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素人が小さなお菓子屋をやるための戦略

お菓子屋さんになりたい、お菓子売ってみたいけど勇気が出ない、
始めてみたけどなかなか売上が伸びない、
集客や接客が難しいと思ってる方に、お菓子作り以外の売れるための視点をお伝えできたらと思います。

どれだけお菓子作りを練習して上手くなっても
売れるかどうかは全然、別問題。

私は、製菓学校も出てないしケーキ屋さんで働いたこともない素人ですが、見よう見まねで焼き菓子屋をはじめました。(自宅玄関にて約5年間、現在はレンタルキッチンに)

引っ込み思案でコミュ障ですが、インスタ発信のみでだんだんコアなファンがつき、お客さんの並ぶ列ができるようになり、ほぼ常連さんのリピートで成り立ってました。

毎日営業ではなくて、月3回ほどの不定期営業。
好きな時に店を開けて、やりたくない時は1か月休んだり、
マルシェには数か月に1回出る程度。
そんな自由で気まぐれなお菓子屋でしたが、

一番最初は、1~2万の売上からはじまって、一年くらいは試行錯誤を繰り返しながら、だんだん認知されて、早く完売する日が増えていきました。
そのうち、一日で4~5万売れるようになり、作る量をだんだん増やして
多い時では一日で10万円売り上げました。
マルシェでは2日間で最高15万売上

お客さんのファン化ができると本当にラクです。こっちから売り込まなくても買ってくれるし勝手に口コミで広めてくれます。おまけに、コアなファンは、クレーマーにもなりません。

今はもうプロとアマの垣根もなく、資格とか経歴とか関係なく、何でもやったもん勝ちです。むしろ素人にファンがつく時代。
お菓子屋さんになりたい人、早くやっちゃいなよ。と言いたい

会社で働けない私が、自分のやり方で、マイペースに一人で働きたくて、そのために集めた浅知恵ですが、少しは誰かの参考になればと思います。

素人なりに、どうすれば人気店のようになれるのか?研究・分析してきました。

それでは、ここから
素人が小さなお菓子屋をやるための戦略について!

私がやっていたことを解説したいと思います



成功者の真似をする

当時人気だったお店で気になるところには、あちこち足を運んで実際に見て買って食べて研究しました。

とにかく成功しているお店のやり方を真似してみる。
趣味でお菓子作りはしてきたけど、売ることに関しては素人なので、すでに上手くいっている人の真似から入るのが、いちばんの近道!

売り方、並べ方、パッケージ、価格、商品ラインナップ、発信の仕方、等…お客さん目線でどこにワクワクするのか、なぜ買いたくなるのかを分析することが大事!

プロのレシピなども、パクれるところは積極的にパクる
レシピはほんの少しだけアレンジして自分流に
極端にいじりすぎない(材料の増減は10%くらいにとどめる)
素人の自己流レシピは事故るので注意!w
毎回安定して作れるものが大事

とにもかくにも発信

お店を始める前からファン作りは始まっています
準備段階からどんどん発信しよう
試作したお菓子や、悩みや試行錯誤、準備中の様子、お菓子にかける想いなど語るとよし。人の成長過程をみると、応援したくなるものです
コツコツ発信したものは、資産になりますし、信頼にもつながります

販売を始めてからも、
告知と当日のお知らせは必須


ブランディングを徹底する

(どう見られたいのか→どう見せるか)

イメージ戦略ともいうかな
私がやったのは…
良い材料にこだわって高級なイメージ
体にやさしい無添加で安心のイメージ
いつも人気ですぐ売り切れるイメージ
英国の可愛いお菓子屋でワクワクする空間
あたたかく優しい人たちが集まるイメージ

そこに持っていくための発信や売り方をしました
どんなお店にしたいのか、
どう見られたいのかを明確にして、そのためにどう見せるかを考える
理想の世界観を創り出していく
雰囲気づくりをしていく

売れるためのSNS戦略、写真が命!

