのでまだ見てないよ、読んでないよ、そして地上波放送を待ってたりするよという方は、また、観たときにお会いしましょうね。(そのときにまた記事書けやっ!!て話だ)
ネタバレ問題ない、付き合ってやんよって方は緩りお付き合いくだされ。
*
まず、本を読み終わった時点で、涙を流しすぎていた。
そもそも17ページ目には既に涙が零れ落ちている。早すぎやしないか。
ちなみにどんな所で涙が零れたか、抜粋させていただこう。
こういうところは映画では流れない。心理的な台詞としても出てこない。小説を読んで、はじめて、あの表情や動きの中で彼女が考えているのはこんな事かと知るのだ。それまでは憶測でしかない。小説版のいいところ。
で、だ。
どこに、そんな涙の要素が?と思った方もいるだろう。
いや、もしも『わかるっ!!わかるよっ!!』て人がいたら梅干しと緑茶で一杯やろう。
前回、映画館のときの感想にも書いたが私は人よりモノへの同化が強い心の持ち主である。
草太さんという人は、人の形をしておきながら、閉じ師という仕事上、何処か土地に似た空気を醸す。
すずめはファーストコンタクト(正確にはファーストと言っていいか…は置いといて)で、彼の背負うものの美しさをみているのだ。無意識に。
この先の話の流れを知る者として、私は涙が溢れる。
だって、この話はすずめが成長する話であると同時に、草太さんが人間になる話だと思うのだ。
彼は景色から人になるのだ。
いやいや。草太さんは、はじめっから人で、椅子にされちゃっただけで、人間に戻りたがっていたではないですかと、映画を鑑賞した人や、小説を読んだ人は思ったかもしれない。
私は彼は、すずめと会わなければ、もっともっと早く要石みたいな役割になってたろうなって思うのだ。
彼は人としての人生を何処かで諦めてるような人だと思う。
教員免許をとろうとしてたり、子供相手がうまかったり、人当たりも良さそうだし、どこにでもいる(顔の造形の良さとかは置いといて)夢のある普通の青年のようだけれど、すずめが側にいた数日の心のストックがなきゃ、あっという間に人であったことなんて忘れていたことだろう。
そして、手を伸ばしたりしなかっただろう。
生きたいと願う輝きを、彼は少女から教わったのである。
それは、すずめも一緒。
彼女は生死に関して、どこかドライだったから。
ドライというより言い聞かせて生きてきたというべきかな。
でも、彼女はもらっていたから。もっていたから。
生きたい。
って
願いはね、当たり前じゃないんだよ。
そして、それを見つけられることはとても尊い。
それの理由が同じ形をしていて温かいことは奇跡だよ。
*
私と私達が持ちえないものを、彼は物語の中で手に入れる。
その眩しさと、愛おしさが私と私達に涙させるのだ。
お前はどこ目線なのかと言われそうだが、私はその土地が覚えている声に涙する。
書き留めたいくつかのページも、その後みた映像で涙が零れたシーンも鍵をかける瞬間だ。
人間が移ろいやすい生き物だとは知っている。
忘れ、新しいものへ進みゆく、命の短い生き物だ。
けれど、私達は憶えている。
その営みの愛おしさ。まばゆさ。けして、とってかわれぬ心の重さ。
なれないからこそ、朽ちて尚、憶えている。
忘れられることも含め、それも大事な役目である事を人を見てきた場所は知っている。
私と私達に似ている。
まぁ私は人型なんだけれどね。
*
色々な人を登場人物に重ねてみたりするの。
んー?ちょっと草太さ…いや、少し違うかな。
あの人ならすずめかなーとか、環さんかなとか、千果かなーとか。
観たこと、読んだことのあるあなたは誰に自分は似てると思う?
私は草太さんとダイジンの間かな。
人の形をしている癖にっていわれそうだけど、でもその辺りかな。
すずめみたいな他人が目の前にあらわれたら、なにかわかるのかなぁって、みつかるのかなぁって私はよく妄想しているみたいだけど、あんなに一生懸命になってもらえる気がしないよね。笑
そこら辺はやっぱり二次元かなーって思う。
あなたにはいる?
綺麗で美しい希望より、どんなに辛く悲しい絶望が前にいても一緒に立ち向かいたくなるような、そのほうがずっと魂が光り輝くような、そんなとびきり大切な人。
そういうね、大切な人がいたり、そういう人と出会って成長した人の魂って、涙が溢れるような美しさだよ。
ほんと。すごく綺麗なんだから。それがたとえ、創りものの世界でも。
*
あなたなら
あなたなら何が見えるんだろうか。
すこし聞いてみたい気がした。
私には、切なくも愛おしい命というもの。
人の形であることの意味。
そういうものが感覚的に
降り続ける。
あなたなら。
何時かきけるだろうか。
あなたには手を伸ばしてほしい。
要石を選びそうだからこそ。
鮮やかな世界への渇望が
あなたを包み込んでくれますように。
*
たくさん涙が流れたあとは水分補給をする。
泣きすぎると頭が痛くなる。
私の中に
「私の終わりは誰かの朝焼けだといいな」
というのがあるのだけれど
お日様がのぼってきて
それを眩しそうに見る誰かがいたら
もう私は満足かもしれない。
私自身が満たされているかどうかより
私よりもっと先を歩くその足が
前に踏み出す事が出来る明日があったなら
私の昨日までが忘れられてもいいかもしれない。
そういう気持ちに似た感覚をたくさん生むよなぁって、改めて読み返して、見返した私は思ったのでしたとさ。
今回はこんなもんで。
お付き合いくださり有難うございました。