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業法❼ 弁済業務保証金 保証協会の仕組み
宅建業を始めるためには「営業保証金」を供託する必要がありますが、
その金額は高額で、開業のハードルになりがちです。
そこで登場するのが「保証協会」という仕組みです。
保証協会に加入すると営業保証金の供託が免除される代わりに、
「弁済業務保証金分担金」を納付することになります。
この記事では、営業保証金との違いを意識しながら、
弁済業務保証金について詳しく解説します!
① 弁済業務保証金とは?
✅ 営業保証金との違いをおさえよう!
営業保証金は自分で供託しますが、
弁済業務保証金は「保証協会」が供託する仕組みになっています。
つまり、宅建業者は保証協会にお金を納め、
そのお金を保証協会がまとめて供託所に預けるのです。
✅ 宅建業者が保証協会に納めるお金(分担金)
• 本店:60万円
• 支店:30万円 × 支店の数
例
本店1つ+支店3つの業者は、
60万円+(30万円×3)=150万円
✅ 弁済業務保証金の供託手続き
1. 宅建業者 → 保証協会 に分担金を納付
2. 保証協会 → 供託所 に供託(分担金と同額)
3. 保証協会 → 免許権者(都道府県知事 or 国土交通大臣) に届出
② 事務所を新設した場合の対応
新たに事務所を設置した場合、
設置後 2週間以内 に追加の弁済業務保証金分担金を
保証協会へ納付しなければなりません。
📌設置とは、賃貸契約を結ぶとか、看板を設置するとか。
新たに設置=営業開始ではないので注意。
✅ 納付しないと「社員の地位」を失うので注意!
③ 弁済業務保証金の還付(お金を返してもらう制度)
宅建業者と取引した消費者は、取引の結果生じた損害について
弁済業務保証金から還付を受けることができます。
ただし! 還付には「保証協会の認証」が必要です。
✅ 還付請求の流れ
1. 消費者 → 保証協会に認証請求
(この取引に問題があったと認めてもらう)
2. 保証協会が認証 したら、消費者は供託所に還付請求
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還付額は その宅建業者が仮に
「営業保証金を供託していた場合の金額」まで となります。
(例)営業保証金を供託するなら3,500万円必要な業者Aと取引した消費者は、最大3,500万円まで還付を受けられる。
📌社員になっていなかったら供託しているはずだった金額!
④ 還付による不足分の補充
還付が行われると供託所の弁済業務保証金が減るため、
次のような手順で補充を行います。
1. 国土交通大臣 → 保証協会 に「お金が足りない」と通知
2. 保証協会 → 供託所 に追加供託(通知後2週間以内)
3. 保証協会 → 宅建業者 に追加分担金の請求
4. 宅建業者 → 保証協会 に分担金を納付(通知後2週間以内)
✅ もし納付しなかったら「社員の地位を失う」!
⑤ 弁済業務保証金準備金とは?
還付によってお金が足りなくなった場合に備え、
保証協会は「弁済業務保証金準備金」という積立金を用意しています。
それでも不足した場合は、全宅建業者から
「特別弁済業務保証金分担金」を徴収します。
✅ 納付しないと「社員の地位を失う」ので要注意!
⑥ 社員の地位を失った場合の対応
✅ 宅建業を続けたい場合
1週間以内に 営業保証金を供託し、
免許権者に届出 しなければなりません。
✅ 対応しないと業務停止処分を受ける可能性あり!
⑦ 弁済業務保証金の取戻し
✅ 取り戻しができる場合
1. 社員でなくなった場合(6カ月以上の公告後に取り戻し可能)
2. 一部の事務所を廃止した場合(公告不要で即時取り戻し可能)
✅ 営業保証金は公告が必要だが、弁済業務保証金は公告不要!
⑧ 保証協会の業務
保証協会には 必ず行う業務(必須業務) と
必要に応じて行う業務(任意業務) があります。
✅ 【必須業務】
1. 苦情の解決
2. 宅建業に関する研修
3. 弁済業務
✅ 【任意業務】(国土交通大臣の承認が必要)
1. 一般保証業務(追加の保証サービス)
2. 手付金等保管事業(手付金の安全管理)
3. 研修実施の助成業務(研修費用の支援)
4. 宅建業の健全な発達に必要な業務
【弁済業務補償金!重要ポイント穴埋め問題】
次の( )に当てはまる言葉を答えましょう!