売れるかどうかの戦略はSNSからはじまっています

ここで素人のダサいイメージがつくだけで、お客さんの買う候補に入りません、第一審査落ちですw

残念ながら、見た目が命です
中身も大事なのはもちろんですが

Instagramをパッとみて何のお店かよくわらかないと、何をやってるのかよく分からないイメージがそのまま印象に残ります。第一印象の顔に特徴がないのと一緒ですw
そのくらい、プロフィールは大事な顔です(後述)

美味しそう、食べたい、買いたい、と思わせる写真
余計なものを入れすぎない

あくまでお菓子が主役
お菓子を輝かせてください(アップの写真よいです。断面とかも)

写真の雰囲気、世界観を統一する
生活感はNG

スマホなら明るさ補正するか、アプリ加工を使う(Foodieおすすめ)

センスのいい売れてる人気店のインスタをいくつか見て、
そのまま写真の撮り方マネしてください
スマホで十分できる
研究するべし!
いくつも見てたら、なんとなく要素が分かってきます
得意な人かプロに撮ってもらうのも◎

見ていて分かるのが、Instagramの見た目がイマイチな人は
商品のディスプレイもイマイチ

見せ方に重きを置いていないし、重要だと感じていないのでしょう
コミュ力のある人はそれでも売れるかもしれないけど…

もったいない!! と、いつも見ていて思います
素敵なものを作ってるのに!!
その良さ伝わってないよーーー

正直、味は美味しくないのに
見せ方をちゃんとやってる会社なんかは売れてたりします…トホホ

CMやファミレスのメニューなんかそうですよね、とっても豪華にキラキラ見せて買わせる、けど実際出てきたら、こんなもんか…みたいなw

でもそのくらい夢を見させる写真や並べ方が、売れる最初の動線ってこと
パッと見で良い印象を与えられるか

Instagramはメニュー表だと思って、
写真、こだわりましょう!


強気の値段でOK

「このくらいもらえたら、うれしいな」という値段をつけてよい

値段が高いと売れないんじゃないかと不安、
安い方が売れるかなと思って、価格を安くしすぎてしまうのが素人の陥りやすいところですが、

あまり安すぎるとそのお菓子まで安っぽく見えてしまいます。。。
より素人感を演出してしまって、
そのくらいの価値しかありませんよ、と自分から言ってるようなもんです。

自信持ってブランド価値を付けていきましょう。利益がないと続いていきません

私は季節商品以外は、原価率15%くらいでやってました。利益の取りやすい商品からはしっかり取る。イベント商材は多少あそんでよし♪

そもそも焼き菓子は利益がとりやすいと思います
私がやってたのは、飾りはほとんどしないし、高価なフルーツも使わない、バターも生クリームも使わない、普通の焼き菓子よりさらに原価がかからないものでした

ある程度、高値でも売れるためには
見せ方が超大事です!
高級感、独自のこだわり、レア感を出していきましょう

★希少価値、付加価値を考えてみよう
自分が「素敵だなぁ、値段が高くてもいいから買いたい!」と思うお店の魅力を書き出して、参考にしてみてください

コンセプトが超大事!ひと言で表す!

自分のカラーを明確に
唯一無二を目指すと良き

お店のコンセプト、キャッチコピーは簡潔に分かりやすく!
Instagramや看板、ショップカードなどのプロフィールは、お店をひと言で表す!

覚えやすい、印象に残りやすいもの

わたしの場合は、”バターを使わない焼き菓子”
というキャッチコピーをつけました

本来日持ちするバターの焼き菓子ですが、
バターを使わない、手作り無添加、
なので敢えて日持ちしませんスタイル→すぐ食べてもらいたいので簡易包装(ラッピング代と包む時間も省ける)

"バターを使わない焼き菓子"という周りにはない、ここでしか買えないお菓子のポジションを取った。(ビーガンや米粉もやりたかったが田舎ではまだ認知が低くとっつきにくいイメージだったのでやめた)

