椿宿の辺りに
自己責任というけれど 産まれてこのかた 自分で選べることなんて そう多くはないな と思う。産まれるというそのものも 自分で選んだわけではないし どんな親で どう育てられるか 途中でどんな人に会って 何を覚えていて何を忘れてしまうのか。溢れてくる想いはいったいなにが原因か。すべて 自分で選んだわけじゃない。
この本は 脈々と続く流れを 知らずに産まれた子どもたちと 知っていて願いを託した親たちとの 物語だ。親になると いえないことは多い。何も言わないまま 祈るような気持ちで ただ幸せであるように 静かに願う。託す方も託された方も あとは大きなうねりの中で その時その時を生きている。
そんなことを 静かに静かに深く深く 考えた本だった。
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