鍼は本当に痛くないのか?痛いのか?
昔から鍼は、痛いものと思われていたようです。
そりゃそうですよね。
縫い鍼で、間違って指を刺してしまったとき、「痛っ」て声が出ます。
それが、何本も!考えられません。
多分、ほとんどの人が、鍼灸師の使う鍼を見たことや触ったことがないと思います。
私は、新しく来られた方に、問診時に、触ってもらって、
「こんなに、細い、髪の毛くらいなんですよ」と
説明します。
鍼灸院や、整骨院で、鍼を受けた方も、こうして、実際に触ったことはなかったとおっしゃいます。
そして、日本の鍼の方法と、中国式の手技では、大きく違うことがあります。
中国式は、鍼を右手にもって、えいっと、皮膚に突き刺す感じです。
左手で刺す部分を押えて、右手で刺す。
一方、日本式は、鍼管(しんかん)という管に鍼を入れ、それをまず、皮膚に固定させて、右手の人差し指で、トントンと軽くたたいて、刺します。
この写真を見てもらうと、左手で、皮膚に押し付けて、今から、鍼のトップ部分をたたこうをしています。
鍼は鍼管より長さが、数ミリ長いので、たたいた分、皮膚に入っていきます。
この方法は、管鍼法と言われ、明治時代に、杉山和一によって発明されました。日本独特の方法です。
当院がしている方法もこれで、ほとんどの鍼灸院は、この方法が多いと思います。
それでも、痛いのか?
私が考える鍼が痛いというのは、①刺す瞬間の痛みと、刺した後に、②鍼をさらに体に入れる時の痛みがあります。
①を切皮痛
②を鍼の響きと言います。
切皮痛は、施術者の腕の問題かと、私個人は思います。
学生の時は、切皮痛を出してしまうこともありましたが、練習でうまくなります。
鍼の太さにも関係しますので、当院では、細めの鍼を使います。
②鍼の響きというは、鍼が数ミリ入ったあと、右手で押し込んでいく、
垂直、または、目的の方向に、鍼を右手で押し込んでいく方法です。
狙った場所で、右手を、上下させたり、ねじったりして、さらに刺激を与える方法もあります。
その際に、ズシーンとした、独特の感覚があります。それを、鍼の響きと呼んでいます。
鍼の響きを起こすことが、治療効果があがると思ってされている鍼灸師もいます。私は、それは、あまり関係ないと思っています。
鍼の響きを好きな患者さんもいれば、嫌いな方もいます。私も苦手です。
鍼の方法は、それぞれです。
一回の鍼治療や、一人の鍼灸師の治療しか受けないで、鍼は、わかりませんよ。
鍼灸といっても、さまざまです。
怖いもの見たさでもいいので、まずは、お試しあれ。