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インクルーシブ教育を勘違いしていた
今この本を読んでいる。
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『差別のない社会をつくるインクルーシブ教育』野口晃菜 喜多一馬 編著
学事出版
野口晃菜さんは元リタリコで働かれていて、今は一般社団法人UNIVA 理事だ。彼女がYouTubeで講演されているのをいくつか見た。とても分かりやすくインクルーシブ教育を語っておられる。
私はインクルーシブ教育を障害のあるなしにかかわらず教育を受けるのがインクルーシブ教育だと考えていた。間違っていた。障害だけでなく、マイノリティの子供、サポートのニーズがある子供全員に優しい教育、それがインクルーシブ教育だ。
私はマジョリティーだ。大多数に入っている。日本で住んでいたら日本人が大多数だ。健常者というのもマジョリティー。外出するのに何も前もって調べる必要もない。例えば駅にエレベーターがあるかとか。オーディオの説明があるかとか。普通はこうよね、で今まで生活してきたし、それに何の疑問もなかった。そういう意味では差別的であったかもしれない。普通(多数派)がよくて、普通でない(少数派)はよくないと。
まずはそこに気づく必要がある。息子を産んでから息子が中学で発達障害の診断を受けるまで普通にこだわっていた。普通になってほしいと思っていた。自分の普通を押し付けていたんですね。普通なんて自分が勝手に作り出した幻みたいなもの。私の普通は他人の異常だったりする。
インクルーシブ教育の対象は、障害のある子どもだけでなく、性マイノリティ、貧困、不登校など、すべての少数派の子供たちだ。そして多数派は自分が多数派でともすれば少数派を差別、排除してしまう怖れがある事を自覚しなくてはならない。