ユメモ


知らない夢限定の人と付き合うことになった。
すごく好き同士かというと
「好きかはわからないがお互い一緒にいると楽」という感じ。
彼の棲むアパートで私は《忍たま乱太郎》について熱く語っていた。いや、正確には土井先生についてか。
彼はあまり忍たま乱太郎を知らなくて、でも土井先生のことはわかってて
「あんなの誰でも惚れるでしょ」
というので
「そうだよね〜初恋泥棒だよね!戦えばカッコよくて、普段は人情に厚くて……どうやったらあんな風に育つのか、親を見てみたいわ〜」
と答えた。
彼は淡々としていて、表情はあまり動かない。
少し幼い顔付きの人だった。男らしさより中性な感じ。

「ねぇ、1時間位寝ててくれる?」
「その間に私のこと殺す?」
彼に寝ていろと言われたとき、何故か彼が愛読しているサブカル漫画の殺人シーンを思い出す。
綺麗に女を解体する男に彼が重なる気がした。
彼は静かな微笑みのまま、とりあえず寝てて、起きてきちゃ駄目といった。
布団のあるところは半野外みたいになってて、鎖のついた厚めのカーテンみたいのを開けるとすぐ外。
小学生の下校時間らしい。
本当に襲われたら声出せば誰か気がつくかーなんて毛布にくるまりながらおもった。
彼の様子をチラ見する。
どうやら料理を作ってくれている。

その後呼ばれて出てきた料理のクオリティは高く
私、彼女としてやることなくなるやんとなった。
それから私が12/31に何気なく話した(その時はつきあってなかった)創作和菓子を再現してくれていた。

私は言ったことすら忘れていたのに。
大喜びでスマホを撮りにいって
「任せて!きれいに撮る!」と言って撮った。
食べたけど味は薄っすらしかなかったな。

一つはお団子を寒天で包み宝石みたいなカットを施したもの。
あと2つは私が好きな梅をつかったものだった。

ワイワイやっていると彼の歳の離れたお姉さんがやってきてアルミホイルを使うかと聞いてきた。
彼は秋刀魚焼くのに使うといい、布団のことをきかれ「今日、この人(私のこと)泊まるからダブル敷いとく」と話してビックリされる。
彼がアルミホイルを片しに言ってる間にお姉さんに
「女の子が、男の人の家にお泊りするってそれなりの気持ちがある時だと思うんだけど、ちゃんとそう?」
と聞かれた。
私達が友達なこととか、私や彼が淡白なこと知ってるんだと思う。
私はそれに頷いて
「すごく好きかっていうと違うと思うけれど、なんだろ、すごく楽なの。隣にいるとすごくちょうどいい」
と真っ直ぐ答えた。
彼が隣りに来て自然と手を重ねた。
この人、手ちっさいなーとおもった。
彼も
「そう、なんかちょうどいいんだよね」
と言った。
それを聞いて私はさらに
「うん、楽だよね」
と言う。
お姉さんはふむふむと頷いたあと
「これは思ってたより好きだわ。弟のが好きなのかと思ってたけど、あなたのが弟のこと好きだわ」
といった。

そうなのかな?ドキドキしたりしない。ふんわりとした気持ちで隣にいる人を見る。
じわじわと温かい気がする。
キョトンとする私にサッパリした笑顔を向けたお姉さんは階段を上がって上の部屋にいく。
アパートの1階に彼が、2回にお姉さんが住んでるのだ。

階段をあがっていくお姉さんがこちらを振り返りませんようにと、なんとなく思いながら彼の手を握り直したところで目が覚めた。



真夜中、現実の私は腹痛で苦しんでて
少し落ち着いて眠りについて
見た夢がこれ。
心配してくれた方々有難う。私は回復しました!

いや、こう、体に関連した夢じゃないのが不思議で面白いなぁ。引っ張られないね、夢の世界。

知らない彼。
誰なんだろうね。
ま、誰でもないんだろうなぁ。
混ぜ合わせみたいだったもの。

私のこと「あなた」っていうの。
それがなんかとても心地良かった。

ドキドキやワクワクじゃなくて、フワフワした感じ。
あのアパート昔住んでたとこに似てた雰囲気。
私、古いアパートの1階好きだったんだなぁ。
暗くてジメっとしてて。
そういや数年前の職場でのあだ名「キノコちゃん」だったんだよね。
部屋暗いと落ち着く〜じめじめしてるほうがいい〜とか言ってたら課長にキノコちゃんと呼ばれた。
そんなことも思い出す。ユメも。

メモだから詳細に覚えてても端折ってる箇所も沢山ある。
でもそれでいいの。
現実だって全部は覚えてなくて、記憶を適当につなぎ合わせることもあるでしょ?
そんなもんだよ。

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koedananafusi
サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。