読書メモ「実践 地方創生×SDGs 持続可能な地域のつくり方 未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン」
ちょっと発展的なSDGsの本がこちら。前半はデータブック、後半は実践するアイデア帳という構成になっています。この本はいい意味で全体的に白くて、でもカラーで、まるで、ノートの色分けがきれいな友人のノートみたいです。とても見やすくてすっと中身が入ってきました。
実践 地方創生×SDGs
持続可能な地域のつくり方
未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン
筧祐介 著
英治出版
https://www.amazon.co.jp/dp/4862762514/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_U2stEb7JC511D
前半はデータブックなのですが、数字が大好きなのでこれは楽しい。
情報の見え方はグラフの取り方でもちろん変わりますが、非常に興味深いのも確か。棒グラフも面白いのですが、日本の都道府県地図の色分けデータがまた、興味深い。
たとえば、「後期高齢者(75歳以上)の増加率(2015~2030年)」の日本地図。これでみると、関東圏が50%以上とはっきり色でわかります。意外と東北は色が薄くて20%未満が多いんだな、とわかったりと、絵でみるとぱっと情報が入ってきますね。
そして東北はなぜか自殺率が21.5%以上の県が多い。これは関西圏―京都大阪奈良―が15.0%未満と低い。もしかしてなんでも「笑い」に変えようとする気質が関係していたりするのでしょうか。
SDGsの17項目それぞれに複数のデータがぶらさがっているので、この本は手元においてなにかの折に振り返ってみてほしいようなデータブックぶりです。
そして17項目のそれぞれの関係性を矢印で示した負の連鎖構造のループ図。これもわかりやすい。
「経済衰退」「生活困難」「孤立無援化」「教育水準低下」「環境破壊」とテーマごとのループ図になっているので多角的に理解が深まります。
そしてこの本では、それで終わらずに、このループ図の描き方を用いて、改善方法を考える、という地図を描く思考整理法を解説しています。会議や授業などでとても活躍しそうな手法です。
そして後半では実際に実践してみるステップから、対話法、会話法、ワークショップや教育までさまざまに紹介されています。実際にやってみたくなる豊富さとイラストのわかりやすさです。
SDGsについて教育現場で取り上げてみたいと考えている方にはとてもとてもおすすめの本です。SDGsに限らず、ここで取り上げられている手法は新しいアイデアをかんがえたり、みんなでワクワクしながらなにかを作り上げたりいろいろなところで活用できそうです。なんとなくパラパラめくってみるだけでワクワクできる楽しい本でした。
持続可能な地域のつくり方――未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン 筧裕介
https://www.amazon.co.jp/dp/4862762514/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_U2stEb7JC511D
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