いろいろ悩んだし、材料についてなど書きたいこだわりはいっぱいあったけど、コンセプトをこれに絞った。

ごちゃごちゃ長々と書きたくなるところを絞れるだけ絞って、
分かりやすくイメージづけをすること。
「ここは○○の店ね」とお客さんに覚えてもらいやすくする→口コミされる時にこのワードが広がっていく

お客さんに聞かれた時にいろいろ説明はすればいいし、こだわりや想いは日々のSNS投稿で綴ってください。

何をやりたいのか、何を大切にしているのか、どんなお店なのか
パッと見で分かりやすく伝えるというのは、思いやりでもあるかと思います

売る時もすべての見た目にこだわれ!

あらゆるものをシンプルに統一する

高級感、こだわったお店感を出すために、飾りは最小限
包装は、透明の袋にショップのロゴシールでシンプルがよき
柄のついたラッピング袋は安っぽくみえる(素人感)

手提げ紙袋は清潔感のある白にお店のロゴスタンプ
プライスカードもシンプルな書き方で統一(字体は明朝体だと高級感)
全体をシンプルにすることで、高級感もでるしお菓子とロゴが生きてくる

マルシェ出店時も白い布を敷いて、明るく清潔感と高級感
他の小物の差し色も、白・ナチュラル色・黒くらいにとどめる
お菓子と看板が際立つようにする!

ディスプレイも売れてる人気店・センスのいい店を見てとにかく真似してみる
白やナチュラル色で統一させるのはおすすめ
足し算よりも引き算の意識

当店ならではの強みを持つ(個性)

よそにはない、こだわり・個性・らしさを強調!
ここでしか買えない、とか◯曜日しか買えない、とか◯個しか作らない、などのレア感を演出していく

私は最初、金曜日しか開かないお菓子屋さん、売り切れ次第終わり、でやっていました。(それでもキツかったので、だんだん営業日は減らしましたがw)

たまにしか開かない上に、早々に完売する事が続いたので、だんだんと開店時間にお客さんが並び始めるようになりました。
たまにしか開けれない体力だったことが、お店のレア感を演出することにつながっていきました。(弱みは強みになる)

お客さんは限定に弱い
なかなか買えないと余計に欲しくなるもの→競争率が上がり→わざわざ並んでも欲しい、となる
薄利多売で毎日お店を開けるより、
たまに販売する方がまとめて作れるし、お客さんも集中して来るためロスも少なく、体力的にもコスパが良い

今はそういうお店がかなり増えましたが、当時は珍しかったので話題性もあったと思います。そこにしかない魅力や面白さを人は求めているのかもしれません。

まだ誰もやっていない斬新なやり方を狙うのもアリかも、一度今までの常識や概念を疑ってみては?誰かに何か言われても、あなたがGOと思うならGOです

こうしたい、これはイヤ、という自分の欲に忠実に正直になるだけで、あなただけのオリジナリティーになる

しかもそれは、ラクで楽しい
苦手やイヤな分野は手放す、こだわりたい所にとことんこだわる
そうすればクオリティーも上がるし、疲れにくいし機嫌も良くなって雰囲気も良くなる
何より自分が楽しいとそれがお客さんに伝わって繁盛していきます

経験談…体力がなく朝が弱い上に集団行動が苦手な私は、知人のマルシェに出店した時、グループLINEに入りたくない、みんなより遅く来て昼から販売していい、売れたら帰っていいという許可をもらい…結果としてそれが行列を作るキッカケとなりました、、、遅刻していって行列作って一気に売ってしまってさっさと帰る、が許されました…笑。むしろ列ができてマルシェも盛り上がるからヨシみたいな。ワガママは言ってみるもんです

疲れすぎは× 割に合わないタスクは手放す
できないことはできないでよい
無理して作りすぎない
苦手な何かを手放す勇気も必要


メインメニューも得意分野に絞るとなお、専門性が出てよいし原価も絞れる

〇〇専門店が多いのは、材料費・作業効率・人件費・PR効果、すべてにおいてコスパが良いから
(材料の種類を絞れるため原価が抑えられる、いっぺんにまとめて仕込めるので効率がいい、作業工程が少ないと人にも頼みやすい、専門店という信頼感が植え付けられるのと、何の店か覚えてもらいやすい)

よりオリジナルの専門店にするには…
好き×得意分野
嫌い×︎得意分野
得意×︎得意
独自の売り方×得意 などで尖りを出す!

