幸せな海外大受験と留学の鍵
はじめに
タイトルに「幸せな」を付けたのにはそれなりに理由がある。ありがたいことに長年海外大・大学院出願の指導をする中、継続して交流を続けることで留学を終えた生徒が就職し、結婚し、家庭を築くまでの過程を見届けてきた。
そうするとやはり、受験期、留学生活、そして就活、就職と、苦労しながらも成長してそれに幸せを感じるタイプと、そうでないタイプに分かれていることに気が付かされる。私は特に受験期に多く生徒に関わるので、今回は主にそこに集中してお話しするが、これは人生全体に通ずるものがあるので、受験期でなくともぜひ自分の状況に当てはめて聞いていただければと思う。
重要な鍵とは
さて皆さんは私の今回の記事のタイトル、「幸せな海外大受験と留学の鍵」を読んで、答えが想像できただろうか。
通常は、英語力、財力、学力、コミュ力、行動力、などを思い浮かべるだろうし、実際世の中の留学関係の助言はこの辺りに集中している。どれも不正解ではないし、海外大受験と留学を「成功」させるのに必要なものだが、「幸せ」を保証するものではない。
私の答えはズバリ、親子の関係性だ。
留学したい学生の中には、親から離れて幸せを手に入れるための大義名分として留学を選ぶ子も多いので、ここで親子関係が幸せの鍵なんて言って欲しくないだろう。しかし、落胆する必要はない。なぜなら、現在の親子関係云々というより、それをどう見つめて、どう対処するか、そこが一番の鍵だからだ。
心理学や育児のことなどにアンテナを張り巡らしている人はもうすでにピンと来ているだろうが、これには「愛着」のコンセプトが関わっている。心理学者や流派によっては、もっと厳密な区分の仕方があるのだが、私はとりあえずわかりやすく、1)安定型、2)不安型、そして3)回避型の3分類バージョンを採用している。
3つの愛着型 by ChatGPT
ChatGPTの力を借りて、簡単に愛着スタイルの説明をしたいと思う。
安定型:自分と他人を信頼でき、感情を安定して表現・共有できるタイプ。親密な関係を築きやすい。このタイプは、親が一貫して愛情深く応じ、子どもの感情やニーズを尊重することにより形成される。子どもは自分が大切にされていると感じ、自己と他者への信頼感を築きやすくなる。
不安型:愛されることや見捨てられることへの不安が強く、他人の反応に敏感で過度に依存しがちなタイプ。親が愛情や反応にムラがあり、時に過剰な干渉や依存を示す場合に生まれやすい。子どもは「自分が愛されるかどうかが不確か」と感じ、不安定な状態に陥りやすく、他者からの承認を強く求めがちになる。
回避型:親密な関係や感情の共有を避け、自立や距離感を重視するタイプ。人と深く関わることを避ける傾向がある。親が子どもの感情に対して冷淡であったり、距離を置いて接する場合に生まれることが多い。子どもは「自分の感情は重要でない」と感じ、親密な関係や依存を避けることで自己防衛を図る傾向を持つようになる。
愛着の観点から取り組む海外大受験
これらのタイプは1歳ごろには確立され始め、子供のうちに「世界を見るメガネ」又は人間関係のパターンとして深く脳に刻まれる。ではなぜこれが、海外大学を受験するような青少年に関係あるのか。それは、このパターンが大人になっても消えず、本人の自己評価や意思決定に影響を及ぼし続けるからである。大人になると、新しい経験や自己理解によって愛着スタイルを修正することも可能だが、幼少期に形成された「思考の癖」は非常に強固なため、意識的な努力やサポートがないと大きく変わりにくいのだ。そしてほとんどの場合、親も子供も、自分の愛着スタイルとそれによる自身や周りへの影響に無自覚である。
私が行っている海外大受験に向けた精神分析は、ここに焦点を当て、まず自分の愛着スタイルを自覚し、そして理想の家族像や自分像を手放しながら自己を受容し、ありのままの自分を大切にし、成長する方法を模索する。
自分の愛着スタイルが気になる人はぜひこのサイトで診断してみると良い。一番高いスコアが主な愛着スタイルとなるが、私の生徒たちの最近の傾向では安定又は不安にプラスして回避を持ち合わせた回避ハイブリッド型、又は3つの項目が全て高いミックス型も増えている。
ここまで読んで下さった方の中には、「私は安定型ではないから、”幸せな”海外大受験や留学は無理だ。」と悲観している人もいるかもしれない。だが、前にも述べたように、安定型にも安定型の困った特性もあり、必ずしも安定型だから幸せな留学ができるわけではない。不安型回避型でも、自分の思考や行動の癖や、長所を理解し、世界を飛び回って充実した生活を送っている人もたくさんいる。結局大切なのは、己を知って、どんな時も愛し成長し続けることなのだ。これからシリーズで愛着型別に、典型的な海外大受験の特徴を説明していきたい。
海外大受験のご相談はこちらまで↓
namikism@gmail.com
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