しおむすびにハマっていたらしい
実は、記憶があまりないのだけれど小学校高学年から中学校辺りで私は「しおむすび」にハマっていたらしい。
小学校高学年の時は、やたらとお腹が空いていて、1日3食以上食べていた。
といっても、私の実家のご飯は質素だったんだよね。
以前、何かの記事に書いた記憶があるが実家はどの蛇口からも井戸水が出る家だった。
飲める、美味しいお水の出る家だった。
それで炊いた従姉妹の家の米は美味しかった。
茨城県産のお米はね、美味しいのよ。
米どころの有名品種とまではいかなくとも、さっぱりとしていて、美味しい。
お肉とかお魚とか、油っぽいものや磯臭いものは当時苦手としていた。
食べると気持ち悪くなっちゃってたからね。
だから、野菜やお米の消費量がとんでもなく多かった。量を食べないと体力を賄えなかったのだと今ならわかる。
まぁ、当時は「私の胃袋ブラックホール!」と自分の胃袋にあだ名をつけて、食べる事に爛々としてただけなんだけどね。笑
覚えているのは糸昆布を生姜と醤油で煮付けたやつで食べる白飯とか、白菜の漬物(樽で婆ちゃんが漬けていた)で食べる白飯とか、梅干しと緑茶で食べるお茶漬けとか、ゆかりご飯とか‥‥
白米って最高。
夕飯のあとにご飯(白米と漬物とか)を食べる。
炒飯に白米を足す。
そんなの当たり前だった。
婆ちゃんにはよく叱られたけれど、美味しかった。
で、確か数年前に母親と話した時に
「あんたは塩むすびばっか食べてる時あったよね」と言われたのだった。
私はその時「おいしいからね」と答えたんだっけ?
確かに、薄っすらと、しおむすびを食べていた記憶はあるが‥‥‥
記憶というのは解けていく。
けれど、私は私の事がわかる。
しおむすびは美味しい。
それに簡単。
あと気持ち悪くならない。
なにより、実家の水で炊いた米はうまい。
シンプルに食べるのが一番美味しい。
実家には米びつ付きのキャスターがあって、米には匂い移りがないことも、とても大切。
生米は優しい藁みたいな香りがしていた。
実家は米の保存も上手かったらしいと、一人暮らしをして気がついた。
……結婚して、義理の実家から米を貰った時、家の匂いがモロについていて、どうしても全部は食べられず雀に分け与えたことがある。
スーパーでも香りの強いものの近くに米を置いている店は信用度が落ちるし、その店で米は買わない。
素材が良ければいいわけじゃなくて、素材のことをどう扱うかも大切なんだなって思う。
と、お米に対しては人より少し愛の強い私だからこその「しおむすび」
優しくふんわり握って、パラっと塩をかけて。
握ってすぐ食べる。
飲み物は緑茶がいい。
お米の甘み、塩の塩っぱさ、緑茶の香ばしさ。
あー、私がいる。
記憶は薄くても、しおむすびを考えた時、そこには確かな私がいる。
私は「しおむすびが美味しいね」って感じられる私の事が好きなんだと思う。
だから大切にしていこう。