美容院より軽い産院選びでのトラウマ~初診②
妊娠のわかりやすい変調といえばつわりくらいしか知らず、そのつわりだって炊飯器の湯気で吐き気をもよおす。と絵に描いたドラマのようなシーンしか知らなかった。
実際は、まず妊娠に気づく変化として、微熱のような身体のダルさ、お酒が不味く感じる(毎日飲んでたから味には敏感)、胸の張りや乳頭の不快感…などがありました。
妊娠が判明してからしばらくは気を張ってて、とにかくどこの段階で安定というのかわからないけど、安定したら報告しよう。(いや、そういうものだ)と考えていましたら、体調に待ったなし。日に日に一気に体調が不安定時期に突入して、ある日朝起きたらもう横になってようが血管がドクドクして、割れるような頭痛ではないですか。これでは仕事にいくどころか、起きることがまず不可能。仕方なしに休む連絡を入れるわけですが、これが明日になって治ってる自信も見通しもつかなくて。
それで仕方なく上司に言わざるをえない状況になり、しかも電話で「…実は妊娠していて、そのせいかは分からないんですが体調が悪くなっていて…」と伝えるはめになってしまいました。
なんとか行ける算段をつけなければ予定がたたないし…。とにかくどうすれば仕事にいけるようになるんだろう…。もっと自分の体調のことを優先しなさいよ、とあのときに戻って言いたい。まだ初期の初期で、実家暮らしだったし、誰にも言うわけにいかず、ドクドクと割れそうな頭を抱えて不馴れな病院に足を踏み入れたのが最初の受診となりました。予約制でもないので下手したらお産とかも重なって、何時間待つか分からない待合室で、"何と伝えたらいいんだろう"、"結婚もしてないのに妊娠してることをつっこまれやしないか"、と何か悪いことをしてるようにヒヤヒヤしていた23歳のわたし。
やっと順番が来て、苦手な内診台に無になってあがり、先生と対面。
私「あの…頭が割れるようにいたくて、横になっててもズキズキして眠れないくらいなんですけど」
先「あなた、薬飲んで子ども殺したいの?病気になってもしらんよ!」
私「………」
以上。その返答の想定はさすがに長い待合でもしてなかったので衝撃がでかすぎて、駐車場まで涙をこぼさないように歩くので必死でした。
殺したい人がおるわけないやん…これが当たり前にある不調やって知らんかったんやし…
病院にいけば何とかなるって思ってた自分のバカさ加減と、先生に言われると思ってなかった一言で悲しさでいっぱいでした。
妊娠に気づいてから、周りに悟られないよう通常通りにすごすことがすでに無理がかかっていたことと、人生を揺るがす出来事が起こってその事実を受け入れることだけでもいっぱいで、知らず知らずのうちに気が張ってたのが原因のひとつだったのかな。
その時はまだ自分のことお腹に子どもがいるってことに思いを巡らす余裕もなくて、お腹以外に不調がでるなんて思いもよらなかった。
病気じゃないけど、普段と一緒、なわけないのに。