小中学校へのアーティスト派遣事業2[2022.10]
(公財)よんでん文化振興財団が実施する、アーティスト派遣事業として
先日、東みよし市加茂小学校で授業をさせていただきました。
今年度、6月に引き続き2度目の授業でしたが、今回は学校側からのリクエストで、小学校近くにある"加茂の大クス”(国指定 特別天然記念物)をテーマに制作をすることに。
今回も事前に子どもたちにイメージを膨らませてもらえるよう、準備プリントを先にデータでお渡しし配布していただき、当日を迎えました。
昨今図画工作の授業は削減され、2時間連続の時間が取れることは少ないようですが、伺う時はできるだけ2コマ連続で、のびのび制作できる環境(体育館など)を提案しています。45分の授業では下描きを考えているあいだに終わりが近づき、せっかく浮かんだアイデアややる気の炎、みたいなものが消えてしまったりするし、何よりあの小さな机の上で、四つ切り画用紙を広げて絵の具を出すのって窮屈に感じませんか?
はじめに15分ほど、準備してきたかな?難しかった?絵が好きな子?苦手だと思っている子?とコミュニケーションをとりながら、プロジェクターで講義。
伝えたいことをかたちにして伝えるためには準備が必要なこと、そしてそれがあれば誰だって絵は描けること、をお話してから制作に入ります。
プリントでしっかり準備をしてきてくれている子がほとんどだったので、先生たちの助けもかりながらスムーズなスタート。
学校から1人一台PCが配布されるこの時代、すぐに検索もできるし、見たい写真もすぐに出てくる。でも自分で感じて考えること、観察することが先だよ、をなんとか伝えたかった。もちろん画像をみながらの制作を止めることはしません、わたしも使いますから。けれどその前の段階、"一度自分を通す"作業を、この吸収力しかない年代に癖づけておいてほしいなと思います。
普段小さな机の上で作業している子どもたちは、寝そべっても怒られない、飽きたら外の風景見てきてもいいよ、という自由さにリラックスしてぐんぐん仲良くなってくれました。(そのあとの図画工作の授業が大変なことにならなければいいのですが。。そこは申し訳なさがいつも少し残ります、が、ワークショップ形式ということでお許しいただければ。。)
とにかく固定概念から離れること、幹は茶色だけじゃない、葉っぱはみどりだけじゃない、空は何色かな?よく観てみて。自分の気持ちによっても違って見えるし、木の気持ちになってみるのもたのしいね。を何度も声かけしていたら、こんなにカラフルですてきな大クスができてきました!
今回、この作品たちは引き続き図工の授業ですすめて完成させ、校外のコンクールへ出品するそうです。
たった2時間の授業でしたが、心のどこかになにかのきっかけとして、あたらしい視点をもつための種として、芽をだす日がくるといいなと思いながら。美術に携わるものとして、様々な地域の小学校にこうしてお邪魔できたらいいなと思います。
東みよし町立加茂小学校のみなさま、ありがとうございました!
とても雰囲気の良い学校で、きもちのよい1日を過ごさせていただきました。
よんでん文化振興財団によるアーティスト派遣事業は、毎年12月に対象の小中学校へ教育委員会を通して募集があります。徳島で美術の講師は現状わたしだけなので、自動的にわたしが伺います。笑
音楽ももちろんですが、ぜひ、美術に触れる機会をこどもたちに。
学校関係者のみなさま、資料に目を通していただきぜひご応募くださいね!
*年度ごとに地域区分が異なり、2023年度は阿波市、北島、板野、上板、神山、つるぎ、東みよし町、佐那河内村、阿南市、勝浦、上勝、那賀、牟岐、美波、海陽町、が対象です。
詳しくはよんでん文化振興財団のサイトをご覧ください。
https://ycf.or.jp/support.html#tab02