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星の下の言葉達
温かい店を出て、自転車で帰る。
星がシャリシャリと銀色の光を溢している。
車もそんなに通らない裏道を、私は鼻歌なんかを歌いながら帰る。
そして突然、台詞はやってくる。
誰もいないから小さく小さく声に出す。
「んー……仕方ないなぁ。いいよ。私がさ、その嘘ごと信じてあげるね。あなたが信じたいと思った世界が嘘でもいいよ…私が一緒に騙されてあげる…」
どういうことなんだろうか。
あなたとは誰なんだろうか。
私にだってわからないけれど、私は確かに台詞の通りに、きっと誰かの嘘をそのまま許す事が出来るのだと思う。
自分で自分を騙す人がいて、例えその嘘が嘘だって言ってきても、その人が「本当(だって思い続けたい)」って言うなら「本当(だって信じるよ)」って私は思う。
あとで嘘でしたって言われてもいいよ。ってこと。
信じなきゃならなかった、信じたかった、その心は本物だと思うから。
そういう嘘は、私、騙されてもいいと思ってる。
他の誰が、その嘘を許さなくても、私が許してあげるから、心置きなく本当だって言い張ればいいよ。
そんな事を思う。
その後も、私は一人で頭に湧き上がる台詞をぽつりぽつり。
いくつかの台詞をいったあたりで
「でも、私の邪魔は許さないけど…」
とつぶやく。
口元が笑う。
途端に言葉が声を必要とする。
「でもさ、許す許さない以前に私の力じゃ負けちゃうかもよ?」
「そんなのはずっと前からでしょ」
「仕方ないよ。付き合うしかないんだもん」
「そんなに長くないよ。あっという間」
「星はそういうふうになってる」
「ま、別に地球でどうこうなる必要ないよね」
「どうせ宇宙に戻るのだし」
「でも地球も愛おしいよ」
「今ある時も大切だよ」
「だって、今は、人間だもんねぇ…」
ふぅっと息を深く吐き出す。
冷たい空気が一瞬だけ温かくなる。
すぐに冷たさがやってくる。
「だからさぁ!!」
ペダルにこめる力を少しだけ強めて、星が瞬く濃紺の空を見つめる。
少し先の信号は赤だ。
「ギリギリまでみにいこうよ。何時だってそれでしかないのだから!そうするしかないのだから!」
その後はまるで魔法が解けたように、淡々と自転車をこいで、家につく。
見慣れたアパートの駐輪場へ自転車を入れる。
*******************
という…1場面物語
ってことでいいかな。笑
自転車の上で言葉が降ってくるし、鼻歌は割と歌ってる。
そういうものでしょ!
即席のオリジナルソングとか歌うよ!
ちなみに今日は思わず
「カッか、カボチャ~はオレンジの~カボチャ~」って歌った。
冬至ですね。
あ、冬至ですねとか書いたから今日中にださなきゃになったじゃん!
というわけで。
本日2つ目の記事でした。笑
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