野草食日記 131 秋・牛蒡と蒟蒻、セイタカアワダチソウの白和え
私が住んでいる谷戸は風の抜けが良いらしく、今までどんな台風でも被害を受けたことがないと、昔から住む近所の方が話してくれたのですが、そんなこんなで台風15号が過ぎ去った朝、そんなに大したことなかったね、と家族とも話していました。
ところが、鎌倉でもあちらこちらで倒木の被害を目の当たりにしたり、ハイキングコースが閉鎖と聞いて、自分の感じた今回の雨風のイメージと現実とのギャップに戸惑いを感じたものです。
3日前、台風の後に初めて裏山に登ってみました。
坂道の途中や山の遊歩道では木や竹が倒れていて、跨いだりくぐったり。
6月に真竹を採らせてもらった道は倒木が激しく、完全閉鎖状態。
これを復旧させるにはいったいどれだけの時間がかかるのでしょうか。
山の広場は、まるで何事もなかったかのようでした。
セイタカアワダチソウが風でなぎ倒されることもなく、まっすぐに伸び、蕾をつけ始めています。
花が咲く前のセイタカアワダチソウはエネルギーがたっぷりで、入浴剤にすると効果抜群と聞いたことがあります。
蕾をつけたものも少しお風呂用に採取しつつ、食用の葉っぱも摘み取ってきました。
この夏はセイタカアワダチソウで、白和えを散々作りました。
うだるような暑さの中で食べる苦みばしったセイタカアワダチソウの白和えは、身体をシャキッとさせてくれます。
でも、秋の風を感じるようになると、不思議とこっくりした味が恋しくなり、牛蒡と蒟蒻を醤油、砂糖、酒、味醂で甘辛に煮たものと一緒に豆腐衣で和えてみました。
夏はアワダチソウがメイン、秋は牛蒡、蒟蒻がメインでキク科の香りをアクセントにする感じと言ったら良いでしょうか。
美味しかった、けれど、苦いものは何故か暑さの中で食べた方がより美味しく感じるのは私だけかな?!
「暑かったけど、短かったよね、夏」
過ぎ去った夏の思い出を懐かしいような、少し寂しいような気持ちで振り返る気持ち。
牛蒡と蒟蒻、セイタカアワダチソウの白和えも、そんな郷愁を感じる一品となりました。