ぼくの名まえはハチ
ぼくの名まえはハチ。
秋田いぬ。そう、あの忠犬ハチ公とおんなじだよ。
ぼくはきみが生まれる前からお父さんとお母さんと暮らしているんだ。
だからきみよりすこしお兄ちゃん。
きみは小さい頃、あまりぼくにきょうみは無かったね?
にこにこしているけれど、あまりぬいぐるみとは遊ばない子だった。
おしゃべりもゆっくりだったし、急に小さなおとうともできたから困ることも多かったのかな。
大きな声で泣いたり、暴れたりしたのを覚えているよ。
お母さんもどうしたらいいのかわからなくて、いっしょに泣いていたよね。
ぼくはずっと、きみとかぞくを見てきたよ。
君がぼくのことを好きになってくれたのはいつだろう。
3さい?4さい?忘れちゃったね。
お母さんがぼくを使ってきみに『ぼくはハチ!きみの友だち^^』と話しかけたのが始まりかな。
それからぼくはきみの友だちになったんだ♪
上野動物園のパンダのおやこ、美ら海水族館のマナティ。
お母さんが若い頃福岡に住んでいた時さみしすぎて買ったスヌーピー。
みんなの存在に気づいたきみは、みんなと友達になった。
よかったなって思う。
きみのお話することをぜんぶはわかってあげられてないかも知れないけれど、
ぼくたちはみんな、きみのみかた。
きみの友だち。
たのしかった日も、かなしかった日もうれしい日もうまくいかなかった日も、
だいじょうぶだよって伝えるよ。
ぼくたちはふだん、テレビの前のソファーに居るよ。
テレビを見る時はいっしょだね。
きみはいつからか、ぼくたちといっしょに眠るようになったね。
お父さんは出張が多くて、どうしても寂しくて泣いてしまってたときに
お母さんが『ハチと一緒に眠る?それなら寂しくないでしょう』って言ったんだよね。
それからぼくは君といっしょに眠ることになった。
しばらくしたらパンダもマナティもスヌーピーもいっしょに眠るようになった。
パンダの子どもだけは、きみのおとうとといっしょに。
みんないっしょだから、さみしくないね。
きみはこれからもっともっと大きくなる。
きっといつかぼくたちを布団に連れていかなくてもねむれるようになる。
お外でおともだちができたら、ぼくたちのことは忘れてしまうかも知れない。
そしたらいつかぼくたちは押入れのカラーボックスの中にしまわれてしまうのかも知れない・・・。
そう考えたらかなしくなってしまうけど、
ぼくたちはきっとこのおうちを出ることはない
ぼくたちは小さい君たちのともだちだったことをお母さんが覚えているから。
お母さんはぼくたちがかわいくて、てばなせないと思う。
押入れにだってしまえないかも知れない。
小さな君たちが、ぼくたちを抱っこして笑っていた日をいつまでもおぼえていたいから。
お母さんもぬいぐるみが好きだから、これ以上は増やしたくないんだって。
お別れするのがつらいから。
ぼくたちがおうちを出る時は、もしかしたらお母さんがお空に還るときなのかもしれないね。
でも、もしきみたちに小さな子供が生まれたら?
お風呂に入ってめちゃくちゃ除菌してもらうから、きっとぼくたちにもあかちゃんを紹介してね。
きみたちの子どもは、ぼくらのともだち。
きみたちがおとなになっても、ぼくらはともだち。
ずっとずっと、だいすき。
いつもありがとう。
泣きながら書きました。笑
家にいる秋田犬のハチの目線で書きました。
ぬいぐるみは好きなのですが、いつか手放すことを考えると泣いちゃうので
増やしたくないんですよね。。。
本日は書く部のお題、【なりきって書いてみよう】に挑戦しました。
今日も読んでくださって感謝です🏝️