① 弁済業務保証金とは?
1. 弁済業務保証金は、( )が宅建業者から集めた分担金を( )に供託する制度である。
2. 弁済業務保証金の還付を受けるには、まず( )の認証が必要である。
② 弁済業務保証金の供託手続き
3. 宅建業者は( )に分担金を納付し、保証協会が( )に供託する。
4. 保証協会は供託後、( )に届出をする。
③ 不足分の補充
5. 還付によって不足した場合、まず( )が保証協会に通知をする。
6. 保証協会は通知を受けて( )以内に供託をし、宅建業者に通知を行う。
④ 保証協会の業務
7. 保証協会が必ず行わなければならない業務には、( )、宅建業に関する研修、弁済業務がある。
8. 保証協会が国土交通大臣の承認を得て実施できる任意業務の一つに( )がある。
【解答】
1. 保証協会 / 供託所
2. 保証協会
3. 保証協会 / 供託所
4. 免許権者
5. 国土交通大臣
6. 2週間
7. 苦情の解決
8. 手付金等保管事業
【注意事項】
当ブログは、宅建試験の学習をサポートすることを目的としたものであり、法律や実務に関する正式な助言を提供するものではありません。掲載内容には十分注意を払っていますが、正確性や最新の情報を保証するものではなく、万が一内容に誤りがあった場合でも、一切の責任を負いかねます。最終的な判断や詳細な確認は、必ず公式の法令や専門家のアドバイスに基づいて行ってください。
おまけ🧡ななちの疑問
試験には出ない内容ですが、過去、私が勉強中に不透明に感じた部分なので、今回調べて理解度が高まりましたので共有します!
余裕のある方は読んでみてください。
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地位を失ってから1週間以外に営業保証金(本店だけなら1000万円)を供託しなきゃいけないのは分かったけど、
一旦門前払いを受けたら、もう戻れないのかな?
と気になり、調べてみました。
📌理論的には、再び社員になることは可能 みたいです。
✅営業再開のために最低限必要なこと
・営業保証金の供託:営業を再開するためには、営業保証金を供託する必要があります。これを行わないと、営業活動はできません。
・保証協会への再加入(再加入の場合):もし再加入する場合は、営業保証金を供託した上で、保証協会への分担金を納付する必要があります。この再加入の手続きを経ることで、保証協会の社員として営業ができるようになります。
✅ただし、社員の地位を失った理由によっては
再加入が難しくなることがあります。
• 以前の滞納や不誠実な対応 などが問題視されると、保証協会側が加入を拒否する可能性も。(そりゃそうだ。だから地位失ったんだもんね笑)
• 弁済業務保証金分担金は再納付が必要! (前回納めた分は戻ってこないため、新たに支払うことになる)
つまり、ルール上は再加入できるものの、
以前の状況次第では保証協会が入会を認めないケースもあり得る ということですね。
やっぱり営業保証金を供託できるくらいなら、無理に保証協会に再加入する必要は通常ないみたいですね。
では、もし再開後に支店を増やす予定がある場合、
かなり高額になる時には保証協会に再加入したほうがメリットがあるのでは?と考えました。(支店1=営業保証金:500万、保証協会:30万)
📌支店を増やす予定なら、再加入のメリットあり!
• 現状の支店数で営業保証金を供託する場合、保証協会に再加入するメリットは少ないかもしれません。
• 今後支店を増やす予定がある場合は、保証協会に加入することで営業保証金の供託を免除されるため、負担を軽減できます。
まとめると、通常は再加入のメリットはあまりなさそうです。
営業保証金は絶対払わなくてはいけない為です。
おそらく、イレギュラーな知識は省いた結果、
営業再開したければ→地位を失った日から1週間以内に営業保証金を供託しなければならない
ということだけテキストに載っているんだな、ということがわかりました。
勉強時間に余裕がある方は、疑問に思った点はとことん調べていくと、
知らぬ間に基本知識は刷り込まれてモノになっているので、暗記が苦手な方におすすめです!
時間が限られている方は、深掘りせずに毎日淡々と進めていきましょう!
本日もお疲れ様でした!!