笑顏の番人⑧〜日々コツコツ小説Ⅱ
昼過ぎになると、あの子の声が聞こえてきた。
「じゃあ、今日はすみません
少し早いけどお先に失礼します」
「今日はこの後、よろしくお願いします
すみません」
『あれ?早退だ、珍しい』
聞こえてきたのは、早退の理由。
どうやら大切にしていたペットが亡くなったそうだ。
『あんなにいつも通り笑顔でいたけど
そんなことがあったんだ。』
『だとすると、やっぱり昨日は』
しおんが心の中でそう思っていると
『ソウダヨ ダレダッテ ソンナニツヨクナイ』
『まただ。この声』
しおんは不思議に思いながらも
その声の言うことに頷いた