友よ生きてくれ


「ひさしぶり!元気?」

大学の同級生である彼から久しぶりに連絡がきた。

彼は一年前から音信不通になり、友人たちがどれだけ連絡しても返信は無かった。

そんな彼からの連絡に戸惑いと喜びが相混ざった複雑な感情になったのを覚えている。

「久しぶり!何してたんだよ!」と僕は聞いた。

彼は答えた。「なんか色々あってさ、、」

よく聞くと大学卒業後に医療メーカーの営業職に就職したものの、職場環境のストレスにより精神的に落ち込んでいたらしい。

うつ病ということだった。。。

僕は正直悔しかった。

この無慈悲な世の中を疎ましく思いながら、何も出来ない自分の力の無さに無性に腹が立った。


そして今日、僕と彼を含めた友人3人と久しぶりに食事に行った。

懐かしい大学時代の思い出に話が弾む。

相変わらずだなあなんて思いながら帰路についた。


帰り道の途中に彼がふと言った。

「自分の人生がいつ終わるのかしりたいよな」

僕は言った。

「そうだな。まあ、お前らがいるなら人生は楽しいからいつ死んでも後悔はないな(笑)」

そして彼はフッと鼻で笑った。


そうだ。それでいい。

笑ってくれ友よ。

そして、生きてくれ友よ。





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