回避型は非常に一つの記事にまとめるのが難しい愛着型だ。増してコロナ以降、今までにないほど若者の回避のスコアが高まっている。名称通り、「人間関係を回避しがち」なことから、静かな陰キャが多いと思われがちだが、実は饒舌(じょうぜつ)な陽キャも多い。実社会を見てみても、権力や名声がありコミュニケーションが必要とされる仕事、政治家、経営者、医師、弁護士などにも回避型が多い。その中には元大統領や実業家として活躍している人もいる。 しかし、そんな多様な彼らを「回避型」というカテゴリーに属
このシリーズを読む上での注意点前回の記事で軽く、乳幼児期の親との関係からできる愛着スタイル(安定、不安、回避)について説明したが、今回はそれが海外大出願にどう影響するかを私の観察した範囲でお話ししたい。 このシリーズは不安型→回避型→安定型の順で投稿しようと考えている。 あくまでもこれは今まで見てきた生徒たちを総合して一般論化しているだけであって、それぞれのユニークな違いを反映しているわけではない。血液型診断でもわかるように、人間を3つに分類するなど本来無理な話だ。人生色
はじめに タイトルに「幸せな」を付けたのにはそれなりに理由がある。ありがたいことに長年海外大・大学院出願の指導をする中、継続して交流を続けることで留学を終えた生徒が就職し、結婚し、家庭を築くまでの過程を見届けてきた。 そうするとやはり、受験期、留学生活、そして就活、就職と、苦労しながらも成長してそれに幸せを感じるタイプと、そうでないタイプに分かれていることに気が付かされる。私は特に受験期に多く生徒に関わるので、今回は主にそこに集中してお話しするが、これは人生全体に通ずるもの
珍しく、パーソナルな話ではなく、プロフェッショナルな話をしようと思う。年末年始に受験期が迫る今、伝えるべき重要なことだからだ。 留学のノウハウや情報などは、絶賛留学中の戦士たちや留学エージェントがクオリティの高いものをネット上で公開しているので、私は生成AIの海外大受験への影響について思うところを吐露する。 私は海外大学、大学院出願における志望動機書やエッセイ作成を学生時代も含めると15年ほど指導してきた。アメリカではアイビーリーグを含むトップスクール向けなどになると1時
1. 最悪の年明け 「母さんが…事故に遭って、危篤だって。」 普段は冷静なインド人夫が電話口で震える声を振り絞った。 2023年、年明け。 あの日は週末で、彼はわざわざ日比谷にある有名なベーカリーにパンを自転車で買いに行ってくれていた。 出かけて30分後に彼から着信があった時、「あ、私が頼んだパン、無かったのかな?」くらいに思っていた。だがその衝撃的な知らせを聞いて、とにかく彼が安全に帰宅する事と義母が命を取り留めることを必死に願った。 30分くらい経っただろうか。
菜海子、ブタちゃんになる🐖あれは忘れもしない、2009年12月初旬。 コロンビア大学2年となった私は迫り来る秋学期の期末試験でAを取る他に、一つ悩みがあった。 連日の猛勉強にかまけてチョコチップクッキー🍪を栄養源にしていた私は、不摂生が祟り、みるみる間に黒人の男にしかナンパされなくなっていた。別にこれは人種差別でもなんでもない。ニューヨークでは女性であれば誰でも声をかけられたり、道でナンパされたりするのだが、私の非科学的肌感覚では、私の体型とモテる人種に明らかな相関関係が
*this article has been modified from the original version written in Japanese to accomodate non-Japanese audiences 1: Columbia becomes No.2 in the nation September 2021, my Facebook and LinkedIn feeds were awfully noisy. "Go Lions!" (aka
1:コロンビア、全米2位になる2021年9月、FacebookやLinkedInのフィードはやけに騒がしかった。 “Go lions!” (コロンビア大生の別名)🦁 私の大学時代の友人たちが、コロンビア大学がプリンストン大学に次いで全米2位になったというUSNewsの大学ランキングの結果を誇らしげにシェアしており、ついでにそんなところを卒業した自分の能力の高さを遠回しにアピールしていた。 私も自分の学歴に更に箔が付いた気がして、優越感を覚えた⤴️ 2: 私がコロンビア
最初で最大の喪失小6の夏、殺伐とした機能不全家族の中で唯一私の味方だったおじいちゃんが自殺した。 あの日私は、レアな歯科疾患の治療で新潟の大学病院まで通院する日だったので家を早朝から留守にしていた。時は1997年。携帯電話は普及していなかった。 夕方、長旅と治療でへとへとになって家に帰るとパトカーが止まっている。「え?強盗?」と思ったが、家族に話を聞くと祖父が窓から飛び降りたとのことだった。割と高さのない窓だったので、一命を取り留め、今は病院に入院していると聞いた。 祖
私が人生で1番勇気を振り絞ったのは、コロンビア大学の”Apply”ボタンを押した日でも、国連に足を踏み入れた日でも、起業した日でも、出産した日でもない。 バンクーバーで2年近くの引きこもり期間を経て、ボランティアしに外に出た日だ。 菜海子、カナダに留学(逃亡)する日本で音大受験も諦め、推薦入試(今考えれば評定平均が3を切っていたので当然)にも失敗し、他にもあり得ないほどどん底だった私は、高3の冬の時点で、かなりの鬱状態にあった。そんな中母がふと口にした、「あんたは留学の方
*このシリーズは、生徒本人の承諾と確認を得て執筆、公開しています。 Chapter 1: 出会い〜学部留学 あなたを野菜に例えると? 私の講座では自己分析と比喩表現のエクササイズとして、早い段階でこの質問を必ずしている。 「俺は中身が空っぽなんで、ピーマン🫑っすね😏」 と、夏休みの出願エッセイの集団授業でふんぞり返りながら言った生徒がいた。ピーマンのP君としよう。 授業中の彼を観察していると、なるほど、空っぽに見える。10分間静かに作文する時間に周りにちょっかいを出
「海外で結婚相手を探すなら、インド人かアフリカ人にしなさい。」 2004年の6月、カナダ留学を数日後に控えた18歳の私に、父はそう言い放った。 「父親のくせに、どんなアドバイス!?しかも私はかっこいい白人の彼氏見つけるし!」と、息巻いていた。 しかし同時にグローバルな経験を持つ父の言葉には私には知り得ない理由があるのだろうと思い、妙な説得力も感じていた。 父は料理の修行と称して1970年代に世界中を放浪した経験があり、訪れた国々の中でも特にエチオピアとインドが大のお気