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英語の習得が難しいと感じる理由は?「母語干渉」について知っておこう!

こんにちは!なみのリズムのアサコです。

一般的に「英語の習得は難しい」と思われています。

「いや、難しいなんてのは思い込みだ」という言い方もできますけど、いずれにせよ、多くの人が難しいと感じていることは事実です。

その難しさの理由って一体何なんでしょう?

いろんな理由があげられますが、原因はたったひとつに集約することができます。

それは、「母語干渉」。

「『母語干渉』なんて初耳」という人がほとんどだと思いますが、このことについて知っているかどうかが、英語マスターのカギなんです。

それでは、説明していきますね。

「母語干渉」って何?

ライティングでもスピーキングでも、名詞にaやtheを付け忘れちゃうことってありませんか?

例えば「この間面白い映画を見たよ」と言おうとして、そのときについ、“I saw interesting movie.”としてしまう。

知識としては、どんなに冠詞のことを知っていても、間違えてしまう。そして、言ったあとに「間違えた!」と思う。

これは、「母語干渉」によって引き起こされるミスなんです。

日本語では、いちいち「ひとつの~」とか、「複数の~」とか考えません。だから、英語でaをつけたり、複数形にすることを忘れてしまうんですよね。

このように、私たちは英語を学ぶときに、無意識に母語(日本語)のルールを当てはめようとする習性があります。これを「母語干渉」と言います。

考えてみれば当然の話なのですが、英語と日本語の文法はかなりちがいます。だから、日本語のルールを英語に当てはめようとするのは筋違いなのですが、わかっていても、ついやってしまう。どうも、そういうふうに脳にプログラミングされてしまっているみたいなのですね。

これは、知識のあるなしにもかかわらず、無意識にも起きていたりします。

例えば、「意見を言う」を直訳したら、"say opinion"って言えそうなんですけど、こういう言い方って英語では不自然なんですよね。"express my opinion"とか"state an opinion”というわけで。これはインプットをたくさんしていないと、気づけなかったりする。

こうした母語干渉は、英語学習のあらゆる場面で現れます。

文法、リスニング、スピーキング…。本当に、あらゆる場面で。

文法ミスをしてしまうとき、英語がなかなかできない!と思うとき…犯人はほぼ100%と言っていいくらい、この母語干渉によるものなんです。

初級者から上級者まで、レベルは違えど、みんな同じ原因でミスをしているんです。私だって例外ではありません。日本語に惑わされて、言い方を間違えてしまうことは本当によくありまして…。

英語マスターのカギは、母語干渉とどうつきあい、どう克服するかにかかっていると言って過言ではない、と思います。

日本人が英語の習得が難しいのは、日本語と英語の間のギャップが大きすぎるために、母語干渉がめちゃくちゃ起こりやすいからなんですよね(ヨーロッパ人は、母語と英語とのギャップが少ないのでマスターしやすい)。

母語干渉から逃れるためにはどうしたらいいの?

では、母語干渉から逃れるためにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは、「母語干渉が自分に起きている」ということをしっかりと自覚することです。

「あ、今日本語にとらわれて、英語の言い方間違えたな」という風に。意識すれば、修正できますからね。

もうひとつは、英語と日本語のちがいを知ることです。

例えば、英語と日本語では時制の表し方が違います。

日本語では、過去と現在、両方において、「た」という語尾を使うことがあります。例えば「もしもあなたがいなかったら」という言い方は、過去を表す表現としても、現在を表す表現としても使えます。

もしもあなたがいなかったら、寂しいだろうな」
もしもあなたがいなかったら、寂しかっただろうな」

もし日本語の「た」は過去形だと思いこんでいたら、上の日本文を英文に直すとき、100%間違えてしまいます。

ちなみに気づいていない人が多いと思いますが、リスニングができない、つまり英語の音が聞き取れないというのも、母語干渉のせいです。

何も、発音の話だけではありません。そのメカニズムについては、他の記事にも書いてあるので読んでみてください。

さて、3番目の注意点としては、英文を理解する時や英作文をする際、日本語訳に依存しすぎるのをやめることです。

日本語訳に依存すると、母語干渉が起きやすくなり、上で述べたようなミスをしやすくなるからです。

スピーキングの練習として、瞬間英作文がいっとき流行ったと思うのですが、これは人によっては難しい習得法だと感じています。瞬間英作文は日本語を英語に訳すという性質上、母語干渉を起こしやすい学習法だからです。文法を身に付けるという意味ではある程度効果的だと思いますが、人によっては、特に文法が苦手な人にとっては苦労するかも…というのが、私の見解。

瞬間英作文を行う以上にリスニングを鍛えることで、何度も聞いてまる覚えしたフレーズを自分なりに組み合わせ、組み立てていく練習をした方が、効果が高いのではないかと思います。

つまり、リスニング前提でインプットしたフレーズによる、日本語にあまり頼りらない瞬間英作文なら、アリだと思います。

母語干渉を起こしにくい学習法を選ぼう

オススメなのは、日本語を介在させずに英語だけの回路をつくる練習です。

例えば、イラストや写真を見て直接英単語を覚えたり、場面とフレーズを直接結びつけて覚えたりする。また、英文法を英語で学ぶのです。

留学したことのある人やバイリンガルが、「日本語ではなんて言うか適当な訳が見つからないけれど、英語ではこう言う」なんてことを言う人がよくいますよね。これは、場面とフレーズを直接結びつけて理解していて、日本語を介在させていないからですよね。

ちなみに、文科省が高校の授業でオールイングリッシュ(すべて英語で授業を行うこと)を推奨しているのも、母語干渉をなるべくなくすためだと思われます(といっても、生徒さんが聞き取って理解ができなければ意味がないのですが…)。

日本語を絶対使うな、というわけではない

注意していただきたいのは、英語を学習する際に、日本語を完全に排除しろと言っているわけではない、ということです。

難しい文法などを理解する際は、日本語で英文が表す状況を説明した方が役に立つ場合も多々あります。

ただし、日本語訳を起点とした英訳、そして日本語訳に依存した英文読解は、母語干渉を引き起こしやすいです。なので、こうした学習をメインに行っていると、英語の習得が難しくなります。

ただ、英語を学び始めの初期の段階では、日本語に頼らなければ学習自体が難しいと思います。けれど、学習段階を進めるにつれて、徐々に日本語から離れていくことが望ましいです(翻訳者や通訳者を目指すのでなければ、です)。

ずっと日本語訳に頼った学習をしていると、特に、リスニングやスピーキングなど、コミュニケーションで英語を使おうとする際に、やっかいな障害となります。

念押しですが、「日本語訳を全く使うな」という話ではありません。日本語訳はあくまでも参考程度にとどめること。最終的には、英文の本当に意味するところをとらえる練習をしていくことが大事です。

特にコミュニケーションを主体とした英語を学びたい人は、母語干渉をなるべく引き起こさない方法で、英語学習を進めていくことをオススメします。

それが、英語をマスターするための最短の方法です。

このブログでは、母語干渉からなるべく逃れ、英語の習得をしやすくするための様々なヒントを提供していきます。ぜひ引き続きご覧ください。

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