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馬から学んだ、ストレスフリーな考え方

我が家の試練は、これまでも数々ありましたが、
その戦いは本当にある日突然始まりました。

絶対にないとは思ってなかったけど、
まさかこんな突然自分の家族に降りかかるとも
思っていなかったのが、ガン闘病。

それまでの当たり前だった日常に、
容赦なく降りかかる困難
そんな状況を、私なりにどう受け止めて乗り越えているかを、今日は書いてみたいと思います。

悪性リンパ腫のこと


夫のたかしさんが治療している、
悪性リンパ腫の治療事例について。

悪性リンパ腫は、とても種類が細かく分かれ、
低悪性、中悪性、高悪性の大きな進行特性分類に加えて、
どのリンパ球がどのように変異しているかなど
その種類は50を超えると言われています。

夫のかかっているものは
日本で一番罹患される方が多いと言われるもの、
言ってみれば悪性リンパ腫の中で
最もメジャーなもので、
びまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL)
という中悪性型です。

ただ、夫の症例は
完全に消滅しない「濾胞性リンパ腫」
からの変異型という厄介な特徴を持つDLBCLで、
その中でも難治性と言われる部類です。

楽観的になれる要素がきわめて少ない実情ですが、
そんな寛解が難しいとされるケースにもかかわらず
運がいいと思えることも沢山あります。

馬に学んだ、前向きになれる考え方


もちろん、病気の宣告にあたって
私自身のストレスやショックがなかったなんていうことはありません。

ものすごいスピードで事態が急変するので、
疲弊してしまうと何もかも
悪い方向へ向かってしまいます。

夫の場合は、初回の宣告だけでなく、
その後1クールの抗がん剤治療を経て
このまま寛解かと思った矢先に
まさかの腫瘍の再発が見つかり、
さらなる治療の延長が宣告されてしまいました。

1回目の抗がん剤は、とても治療成績が良く
8〜9割は一旦寛解するだろうと言われていたのが
その8〜9割に入れなかったのです

さすがにそのときは、
どれだけ前向きに捉えようにも
絶望感しかありませんでした

でも、そんなな中でも
とても良い先生に恵まれ、
今は私も夫も前向きに治療に取り組んでいます。

例えば、エプキンリと言うとても良いお薬が
1年前に承認されたばかりであることや、
認可前はとんでもない高額になる治療
と言われていた、
CAR-T細胞療法といわれる高度治療が
保険対象となる症例であるということ

(仮にこの治療が完全に奏功しなかったとしても
現代西洋医学の限界が人間の限界だとは
私は思っていません)

他にも、オンラインが当たり前の時代になり、
どんなに病室から出られないときでも
毎日顔を見て、子どもたちと会話ができることも
ほんとにこの時代でよかったと
痛感しています

夫の病気の発症があと数年早かったら、
恩恵を受けられなかったであろうことが
多々あります

不運なことに目を向けて
私が落ち込んで悲しむことで、
夫の病気が少しでも良くなるなら
それも悪くありませんが、
私が落ち込んだり、マイナス思考になって
良くなることは1つもない。

私は馬たちを相手して仕事してきて、
動物は未来のことや過去のことを悩まず、
常に目の前のこの瞬間に全力である姿を
目の当たりにしてきました。

人間のストレスが多い原因の1つは、
ここにあると思っています。

私たちは、過去も変えられないし
未来も変えられない



私たちがなんとかできるのは今この瞬間だけで、
言ってみれば、
今という瞬間が積み重なった先に
未来があり、過去になる。

結局、自分でコントロールできることが
今、目の前の自分だけであるという点では、
人間もほかの動物と何ら変わりがないのです。

だから、すべきことはただ1つ。
ただひたすら、「今」にフォーカスして
生きることです。

今の自分に正直に、
目的地を見失わないこと


心配や不安に押しつぶされそうになったら、
今自分がやりたいこととすべきことの
バランスをしっかりと保ち、
右や左に傾かないよう、
まっすぐに線の上を歩くことだけを意識する。

日々意識することは、これだけです。
そうすると、将来の不安とか恐怖から
いつのまにか解放される。

それは、何も考えない、悩まないという
意味ではありません

地球のどこかで苦しんでいる誰かのことを
考えて微力でも助けられる立場なら、
ぜひ考えてほしいと思いますし、
自分がそれについて考えることで
小さくてもアクションが起こせるのであれば、
それは意味のある思考だと思います

ただ自分が悩んでも変えられないことについて
心配したり苦しんだりするのは、
ただでさえ限られた時間を
さらに無駄にすることにしかならないので、
その問題についてある程度考えてから
自分にできることがあるかどうかによって
その悩みを手放すか、突き詰めるかが
変わってくるし、
その中でも何を優先して行動すべきかが
変わってくると思います。

私も夫のことが心配でないわけではありませんが、
「今私ができること」に集中していたら
落ち込むことはあまりありません。

なぜなら夫は今は生きていますし、
オンラインで毎日話もできます。
今できることに目を向けて、
今できることを最大限活用し、
今の一瞬一瞬を後悔のない時間にする。

私が馬から学んだ、大切な生きる知恵です。

ただ「前向きになる」というのは
漠然としすぎていて、
具体的に何をしたらいいのかがわかりにくい。

わたしたちにできることは、
自分が前向きになれない要因を取り除くこと。

どんな問題が
耳に入ってきたとしても、
今の私に直接できることがない話は
スルーするようにしています。

大変なのは事実ですが、
大変、大変と思って生きても
大丈夫、大丈夫、と思って生きても
結局日々やることは同じなのです。
同じやるなら、楽しくやりたい。

動物に接していて癒されると感じる人が多いのは、
そういう今に全力な彼らの生き方に
惹かれているのかもしれませんね。

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