ブラックミストNo.1はいいぞ
こんにちは、Tetsu.Iです。
今回はKenkoさんのソフトフィルタ「ブラックミストNo.1」というフィルターについて。
独特な味を出してくれるフィルター、作風によってはこれ以上ない効果を生み出してくれます。ちょっと長くなりますが、個人的な解釈を記していきたいと思います。
そもそもブラックミストNo.1って?
これに関しては私が説明するよりメーカーさんの宣伝を見ていただいた方がわかりやすいので以下に抜粋させていただきます。
“テレビや映画の世界で使われていた「ブラックミスト」フィルターを写真用に転用したもの。光の回折により、ハイライト部とシャドー部のコントラストを弱め、くせのないソフト効果をつくります。非常に微細な黒い拡散材を光学ガラスに内包したフィルターです。
他のソフトフィルターは画面を白っぽくしてしまうのに対し、ブラックミストは画面を白っぽくしません。そのため、黒バックでの撮影や、暗い背景での撮影にも向いています。
絞りを絞り込んでもソフト効果があり、ズームやマクロなどでもフィルターをつけるだけでソフト効果を得ることができます。”
(メーカー(Kenkoさん)ホームページより抜粋)
Twitterの風景・ポートレート写真上げる界隈で一時期流行ったフィルターで、インフルエンサーがいろいろな作風を上げて触発されたカメラクラスタがAmazonに群がり、入手困難に陥って値段がかなり高騰したこともあったようです。
中でもソフト効果とローコントラストの特徴からポートレートに向いているとあり、その界隈のカメラクラスタがこぞってブラックミストNo.1を使った写真をアップしていた時期もありました。
つまり、私のようなローキーでローコントラスト、映画のワンシーンのような写真を撮りたい人に向いているフィルターなんじゃないか...?という解釈。
ドールさん撮る時でも何気ないスナップでも使い道がありそうだったので、在庫が落ち着いた時にサクッと購入しました。
これを書いてる2020年8月時点では...amazonは出てこないサイズが少々あるようです。またどこかの誰かが発信したんでしょうかね。
私は当時XF35mmf1.4の描写に惚れまくっていたので、このレンズ径(52mm)に合うフィルタを購入しました。なので、作例は35mmの写真ばかりになります。
上記のスナップはあえて光を直接フレーム内に入れて、露出を0.6位上げて現像しています。白っぽく...なってる?
◯ブツ撮りで使ってみる
ポートレートに合うフィルタってことは、ドール撮影に使ってみなきゃでしょ。
実際私が使っている中でお勧めできるポイントがあって。
それは“半逆光〜側光”で光が当たる場合のふわっとした描写と光の滲み方。
半逆光からの1枚。カメラからの撮って出しです。
ド解放かつ16Mセンサー機(X-T1)で撮ってるので、ピントがかなり怪しいですが、何というか...空気感みたいなモノを纏えるんですよね。こいつ。
冬の低い陽の入り方もあって独特な眩しい光の感じが表現できていると思います。
側光からの1枚。これも撮って出し。
顔部分が適正露出になるよう明度のみ調整しています。
ブラックミストNo.1をつけることでコントラストが弱まり、内包している微粒子のせいか髪のハイライト部分が光で滲んで飛んでしまっています。
でもこのやわらかい光の滲み方、とてもいい感じじゃありませんか?
これも撮って出し。2時くらいの方向から光が差している状態ですが、髪の毛のふんわり感、光の纏い方、結構好きな感じになりました。
今までブラックミストNo.1を使った中でこの写真が一番のお気に入りなんですが、現像で行ったことは彩度の調整くらいで他はあまり弄っていません。
これだけを見るに、このフィルターを使用すると光を滲ませて被写体に纏わせるフィルタなのかなっていうふうに私は解釈しました。
なるほど、確かにポートレートには相性いいんでしょうね。
ちなみに曇りの屋内で撮った写真は、単純に光量が足らなくなるせいかISO値が上がりまくってました。使えなくはないですが、絞れない・ジャギる・SS上げれないのうちどれかに陥るので、使うなら三脚があった方がいいかも。
◯街中で使ってみる
ここからは路上スナップを。
日中・屋外での使用に関しては、やはりなんかこう...ふわっと感出ますね。
冬の時期に持ち出したので、低い陽の光と相まって全体的に光が回ってる感じ。
XF35mm自体が結構コントラスト高めでしっかり目の解像をしてくれるレンズなので、まるっきりキャラが違って見えます。
ただ、やはり黒い微粒子入りフィルターなので、露出はそこそこ落ちます。
あと使ってるカメラ・レンズの問題もあるんですが、AFがだいぶ遅くなります。位相差AFが効かなくなり、コントラストAFでうんうん唸ってる感じ。
ただでさえ解放値だとピントが薄いのに、フィルタを噛ませてる上に光が滲むので合焦しにくいんでしょうね。
ストリート写真は速写性が命だったりするので、AFに頼りきりの私には少しばかりやりにくい...。
草花のスナップには合うと思います。
滲む光と合わせて幻想的な写真に仕上げたい時にはとても活躍してくれるでしょう。
ただ、上の写真はだいぶ補正をかけていますが、いわゆる逆光で光源を直接入れてしまうと右上のような広範囲な白飛びが発生、コントラストもかなり落ち、特にシャドーの浮きが顕著に見られます。
ブツ撮り項目で逆光をおすすめしなかったのは上の理由からです。
正直な話よほどのことがない限り、この条件時は避けた方が無難かと思います。
光を拡散させてソフト効果をもたらすっていう特徴があるので、やはり日中よりは朝方や夕刻の方が向いてますね。
そもそもの光の入り方もあって美しい時間がさらにふわっとした世界へ。
絞って使うよりは解放で使う方がいいように感じます。
反射光でもいい滲み方をするので、夕方頃のスナップはとても楽しいですね。
なんでもないスナップ写真のはずが、なんか雰囲気良くなるので「光のマジック」的な幻想郷を追い求める方にはいいかも。
今度は夜間。
人工光が滲んで周りに拡散しまくってます。
この効果のおかげで街中で撮ると、人工光がド近眼の人みたいに滲むせいで「多重露光でもやってんのかな」と思わせることができる幻想的な街中スナップに。
ただ夜間はもともと光量が少ないため、簡単にISOが上がりますので少しでも画質を上げたければセンサーの大きいカメラか三脚でも使いましょう。
いかがだったでしょうか。
表現したい方向性が合致すれば、いいアクセントになると思います。
いつもの写真に飽きてしまった方には、いい刺激になるかもしれません。
このnoteがあなたの参考になれれば嬉しく思います。
では、また。
Tetsu.I