海外駐在で子どもの教育環境はどうする?
海外駐在に同行する場合、子どもがいると、気になるのは教育環境ですよね。
わが家も3人の子どもが通う場所を決める必要がありました。
★各家庭の教育方針
★子どもの性格
を踏まえたうえで決める必要があるので、選択肢は無数です。
今回は、わが家の3人の子どもたちがどのように教育環境を整えたかを参考までお伝えします。
小3娘は日本人学校へ
娘はそもそも「友達と別れるのが嫌」と、海外に行くことを肯定していませんでした。
しかし、夫が先に海外に行ったため、離れる期間が長くなると「パパに会いたい」と言うようになりました。
夫が海外に行ってから2か月後、現地の様子を見に行こうと伝え、その時に念のため日本人学校も見学する予定でした。
語学に対して抵抗感のある娘なので、現地の学校に通わせるのはまず無理だろうと思っていたからです。
現地の日本人学校はまさに日本の小学校そのものなので(先生も日本の文科省から派遣されています)、見学により学校に対する不安は払しょくされた模様。
「海外に引っ越してもいいかも」と言ってくれました。
正直、娘が「引っ越してもいい」と言わなければ、子どもを連れて海外に同行することはなかったかもしれません。
娘の性格を考えると、そのくらい慎重になっていました。
娘に日本人学校を選んだ選択は、間違っていなかったと思います。
年中息子は英語幼稚園⇒日本人学校へ
一方、当時年中の息子は、英語幼稚園に通わせることにしました。
日本語の幼稚園もあったのですが、せっかくなら異文化の中で生活させたいという親の思いもあり、人に溶け込むのが得意な息子には、最初の選択としては英語幼稚園を選ぶことにしました。
数校見学し、息子が「ここならいいかも」と選んだ園に入園させました。
ただ、息子は日本で英語を習ったことはなく、全くゼロの状態での入園。
大丈夫だろうかととても不安だったのは確かです。
実際に通わせてみて、どうしても本人に合わなければ、半年で転園させるつもりで、日本語の幼稚園への転園準備はしていました。
幼稚園の先生とは、英語でコミュニケーションを取り、日々息子の様子を聞いていました。
先生たちの献身的なサポートのおかげで、3か月を過ぎたころから息子も英語を発話できるようになり、友達もできたので、そのまま転園することなく卒園となりました。
その後、現地の小学校やインターナショナルスクールへ進むという選択肢もあったのですが、数年後に日本に帰ることもわかっていたのと、息子の日本語力も母語として今のうちからしっかり育てたいという思いもあり、卒園後は日本人学校へ進学しました。
英語は週に1回ネイティブの家庭教師に習っており、会話を中心にレッスンしてもらっています。
元々机に向っての勉強が好きではない息子なので、文法は来るべき時が来たら覚えるのでいいか、くらいのゆる英語のスタンスです。
2歳息子は2歳半から現地幼稚園の現地語クラス⇒年少から英語クラスへ
私たちが住んだ国では2歳から幼稚園の2歳児クラスに通うことができるのですが、2歳児クラスでは言語は現地語だけというルールがあります。
そのため、他に選択肢がなく、現地の幼稚園の現地語クラスに通わせることになりました。
幼稚園の先生とは英語と現地語でコミュニケーションを取りました。
年齢が低ければ低いほど、言語や園生活への抵抗は少ないように感じます。
先生も丁寧にサポートしてくださいましたし、息子もすぐ園に馴染みました。
2歳児クラスが終わった後は、英語クラスを選択したので、現地語は1日1クラスだけになりましたが、それでも年少の間は現地語のほうが息子の中で強かったように感じます。
年中になった後は、いわゆるトリリンガルとして年齢レベルの会話を3言語でするようになりました。
年長で日本へ本帰国となったので、現地語と英語の読み書きレベルはそこまで身に付いていません。
そのため、日本でトリリンガルとしての語学力を維持するにはそれなりの投資が必要だと感じています。
わが家では完璧なトリリンガルは目指していないので、英語をメインに、現地語も私とたまに話す程度でなんとかキープしています。
「Third Culture Kids」のサポートをしっかりと!
わが家では、本人の性格や語学への馴染み具合を見て、最終的に3人3様の教育環境となりました。
子どもたちの中で海外での生活が「楽しかった」記憶として残ることを優先に考えた結果なので、満足しています。
なお、海外駐在に子どもを帯同する場合、ぜひ覚えておいていただきたいのが、「Third Culture Kids(TCK/サードカルチャーキッズ)」という言葉です。
「サードカルチャーキッズ(TCK)」とは、両親の生まれた国の文化を第一文化、現在生活している国の文化を第二文化とし、この二つの文化のはざまで特定の文化に属することなく独自の生活文化を創造していく子どもたち、のこと。 ※出典:『サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち』
「海外に来たから、日本語ではない教育環境へ入れよう」というのは多くの親が考えることですが、当の本人たちは、いきなり言葉の通じない世界に放り込まれて、その中で何とか生きていくための手段として必死に言語と生活習慣を学んでいます。
子どもたちの苦労は、親の想像以上なのです。
もし日本語ではない環境に子どもを送ると決めた場合は、親として、子どもの心理面の万全のサポートはもちろん、学校との協力体制もしっかり整えていきましょうね。