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「飛ぶ教室」 エーリヒ・ケストナー

▷今回読んだ本


飛ぶ教室
エーリヒ・ケストナー  訳 若松宣子
偕成社文庫 定価800円+税

ドイツの高等学校の寄宿舎で、個性あふれる少年たちと先生が心暖まる物語を繰り広げる。作者の少年時代の思い出と、躍動的な少年像を描いた永遠の学園物語。ドイツの国民的作家ケストナーの代表作。

偕成社ホームページより


 ケストナー楽しめないやついるぅ!? いねえよなあ!! と己の中のマイキーさんが出てきてしまいそうなくらい、ケストナーが好き。
 点子ちゃんとアントン、二人のロッテ、エーミールシリーズ……。読書好きな母の影響で幼いころからケストナーに触れてきましたが、彼の作品の中で最も好きなのが「飛ぶ教室」です。本当に好きです。
 いつかドイツ語勉強して原文読んでみたい。


▷感想

 読む度に思うけど、ウリめっちゃすき。吹っ切れてよかったねえ。マティアスとウリの友情が本当に好きなんだよな。でもそれだけじゃなくて、ジョニーがなんだか冷めて見えるのに小説書いたりしてるの良いし、大人たちも良いんだよな~。ベック先生と禁煙さんはまじ神。エーガーラントもかっこいいんです。なかなかに潔くてすき。ハンサム・テオドールも割と素直で好感度高し。マルティン君はもうちょっと周りに頼ってもいいのでは? って思っちゃうんだけど、頼れないのわかる、わかるよ……。だからこそベック先生がすげえんだ。
 でも私が一番好きなのはどう考えてもゼバスチャン・フランクなんですそうなんです。自分に勇気がないことも怖がりなことも知っているけど、周りには知られないようにしているゼバスチャン・フランク、推せます。皮肉屋なのにちょこっと自己嫌悪が垣間見れるところほんとうにすき。
 ていうか、そもそも「飛ぶ教室」はストーリーが好きすぎる!! 「はじめに」も「終わりに」も好きが過ぎます。劇の稽古とか実業学校生とのケンカとかウリの飛び降りとか、全く関係のないことばかりなのに、だからこそ日常を描いてる感があってすごく良い。そうやっていろんなことを詰め込んでいるのに話がバラけていないのもすごいなあって思います。

(2020年11月23日)


偕成社文庫 「飛ぶ教室<新訳>」
https://www.kaiseisha.co.jp/books/9784036525508

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