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絶望の夜ほど

汚れたスニーカーの私は
人混みについていけない
隣の人が歩くように
カツカツとヒールを鳴らせない
歩くスピード
同じ場所にいたはずなのに
どんどん近くの人が遠くなる  

スピードは違っても
同じ歩幅の人と
同じ場所で
出会えたなら
きっと嬉しいだろうな  

ほんの些細なことを
気にして
道の途中で
息が苦しくなる
心臓が早くなる
大量の汗がでる
手が震える
涙がでてくる
足が止まる  

だけど
そんな夜こそ
月は美しくて  

それが
生きているということ
本当は分かっていて
だからこそ
悲しくて  

愛しいあの人の
顔が浮かんでは滲む  

絶望の夜ほど
冷たいお水が美味しくて  

絶望の夜ほど
空気は澄み渡り  

絶望の夜ほど
辺りは静寂で  

絶望の夜ほど
月は美しい  

絶望の夜ほど
心臓の音は
はっきり聴こえ  

今夜も変わらず
私の黒い影が
確かに
存在する  

#詩 #ポエム

みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
てんぷらチヤコ様ありがとうございます😊

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