例えば…
オーガニックスパイスケーキ専門店
甘くないマフィン専門店
オーダーメイドの似顔絵ケーキ
ワンちゃん専用ケーキ屋さん
月1販売の米粉スコーン専門店
夜しか開かないアップルパイ屋

わたしの場合、バターが苦手、生クリーム嫌い、飾りやデコレーション苦手、焼きっぱなしの素朴な焼き菓子が得意→バターを使わない焼き菓子
結果的に、同じ思いをしたバターや生クリーム苦手なお客さんたちが集まってきてくれました。

あなたの好き嫌いを、自信もって堂々と出していきましょう
万人受けを狙うと誰にも響かないし覚えてもらえません

知ってもらうまでに多少時間はかかっても、土台のブランディングがしっかりしていればファンがついてくるし、実績も信頼も着実に積み上がっていく

美味しいのは大前提、当たり前の話で
どこに行っても美味しいものは手に入る

これだけたくさんのお店が溢れる現代に、求められるのは、
その人の思いや個性

あなたの想い、こだわり、好き、嫌い、出してますか?
どこにでも売ってるコンビニのお菓子なら覚えてもらえない

あなたから買いたい
〇〇さんのアレが欲しい
と言われる人になろう


ということで…
お菓子屋さんの、やり方はパクれるところはパクって
見せ方にこだわる、独自路線のポジション取りを

わがままで自分勝手なのに愛される、
そんな唯一無二の自分ブランドを作りましょう

自分が楽しくやれることが一番大事です
こんなお店あったら最高だな、面白いなと自分がニヤニヤしちゃうようなお店作りをしてください。それいいね!と言ってくれる人たちが必ずいます

いろんな個性あふれるお店が増えるのを楽しみにしています


最後に簡単にですが、開業に向けてのやることリスト、まとめておきます

〜小さなお菓子屋さんのはじめ方〜

  • 屋号・コンセプト決め
    分かりやすく伝わるキャッチコピー
    プロフィールはシンプル簡潔に

  • コツコツSNS発信
    Instagramのアカウントを作る
    試作などの試行錯誤も載せてよい
    開業に向けて準備中の投稿も◎応援したくなる
    すでにファン作り、集客は始まってる
    自分の想いやこだわりなども日々載せていく

  • ショップロゴ作り
    自分に合いそうなデザイナーに依頼
    知人にいない場合はインスタやココナラなどで探す

  • メイン商品を決めていく
    ある程度絞ってよき

  • 製造場所を決める
    レンタルキッチンや間借り店舗を探す、物件を借りる
    製造場所を自宅に作る、新たに建てる、コンテナを買う借りる、等

  • 販売方法を決める
    店舗、マルシェ、委託販売、ネット通販、等

  • 包装の仕方を決める
    柄のついたラッピング袋は安っぽくみえる(素人感)   透明の袋にショップのロゴシールでシンプルがよき

  • 販売価格を決める
    仕入先を決め、原価計算

  • 食品表示ラベル作成

  • 販売時に必要なものを揃える
    ディスプレイに使うもの(布・食器・カゴなど)
    売れたお菓子を入れる袋、プライスカード、看板、釣り銭、など     ロゴシールやロゴスタンプ、ショップカードなど作るとなおよい

  • 食品衛生責任者の資格は取っておく(並行して、忙しくなる前に早めに)

  • 菓子製造許可の取得(製造場所を作る場合は保健所に相談しながら)

  • 開業届を出す

下手な文章ですが
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


佐賀県みやき町でレンタルお菓子屋やっています。
個別コンサルもお受けしています。
https://coubic.com/nanano-okashiya

nana


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