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【連載7】結婚したくてしょーがない20代女から、大恋愛を経て、結婚なんてどーでもいい30代女になったはなし

またあの人とやってしまった。元恋人に、別れ話をした。好きな人ができたから、もう別れよう。彼は泣いてて、いっぱいキスをされた。あの頃はあんなにキスの相性がいいと思ったはずなのに、全然何も感じなかった。彼は泣いていて、胸が苦しかった。そのまま、流れを忘れたけれど、もう一度した。「もう痛くしないから。ごめんな。」「うん。」。二人で泣いて抱き合った。

この頃とにかく自分のことがよくわからなかった。どうしたいのか。どっちといたいのか。どっちともいたくないのか。ずっと自分を責めていた。仕事で疲弊していたのもあって、頭に靄がかかったように、思考が働かなかった。この頃のことは記憶も曖昧だ。とにかく恋人とまた戻ることにしたから別れ話をしようと、新しい彼にまた会って、どういう流れだったか覚えてないけど、やっぱり体が反応して、また寝てしまった。ひどい罪悪感だった。

よく少女漫画で、二人のイケメンに迫られて困っちゃう~☆彡みたいな展開がある。現実にそれを体験した私は断言する。あれはまじでしんどい。よほどの小悪魔チャンでない限り、罪悪感と自責感で病む。だって、自分がきちんとしていれば、二人の男の間をふらふらなんてするわけがない。情けなくて相手に申し訳なくて、しょうがないのだ。

あっちいってこっちいって、再度、元恋人に、やっぱりもうダメだった。別れましょう。といった。彼は泣いてた。

その後、私が疲れて帰省していたとき。元恋人から電話がかかってきた。「僕、幼い頃に父親を亡くして、母親が苦労してるのを見てたから、だから、結婚をするのがずっと怖かったんだと思う。」嗚咽混じりの、ひどく焦って、上ずって、緊張した声だった。「でも、やっと覚悟ができたから。けっ、けっ、けっ、結婚しよう」といった。

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